同賞は、1966年よりカッティングシート(以下CS)の開発・販売を行なっている中川ケミカルが主催し、CSの優れたデザイン表現を推奨することを目的 に、1982年にスタートした作品コンテスト(途中から学生を対象としたアイデア部門も付加され、一般部門と学生部門の二本柱に)。一般部門では、CSの さらなる普及を願い、同社のCSが未使用の施工例であっても応募でき、審査の妨げにもならないのが、数あるメーカー主催の施工例コンテストの中で特筆すべ き点である。
CSデザイン賞;は今年で30周年を迎え、数えて17回め。本展は、今回入賞を果たした一般部門と学生部門の作品展示。グランプリ作品は中川ケミカルのCSを使って部分再現され、構成が判りやすいように一部の作品で会場模型も用意されている。
一般部門グランプリ:「Spainalight exhibition」。
本作品は、昨秋の東京デザイナーズウィークの期間中、スペイン大使館を会場に開催された展示イベント「Spainalight展」で発表されたもの。受賞者は、スペインを拠点に活躍するデザインユニットStone Designs。
画像は先月末に都内で開催された表彰式でのひとコマ。
向かって右から2番め:Eva Prego、その左隣:Cutu Mazuelos、中川社長(右)、受賞者が掲げているトロフィーをデザインした五十嵐威暢氏(左端)、その右隣:永井一正審査委員長。
「大胆なデザインが展示空間を見事に活性化させている。椅子や照明器具を引き立てるオレンジの壁、そこから床に流れるオレンジの幾何学造型、それはまさに スペインの太陽の強い光を思わせる。」と永井一正審査委員長の講評にもあるように、オレンジの単色のみで、展示コンセプトを明快に表現したことが高く評価 された。(5枚めの画像提供:中川ケミカル)
受付カウンターも本展にあわせてオレンジ一色に。塗装のように見えるが、貼ってもすぐ剥せて、現状復帰が容易なのもCSの大きな特色。
一般部門の準グランプリには3作品が選出された。
準グランプリのひとつ、中央の写真パネル(右から2番め、模型なし):「IRO」
右端のパネルは、中川ケミカル賞を受賞した3作品のひとつ、「トリアスモール」。
手前:準グランプリ受賞作品「2D/3D Chairs」、その奥:「ポリゴン・ピクチュアズ」
そのさらに奥は、優秀賞と中川ケミカル賞受賞作品のパネル(作品詳細は主催者公式発表を参照のこと)。
「2D/3D Chairs」は、個性的なウィドウディスプレイを行なっている、銀座4丁目「ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE」を会場に発表された作品。デザイナーは山本陽一氏および伊東弥生氏(山本陽一建築事務所)。
ガラス1枚隔てた店の外から、ある視点にフィットすると、床面に貼られた青いシート素材が、椅子の座面となって見え、背の立体と共に立ち上がってくる視覚効果が、縮尺模型で再び体感することができる。
右端から、優秀賞「キネンシャシン」、「コニカミノルタプラネタリウム”天空”in TOKYO SKYTREE TOWN®」ほか。
学生部門の入賞作品。自分のアイデアが実際に「モノ」となるのは、なにより良い記念と経験に。

「第17回CSデザイン賞」受賞結果は、KENCHIKUサイト>コンペ結果ページにも掲載。