岸和郎氏自身のプロジェクトをドローイングと模型のみでプレゼンテーションした「PROJECTed Realities」から15年、TOTOギャラリー・間で開催される個展としては2回目となる。
本展では、建築家として、また教育者として活動している岸氏のパラレルな活動の軌跡を、2016年現在の切断面として紹介している。
京都をメインとした数多くのプロジェクトに加え、これまで携わってきた3つの大学でのアクティビティ、さらには東京のプロジェクトから近作まで、模型やドローイング、映像等、様々な 切り口で展示されている。
3階の展示スペースでは、3つのテーブルに岸氏が教鞭を執る3つの大学の自身で設計をされた校舎の模型と自主設計の図面が展示されている。
京都大学北部グラウンド運動部部室棟(協力:京都大学 岸研究室)
KIT HOUSE(協力:京都工芸繊維大学 木下研究室)
京都芸術短期大学 高原校舎(協力:京都造形大学 城戸崎和佐研究室)
また、壁面には大学で教鞭を執りながら建築家として設計を行ってきた建物の図面や写真が展示されている。これらの図面は、手書きで作られたアナログな表現のものからアナログとデジタルの表現が混在しているようなものまで様々あり、歴史を感じることができる。
3階中庭には京都周辺で設計された建物がガラスの中にエッジングされたもので展示されている。
室内のベンチを京都駅として、各建物の位置関係を感じることができる。右手奥の岩を比叡山と見立て、その奥の3つの建物は滋賀県のものだという。
中庭の展示
ガラス内部にエッジングされた建物
この展示会のために京都造形大学 城戸崎氏がデザインしたベンチ
ベンチより見える中庭の展示
4階では現在進行中のプロジェクトなど建築家としての最近設計された建物の模型が展示されており、中でも京都市美術館新館計画案では、提案内容が地下部分に多くその為模型は地下部分まで詳細に作られている。また台上のモニターを動かすことで、仮想立体モデルの断面形状を見ることができるデバイスが用意されている。
他にも椅子に座ってお茶席を行うことができる立礼卓や、岸氏の元教え子の森山茜氏のテキスタイルウォールも展示されている。
立礼卓
テキスタイルウォール(制作:森山茜氏)
展示は2016年1月28日(木)~3月20日(日)まで