2012年11月30日金曜日

「第17回CSデザイン賞」展開催中

東日本橋の中川ケミカルのショールーム CSデザインセンター にて、企画展「第17回CSデザイン賞展」が開催されている。
同賞は、1966年よりカッティングシート(以下CS)の開発・販売を行なっている中川ケミカルが主催し、CSの優れたデザイン表現を推奨することを目的 に、1982年にスタートした作品コンテスト(途中から学生を対象としたアイデア部門も付加され、一般部門と学生部門の二本柱に)。一般部門では、CSの さらなる普及を願い、同社のCSが未使用の施工例であっても応募でき、審査の妨げにもならないのが、数あるメーカー主催の施工例コンテストの中で特筆すべ き点である。

CSデザイン賞;は今年で30周年を迎え、数えて17回め。本展は、今回入賞を果たした一般部門と学生部門の作品展示。グランプリ作品は中川ケミカルのCSを使って部分再現され、構成が判りやすいように一部の作品で会場模型も用意されている。
一般部門グランプリ:「Spainalight exhibition」。
本作品は、昨秋の東京デザイナーズウィークの期間中、スペイン大使館を会場に開催された展示イベント「Spainalight展」で発表されたもの。受賞者は、スペインを拠点に活躍するデザインユニットStone Designs。
画像は先月末に都内で開催された表彰式でのひとコマ。
向かって右から2番め:Eva Prego、その左隣:Cutu Mazuelos、中川社長(右)、受賞者が掲げているトロフィーをデザインした五十嵐威暢氏(左端)、その右隣:永井一正審査委員長。
>
「大胆なデザインが展示空間を見事に活性化させている。椅子や照明器具を引き立てるオレンジの壁、そこから床に流れるオレンジの幾何学造型、それはまさに スペインの太陽の強い光を思わせる。」と永井一正審査委員長の講評にもあるように、オレンジの単色のみで、展示コンセプトを明快に表現したことが高く評価 された。(5枚めの画像提供:中川ケミカル)

受付カウンターも本展にあわせてオレンジ一色に。塗装のように見えるが、貼ってもすぐ剥せて、現状復帰が容易なのもCSの大きな特色。

一般部門の準グランプリには3作品が選出された。
準グランプリのひとつ、中央の写真パネル(右から2番め、模型なし):「IRO」 

右端のパネルは、中川ケミカル賞を受賞した3作品のひとつ、「トリアスモール」。

手前:準グランプリ受賞作品「2D/3D Chairs」、その奥:「ポリゴン・ピクチュアズ」 

そのさらに奥は、優秀賞と中川ケミカル賞受賞作品のパネル(作品詳細は主催者公式発表を参照のこと)。

「2D/3D Chairs」は、個性的なウィドウディスプレイを行なっている、銀座4丁目「ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE」を会場に発表された作品。デザイナーは山本陽一氏および伊東弥生氏(山本陽一建築事務所)。

ガラス1枚隔てた店の外から、ある視点にフィットすると、床面に貼られた青いシート素材が、椅子の座面となって見え、背の立体と共に立ち上がってくる視覚効果が、縮尺模型で再び体感することができる。

右端から、優秀賞「キネンシャシン」、「コニカミノルタプラネタリウム”天空”in TOKYO SKYTREE TOWN®」ほか。

学生部門の入賞作品。自分のアイデアが実際に「モノ」となるのは、なにより良い記念と経験に。

「第17回CSデザイン賞」展会期は2013年1月18日(金)まで、開館時間は10:30~18:30、土日祝日および年末年始休館、入場無料・予約不要。
「第17回CSデザイン賞」受賞結果は、KENCHIKUサイト>コンペ結果ページにも掲載。

2012年11月29日木曜日

ヤマギワ展示会「上質な空間の光とインテリア」開催中

京橋・中央通りに面したヤマギワ東京ショールームにて、12月14日まで展示会「上質な空間の光とインテリア」が開催されている。
昨年4月のオープンから1年半を経て、LIMBURG(リンブルグ)社の照明やWALTER KNOLL(ウォルター・ノル)社のファニチャーなど、一部商品を入れ替えて11月15日にリニューアルした。
通りから見える位置に置かれたドイツの高級家具ブランド、ウォルター・ノル社のソファセット。絨毯は同社の製品で、社長が世界中を旅行して撮った写真をもとにデザインされている。 (注/リンブルグ社の大型円形ペンダント照明は実際にはもっと天井高さがある空間に吊られる)。

ウォルター・ノル社をはじめSEDUS(セダス)社のファニチャーが、ショールームとしては贅沢なまでにゆったりと配置された構成で、これまで通りに「上質なあかり」を提供し続けるヤマギワ(株)として、上質な住空間、暮らしかたをまとめて提案している。

フロアの奥は、プロユーザー向けの照明展示。
リンブルグ社は、欧州で高い評価を受けているガラス照明器具メーカーで、「リンブルグの白」と呼ばれる手づくりの高品質ガラスがよく知られるところ。
日本ではバスルームや洗面室などでよくシェル(貝殻)型のブラケット「WALL LUMINAIRE」を目にするが、今後ヤマギワではアーキテクチュラル・ライトとして提案していく予定。
欧州での展示事例を紹介したパネル。有名企業の役員室や、欧州でのモーターショー会場などでも仮設で使用され、その幅広さと求められるグレードの高さに驚く。
エクステリア向け照明:ベガ(BEGA)社の展示。

海外だけでなく、もちろんヤマギワの照明の新商品も展示している。
高色温度・高照度から低色温度+低照度にダイヤルスイッチひとつで調整できる光色リンク調光「L-system」。手前のテーブルはセダス社の「ミートテーブル」。

光色リンク調光「L-system」の一例。
震災後に一気に浸透したLED照明。省エネや耐久性ばかりが評価の対象になり、色の再現性などの演色性はまだまだ白熱灯などには及ばないと思いがちだが、ようやく従来製品と肩を並べられる製品が登場した(今年6月から発売中)。
病室用の照明「LED MULTI BED HEAD BRACKET(通称LED MULTI BHB)」は、1つの照明器具で3役を担う。ハイパワーのアッパーライト、読書灯に加え、片手で器具をくるりと回せばケアライトに(治療や介護などベッド面での明るさが必要な場合に適している)。
ヤマギワ東京ショールームは11-18時オープン、日曜祭日休館(不定期で特別催事も開催)。予約不要で誰でも入場できる。

2012年11月20日火曜日

「シェルターインターナショナル学生設計競技2012」(第14回) 公開プレゼンテーション、最終審査開催

「シェルターインターナショナル学生設計競技2012」の公開プレゼンテーションと最終審査が、11月17日(土)にヒルサイドプラザ(代官山ヒルサイドテラス内:東京)で開催された。
1999年に東北地区限定の学生コンペとして始まった当コンペも国際コンペとなり4回目を迎え、日本国内から252作品、海外からは226作品の合わせて478作品の応募となった。
 一次・二次審査は10月13日(土)に(株)シェルター本社(山形市)で行われ、最終審査に臨む5組(国内3、海外2)が選出された。
課題は「巨樹モデル」、今回の出題者であり審査委員長でもある平田晃久氏をはじめトム・ヘネガン氏、中田千彦氏、古谷誠章氏、元倉眞琴氏を前に公開プレゼンテーション、質疑応答と進められた。
中国からの参加者がビザの関係で来日できず、ビデオによるプレゼンテーションとスカイプを使っての質疑応答となった。
そんな中、東京理科大学のチームが“最優秀賞”を勝ち取り、中国からの参加者が不利な状況にもかかわらず“優秀賞”となった。

最終結果は以下のとおり。
【最優秀賞】 
「地または家」:土屋秀正、田澤考祐、仲俣直紀、佐藤聖、塚本慎一朗 (東京理科大学大学院)
【優 秀 賞】 
「Furniture Donation Club」:Li Siqi (Tianjin University/中国)         
【入賞】 
「連鎖の家」 :冨永美保(横浜国立大学大学院)
「ROOTED」:Matthew Larsen Nickells、Taylor Ragasa Ferguson
 (The University of Colorado at Boulder/USA)
 「symbiotic houses」:村田真悟(京都大学大学院)、元木智也(京都工芸繊維大学)
なお、最終審査へは進めなかったが、二次審査終了時に“奨励賞”2作品が決定している。
【奨励賞】 ・佐藤晋平(芝浦工業大学)
       ・Elizabeth Bigler(The University of Texas at Arlihgton/usa)

 詳しくは、http://www.shelter-inc.net/compe/               

2012年11月19日月曜日

建築家フォーラム第115回「市庁舎の未来を巡る対談:隈研吾+古谷誠章」

LIXIL:GINZAにて、建築家フォーラム第115回「市庁舎の未来を巡る対談:隈研吾+古谷誠章」を聴講。
今回は対談形式で、古谷氏が先ず、工事中に村が合併した《群馬県中里村新庁舎》、最優秀賞を勝ち取った《喜多方市新本庁舎》プロポーザル案、最近改めて見学したという丹下健三作品《香川県庁舎》などの話を導入部に、ゲストへバトンタッチ。隈氏は《戸畑区役所新庁舎 C Block PJ》、《梼原町総合庁舎》、今春オープンした《アオーレ長岡》をプレゼン、最優秀に選ばれたばかりの《富岡新市庁舎》プロポ案の画も披露された。コンペに応募する側、選ぶ側を共に体験している両建築家のやりとりは、満場の聴講者を前におおいに弾んだ(画像提供:建築家フォーラム)。最後の質疑には内田祥哉氏の姿も。
次回建築家フォーラム116回「あちら と こちら で」はゲストに小川次郎氏を迎えて開催される。

2012年11月12日月曜日

エスパス ルイ・ヴィトン東京にて、エルネスト・ネト作品展開催中

表参道沿いエスパス ルイ・ヴィトン東京にて、ブラジル人アーティスト、エルネスト・ネト(Ernesto Neto)氏による「Madness is part of Life(狂気は生の一部)」が開催されている。
会場空間を圧倒的な存在感でもって占めるのは、天井から吊り下げられた巨大な作品「A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)」。
会場配布物によると、連作『Balanco(ブランコ)』に属するもので、膜(スキン)と細い通路(キャットウォーク)で構成された、体験型彫刻とのこと。
会場奥の作品見上げ。
作品の構成素材はポリプロピレン及びポリエステルのひも、プラスチックボール。
なんとこの作品、8名までなら、作品の中に入ることが出来る。靴を脱いで、いざ行かん。
周囲の紐につかまりながら、一歩一歩、奥を目指す。ふとよみがえる懐かしい感覚は、フィールド・アスレチック。
最深部まで、あと少し。既にけっこうな高さです。
作品最深部。
差し込む初冬の陽光の下、作品に寝転んでいると、至福の一時が味わえる(高所が苦手でなければ)。
最深部での作品見上げ。
設営の様子は同館サイトの展覧会ページに6分間の動画が掲載されている。
会期は来年2013年1月6日(日)まで。入場無料。


2012年11月8日木曜日

ギャラリー ル・ベインにて「内田繁と内田デザイン研究所のデザイナー展」11/9(金)まで

リラインスのショールーム内GALLERY lebain(ル・ベイン)にて、「内田繁と内田デザイン研究所のデザイナー展」が開催されている。会期は11/9(金)まで、11-19時(最終日のみ17時まで)。
オランダの家具メーカーPASTOE社のための家具デザインを探すなかから生れた、内田繁氏と内田デザイン研究所の所員が考えるデザイン思考実験の数々を、プロトタイプとインスタレーションというかたちでこのほど発表。

会場に入って、向かって左側の列、手前から、正木洋平「棚の洋梨」、稲垣留美「round bar」、成川秀一「食器棚」。
右側の列、手前から、鈴木学「積み木」、横山由美子「旋律」、先崎茂晴「白い棚」。
作品制作に際し、サイズには縦横1200×奥行き450ミリ(またはそれ前後のサイズ]という規制があったが、それは収納としての機能のほか、1つのオブジェとして成り立ち、限られた小さな空間にも適応するサイズであるとPastoe社は考えるため。

先崎茂晴「白い棚」を裏側から。

鈴木学「積み木」を含む3点の作品は(見た目には判らないが)引き出しや扉付き。会場で実際に開閉できる。
 先崎茂晴「白い棚」
 成川秀一「食器棚」
奥の会場では内田繁氏の作品を展示。
本展協力:(株)霞工房(株)美留土、(株)青島建築公司

2012年11月7日水曜日

六本木ヒルズ「66プラザイルミネーション」テスト中

六本木ヒルズにて、何やら明滅を不規則に繰り返す巨大な"卵"を目撃。
来週月曜日からスタートする「66プラザイルミネーション」の点灯試験中。六本木ヒルズサイト内の公式サイトはこちら。これによると、けやき坂でのイルミは既に昨日から始まっている模様。
CGグラフィック提供元のクレジットに「Uchihara Creative Lighting Design Inc.」とあり、同日11/12より毛利庭園でも始まるイルミネーションのCGも同様にて、内原智史デザイン事務所が照明計画を担当か。

以下、イルミ公式サイトよりテキストを転載。
「ヒルズの玄関口となる66プラザでは「芳醇な時-Velvety Duration-」をテーマに、ゆったりと時を味わう空間を演出。見る人を包み込む、幻想的な「琥珀色」のシンボルオブジェが姿を現します。」
人が出入りできそうな開口が2箇所にあり。通り抜けできるのかもしれない。
これが「琥珀色」か。イベント協賛がウイスキーで有名な企業とわかれば殊更成る程と頷けるコンセプト。
卵のてっぺんも何度か白く光っていた。本番が楽しみ。

2012年11月6日火曜日

新宿伊勢丹ウィンドー「Baccarat Legend of Creation ~バカラ、そのクリエイションの軌跡~」

11/6(火)で終了した伊勢丹新宿店での「ISETAN DESIGN WEEK VOICE OF MATERIAL」のうち、本館ウィンドーでの特別展「Baccarat Legend of Creation ~バカラ、そのクリエイションの軌跡~」の様子。

バカラの248年におよぶ歴史を振り返り、バカラのクリスタルにインスピレーションを受けた11組のデザイナーによるコラボ作品を、彼らがバカラのクリスタルと向き合った際に込めた、Voice=言葉とあわせて、ウィンドーディスプレイに展示したもの。
01:パトリシア・ウルキオラ「VARIATIONS(ヴァリエーションズ)―変奏曲―」
02:ミケーレ・デ・ルッキ「Sfera(スフェラ)」
03:ハイメ・アジョン(クリスタルキャンディセット"THE ZOO"」
04:フィリップ・スタルク「DARKSIDE(ダークサイド)」
05:エットレ・ソットサス
06:トーマ・バスティード「Abysse(アビス)」
07:サヴィネル&ロゼ「Plum(プリュム)=羽根、Vega(ベガ)」
08:マルセル・ワンダース「UNITED CRYSTAL WOODS(ユナイテッドクリスタルウッズ)」
09:アレック・レヴィ「PHANTOM(ファントム)」
10:マティアス「MILLE NUITS(ミルニュイ)」
11:ジョルジュ・シュヴァリエ

イベント期間中、本館5階ではnendo、1階ザ・ステージでは名和晃平氏とのコラボ作品も展示された。名和氏のシャンデリアにも値がついていたが、購入者は現われたのであろうか?