2012年8月31日金曜日

サントリー美術館「おもしろびじゅつワンダーランド」9/2(日)まで

隈研吾氏設計のサントリー美術館へ。開催中の「おもしろびじゅつワンダーランド」は「来て、見て、感じて、驚いちゃって!」というサブタイトルまま、体感型の企画展。
国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」の蓋の内側、金蒔絵を投影したプラネタリウムが来場者をお出迎え。奥は蓋が閉じられた状態の現物。
「武蔵野図屏風」をイメージしたススキ林のアプローチから、「和ガラスの藍ドーム」のトンネルを抜けた奥に、土佐光高筆とされる「洛中洛外図屏風」がある。六曲一双の屏風をデジタル化、描かれた二条城や清水寺などの建築物、往来の人々の表情や衣装など、17世紀当時の市中の様子が拡大して見られる大型タッチパネルが大人気。
同館が所蔵する薩摩切子や藍色徳利などの「和ガラス」の色とかたちを、見て、感じる展示。展示ケースとトンネルの色が、青から白、白から青へ、ゆっくりと移ろってゆく。

本展会場はノンフラッシュ撮影のみ可能。 開館 10時~18時(金土曜は20時まで)、来週9/2(日)会期終了。次展「お伽草子 この国は物語にあふれている」も楽しみ。

2012年8月30日木曜日

アクシスギャラリーにて、第7回「金の卵 オールスター デザイン ショーケース」始まる

アクシスギャラリーで7回めを数える「金の卵 オールスター デザイン ショーケース」が始まった。国内18大学のデザイン系学部の学生達=次の時代を担う若きデザイナーの卵達が、テーマ「スマートライフ -エネルギー再考」の具現化に挑む。

会期中には出品学生によるプレゼンやトークショーも予定。
会場配布のカタログ。出品作品の番号がシールがページの最後についていて、共感した作品の台に貼る趣向。FBの「いいね!」感覚で。
会場グラフィックデザイン:小泉均+宇野智美(TypeShop_g)、小池俊起


今回、開催テーマに関連した大学の取り組みとして、千葉大学柏の葉キャンパスで開発中の「植物工場」も紹介されている。
初日8/30(木)に行なわれたレセプションでは、校内の「植物工場」で栽培されたアスパラガスや葉物野菜、ハーブティが供された。いただいた白アスパラは見た目はヒョロっとして土筆(つくし)みたいだったが、食べると味がしっかりしていて、意外に美味しかったので驚いた。
「植物工場」では必要な光と肥料を与え、水は少量循環方式、かつ無菌室で育てれば、農薬要らずで害虫つかず、収穫後に洗浄する水も不要なので、極めて理想的な生産システムなのだという。実際に目にするまでは例えば宇宙開発とか"雲の上の話"だったが、食産業はもちろん病院などでも実用化が着々と進んでいるとのこと。赤い照明下の野菜は黒ずんで見えてブキミだが、育つスピードがとても速いらしい。こちらで収穫されたクレソンもとても美味しかった(千葉大H先生とS先生から頂戴しました)。

参考リンク:「みらい畑スマートネットワーク
画像は一般家庭に「植物工場」が持ち込まれた近未来のデザイン提案。ブックスタンドの中で育て、収穫する野菜、気軽に持ち運べる野菜の図。最先端の工学技術を実生活にどのように落としこむかはこれからのデザインの領域である。

会期は9/9(日)まで、11-20時(最終日は17時まで)、入場無料。

2012年8月29日水曜日

山中俊治著『カーボン・アスリート』読了

先月、白水社から刊行された『カーボン・アスリート 美しい義足に描く夢』を一気に読了。著者である山中俊治氏(慶應義塾大学教授)がデザインした競技用義足をつけた高桑早生選手が表紙を飾る。
 山中氏による義肢デザインへの取り組みは、3年前に21_21 DESIGN SIGHTで開催された「骨展」で初めて知った。同展関連イベント時、競技用義足を着けた選手がミッドタウンの舗装路を疾走する姿は、今なお強く心に残っている。その半年後にアクシスギャラリー開催された「XD-eXhibition 10」で目にした作品の美しさも。

慶應大学山中デザイン研究室のメンバーが、2008年秋から取り組んできた3年余りにおよぶ記録。ドキュメンタリーとしても秀逸。

2012年8月28日火曜日

アウディ特別展示ショールーム《A1 Shop Terrace Tokyo》

表参道駅と骨董通りの間、246沿いに、Audi(アウディ)のコンパクトカー「A1」の特別展示ショールーム《A1 Shop Terrace Tokyo》が、10/31まで期間限定で営業中。DEAN & DELUCAとのコラボ《A1 Terrace Bar》も併設。
Audiといえば、昨年暮れの「モーターショー」の出展ブースがカッコ良かったのを思い出す。あの時のカラーリングと同じ白と赤。Audi A1のシンボルカラーか。

2012年8月27日月曜日

アートと過ごす夏時間

西新宿8丁目の新宿フロントタワー1Fにて。「新宿クリエイターズ・フェスタ2012 ~アートと過ごす夏時間~」会場の最西端、10daysパブリックアート展参加作品、祐成政徳「friendship」。会期は9/2(日)まで。

2012年8月23日木曜日

「山梨グループ/NIKKEN SEKKEIの設計手法」展 開催中

外苑前オリエアート・ギャラリーにて、「山梨グループ/NIKKEN SEKKEIの設計手法」展が8月20日より開催している。



山梨氏は設計にBIMを活用し、数々の建築の設計を行なっているが、今回の会場設営もBIMを活用して行われた。
BIM上に展示会場を再現し、グループ内の投票を元にアルゴリズムを用いて展示写真の配置を決定したり、ドッグイヤーカメラを用いてワークプレイスを撮影、そこから導き出されたマッピングから展示を行った。






展示作品上には山梨氏を中心に各プロジェクト担当者をマッピングし、それを視覚化している。

作品上をチーム各人から伸びたラインが交差する。

伸びたラインが1つになる。

展示横では展示に用いられたBIM設計図が投影されている。


展覧会進行スケジュール。


展覧会に併せて山梨氏によるセミナーが開催され、山梨氏は「この展示は自分たちの設計の仕方で展示を設計し、まるごとそれを展示することで、皆が参加者になる。設計室に忍び込んだ感覚を味わってもらいたい。」と述べた。

展示作品の中から小山梨氏がこちらを見上げてる。
これは山梨氏を3Dスキャンして製作したもの。

9月7日まで。

北海道大樹町にて、国際大学コンペ最優秀作品「BarnHouse」鋭意建設中

今春開催されたLIXIL財団主催の国際コンペ公開審査会にて、最優秀賞に選出された慶應大学の「BarnHouse」。受賞特典として北海道大樹町「メムメドウズ」敷地内に、作品を実際に建てることが決まっているが、いよいよ先月から始まった工事の様子が、このほどオープンした「国際大学建築コンペ公式サイト」上で確認できる。
画像は1年前の現地の光景。この広大な土地の上、空の下に建てられる(いま実際に建てている)のだ。

画面右側が建設予定地。 左側の白い家は、隈研吾建築都市設計事務所設計、東京大学生産技術研究所野城研究室技術支援による寒冷地実験住宅《メーム》)。

慶應の学生諸君は既に現地入りし、隈事務所や地元工務店の指導のもと、設計業務やデータ計測に励んでいる。日々奮闘する彼等の様子を、同時に開設されたFacebookでも確認できる。竣工予定は今秋、これからの3ヶ月を東京から見守りたい。

2012年8月22日水曜日

《日本橋高島屋》の工事シート=紙袋柄に

昨日に続き、街で見かけたおもしろ工事用シート。こちらは外壁保存修理工事中の《日本橋タカシマヤ》。6月末に通りがかった時には足場が露出して別の建物みたいだったが、さすがは髙島屋、紙袋と同じ柄でスッキリ違和感なし。

8/29から生誕125年の「バーナード・リーチ展」が始まるらしい。行かねば。

2012年8月21日火曜日

三菱倉庫《江戸橋倉庫ビル》内部解体工事中

日本橋川沿いに建っていた三菱倉庫(株)の《江戸橋倉庫ビル》が解体中。工事用のシートが建物を模したデザインだったので、一見してわからなかった。
昭和5年(1930年)の建物で、東京都選定歴史的建造物。解体中の光景からも築82年の歴史を感じる。
学生の頃、船の上から東京の街並を見るツアーに参加した際、このビルをボートの上から見上げながら、首都高が川の上に出来る前のずっと昔には、建物は江戸の名残を残す重要な交通手段だった河川の側を向いて、建物のファサードはデザインされていたと、同乗のJ先生から教わった記憶がある。

建物の歴史を振り返る掲示に拠れば、「トランクルーム」という名称と事業は、昭和6年(1931年)に三菱倉庫が考案・命名したもので、このビルが発祥の地らしい。

2014年8月末竣工予定の完成予想図。元の外観の7割を保存しつつ、地下1階+地上18階+塔屋1階に。名称も「日本橋ダイヤビルディング」となる。
設計:(株)三菱地所設計一級建築士事務所、施工:(株)竹中工務店東京本店。
関連リンク:三菱倉庫発信のリリース(2010年01月29日)。

2012年8月18日土曜日

「ザ・シティ・ダーク 眠らない惑星の夜を探して」を観る

エッセンシャルライト ジャパン プロジェクト主催による上映映画「ザ・シティ・ダーク 眠らない惑星の夜を探して」を観て帰宅。
8/11から1週間限定のレイトショーで昨日(8/17)が最終日。早めに上映館アップリンクX着、整理券番号20をゲット、1時間前には満員御礼で札止めに(主催側の岡安泉さんも入場できなかった模様)。
87分のドキュメンタリー作品を見終わり、渋谷・新宿と乗り継いで、最寄り駅降車時および帰路にて蝉がジージーとやかましかったりしたものだから、暗澹たる気持ちに。

2012年8月17日金曜日

「LIXILショールーム東京」本日グランドオープン

本日8/17(金)にグランドオープンしたLIXILショールーム東京。場所は西新宿8丁目住友不動産新宿グランドタワー6、7階、グループ会社のブランドを取り揃えた総合ショールームである。以下、画像はオープン前の内覧会時に撮影したもの。
7階が総合受付。その横にはゆったりと広い打合せスペース。
ショールームの概要は小社サイト>NEWSにて速報したが、7階は「気づき」と「体感」のフロア。5つのケースを想定した実棟モデルの展示。

そのうちのひとつ、「美人収納の住まい」モデルの寝室。
モノが美しく収まった住まい例を、LIXIL商品を組み込んで具体的に空間ごと提案している。
トステムブランドの「システム収納」でスッキリ。
あちらこちらにさりげなく置かれたインテリアがとてもおシャレで、ついカメラを向けてしまう。実際にそこで誰かが暮らしている生活感や雰囲気を来館者に感じてもらえるよう、リアリティーを重視したセレクションを心掛けたとのこと。

ケース2.「家族の絆をはぐくむ住まい」は、子育て世代に向けた空間提案。
キッチンはサンウエーブの「サンヴァリエ<リシェル>」のハイカウンタータイプの対面キッチン。キッチン水栓はINAXブランドの「ナビッシュ」。
テーブルセッティングも完璧な美しさ。
同「家族の絆をはぐくむ住まい」のリビング。テレビボード、キッチン収納はトステムブランドの「タスボックス」。
バルコニーに置かれたプランターや巣箱などの小物類も実に凝っている。植栽はなんと生木!

6階はサッシ、ドア、キッチン、水まわりなどLIXILグループの商品群が一堂に揃い、まとめて選べるようになっている。

システムキッチンの引き出しを試しに開けてみると、大きい鍋などの台所用品がちゃんと入っていた! 実際に引いた時の重さも判るという気の配りよう。

シンクまわりにも洗剤やスポンジが置かれていてリアル。
住宅設備機器だけでなく、(株)川島織物セルコンのカーテンも新ショールーム6Fで見られる。

LIXIL商品を組み込みつつ、これらリアルな空間提案は、ア・シード建築設計およびヴォイド社が担当した。

2012年8月16日木曜日

この広告に癒される@六本木にて

リラックマになりたいと思う、ニッポンの夏。
官庁のポスターは時々こういうユルいのを不意に出してくるからあなどれん。

2012年8月11日土曜日

目黒CLASKAにて「トラフのコローロ」展開催中

目黒通り沿いにあるCLASKAの2F、CLASKA Gallery & Shop “DO” 本店にて、トラフ建築設計事務所の個展「トラフのコローロ展」が始まった。

2004年の事務所設立以来、鈴野浩一氏と禿真哉氏が手掛けてきたプロダクツと、今年6月に発売された「コロロデスク/コロロスツール」にさらなる新作が加わってのお目見え。
「コローロ」とはエスペラント語で"色"を表す"koloro"から。四角い巣箱のようなデスクと跳び箱にも似たスツールは、カラフルなポリエステル合板を得意とする岐阜県のメーカー(株)伊千呂と、トラフの二人による、新しい「生活道具」を生み出そうとするプロジェクト「イチロのイーロ」の第一弾(イーロとはエスペラント語の"ilo"=道具の意)。発表時は単色だった座面に、皆川明氏率いるファッションブランド「ミナ ペルホネン」の生地「タンバリン」と「フォグランド」が貼られたタイプがこのほど新登場。
カラフルで楽しいデスクまわり。コーディネートはインテリアスタイリストの作原文子氏が担当。
「イチロのイーロ」PJ第二弾として、ココロデスク制作時に出る端材を使ってブックスタンドが作られた。手前の青い三角と上部が丸いピンクとの境はダボ構造になっていて、それぞれに分解できる。会期中に会場にて販売予定とのこと。
座面「フォグランド」仕様のスツール。

座面の下は収納スペースになっている。ミナ仕様のスツールは標準仕様の定価26,000円にプラス5,000円ナリ(税別)。
座面が単色の標準仕様のスツール。デスクにはTVやPCも置けるようコードマネージャーも付いているが、試しに「液晶テレビ(+その裏にプレステ)を置いてみたら、なんだか昔の箱形テレビみたいになっちゃいまして」と笑う鈴野さん。

会場では壁のコーナー部分にも注目を。木製シェルフ「キャッチボウル」が取り付けられている(画像左上)。
右側手前からサッカーボール「CMYK」、「キッチンの積み木」(参考商品につき非売品)、「木のポケット」、壁側のブロックはクッションでその名も「soft block」(非売品)。
今年5/9のKENCHIKU-Facebookで紹介したら反響が大きかった「gold wedding ring」に新作が登場。これまでの2タイプを足して割ったようなデザインで、外周が丸くて指の側が平ら。金に銀メッキという素敵なコンセプトはそのまま。
一見、ぶ厚い一枚板のような壁付け棚「clopen」。実は、正面の板の左右両側に強力な磁石が取り付けられていて・・・、
専用の磁石の「把っ手」を使うと、アラ不思議、ヒミツの引き出しが現われる。

トラフはもちろん住宅設計や店舗デザイン、キヤノンのミラノサローネ2011年会場構成などでも知られているが、こうしてみると、多種多様なプロダクツを世に生み出してきたと改めてわかる。
ショップ “DO” 本店に隣接するギャラリーには、かみの工作所とのコラボ作品「空気の器」が海中の海月のように浮いている。
8/25(金)には、会場にて「空気の器」ワークショップ(有料、予約不要)と、同展関連トークショー(無料、席数30ほか立ち見、要予約)が開催される予定。
写真家の瀧本幹也氏とのコラボ空気の器「SPACE」に続き、空気の器「BAUHAUS」と「LAND」が登場。僅少だがクリアボックスに収まった「空気の器 ミニ」も限定発売。

さて、本展会場のCLASKA(クラスカ)は、元はビジネスホテル(ニュー目黒)だったビルが、2003年にリノベーションされた建物。その翌年、6階の客室3室の内装をトラフ建築設計事務所が手掛けている(画像は602号室)。これが彼等のデビュー作「テンプレート イン クラスカ」であり、最新の生活道具「コロロデスク」に繋がるトラフの原点といえる。

(註/CLASKAは2008年に経営が変わり、現在のような文化複合施設となった。オープン数年後の頃のレポートは「INAX Renovation Forum Achives035」に詳しい)

トラフの"コローロ"(色)を体験する企画展「トラフのコローロ展」、会期は9/9(日)まで、開廊時間は11〜19時、会期中無休、入場無料。