2018年8月6日月曜日

神谷コーポレーション×ジャパンディスプレイ「FULL HEIGHT MILAOS(フルハイトミラオス)」発表


JDI Future Trip Project
インテリアにも新しい世界を
世界初、IoTフルハイトドア「FULL HEIGHT MILAOS(フルハイトミラオス)」を開発
鏡がディスプレイに変化し、後ろ姿の確認も可能な「遅れ鏡」機能を搭載


株式会社ジャパンディスプレイ(代表取締役会長 兼 CEO 東入來 信博、以下 JDI)は、ミラーがディスプレイに変化する技術を開発し、室内ドアの専門メーカーである神谷コーポレーション湘南株式会社(本社:神奈川県伊勢原市、代表取締役社長:神谷忠重)と鏡がディスプレイに変化する世界初、IoTフルハイトドア「FULL HEIGHT MILAOS(フルハイトミラオス)」を開発した。

FULL HEIGHT MILAOS」は全面ミラーで覆われた近未来型デザインで、背面にあしらわれた最高級の本牛革が高級ドアとしての気品と風格を漂わせる。音声操作で鏡の一部がディスプレイとなり、天気やスケジュール情報が表示される。さらに内蔵カメラで撮影された画像が数秒遅れで鏡に映し出される「遅れ鏡」機能を搭載。確認しづらい後ろ姿のスタイリングをチェックすることができる。

また通常時は鏡の状態となるため、空間に溶け込む高いデザイン性を保ったまま、機能性を追求。「FULL HEIGHT MILAOS」は、今後、IoT家電との連携やAIの搭載といったこれまでのドアにはない機能を追加し2019年度の一般販売を予定。

「FULL HEIGHT MILAOS」の紹介をするジャパンディスプレイ常務執行役員CMO伊藤嘉明氏
ジャパンディスプレイ常務執行役員CMO伊藤嘉明氏と神谷コーポレーション湘南代表取締役社長神谷忠重氏



<製品情報>
商品名 :『FULL HEIGHT MILAOS(フルハイトミラオス)』
発売時期:2019 年度中
サイズ :幅900mm×高さ2,380mm 厚さ80mm
重  量:約100kg
カラー :キャメル(皮革部)


神谷コーポレーション湘南は、FULL HEIGHT MILAOS 開発背景を以下としている。
最先端テクノロジーを搭載した、近未来のフルハイトドアの誕生です。
『部屋を間仕切る』『開閉する』ドアにできることはそれだけではありません。
もっと豊かな生活(くらし)を、一歩先の未来から。
毎日手を触れ開閉するドアを情報端末に進化させた『フルハイトミラオス』が今、ドアの歴史に新たな1 ページを刻みます。

【株式会社ジャパンディスプレイについて】
ジャパンディスプレイ(JDI)は、ディスプレイ分野における最先端技術製品を提供するグローバルリーディングカンパニーです。スマートフォンをはじめ車載用、医療用、VR / AR 用における中小型ディスプレイ分野で、高精細、低消費電力、狭額縁などお客様の製品をより魅力的にするディスプレイを提供しています。JDI は高度な技術力、コスト競争力、製造力、高品質な製品、アイデアにより、今までにない発想と、限りない技術の追求をもって、人々が躍動する世界を創造し続けていきます。
関連リンク:http://www.j-display.com/

【神谷コーポレーション湘南株式会社について】
神谷コーポレーション湘南株式会社は室内ドア『フルハイトドア』を主力商品として、全国各地に『フルハイトドア』のショールームを置いています。ショールームがない地域の顧客向けには移動ショールーム「夢はこ」を運営し、ユーザー、ビルダー、設計事務所に向けた新しい市場を開拓するために様々な業態開発を進めています。2000 年代初頭のアンケートでは、「ユーザーに聞くドアの重要度は?」の回答において、ドアの重要度は30項目中27番目であり、ドアに対する一般の人の意識は低いということが浮き彫りになりました。これをきっかけとして当社代表の考えで室内ドアの価値を高めたいと、『フルハイトドア』のブランド化を推進してきました。ビルダーを強力にサポートするアプリ開発や既存客向けのドアの下取りサービス『ドアップ』といった新たなビジネスモデルを確立させて、固定観念にとらわれがちな住宅産業の古い慣習にイノベーションを起こし、新しいマーケットの創造を続けています。
現在、事業規模はグループ売上高100 億円を超え、今後もマーケットの創造を続けながら事業拡張を進めていきます。
関連リンク:https://www.kamiya-yokohama.co.jp/

2018年8月3日金曜日

藤村龍至「ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用」展内覧会

TOTOギャラリー・間にて2018年7月31日(火)から開催中の建築家・藤村龍至氏(株式会社RFA)の個展「ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用」展内覧会へ。

人間・時間・空間それぞれの間合いという、日本特有の概念を表象する「間」の一字を名称とした「TOTOギャラリー・間(ま)」は、社会貢献活動の一環としてTOTOが運営する、建築とデザインの専門ギャラリー。

1985(昭和60)年10月の開設以来、国内外の建築家やデザイナーの個展にこだわり続け、今回、評論活動や教育活動に加え、近年では市民を巻き込み、現代に即した開かれた建築のあり方を模索する建築家・藤村龍至氏の「ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用」を開催。

内覧会当日は藤村龍至氏から30分間の挨拶及び趣旨説明が行われた後、実際に展示を見て回る20分間の会場ツアーが行われた。


3F|Timelines|タイムライン
ROOM_TL
ROOM_TLは、時系列を伴う「ちのかたち」を示す「タイムライン」についての展示である。

個々の作品の設計プロセスにおいて、知識を形態へと転換し、形態に転換された知識を見て得た新しい知識をもとに次の形態を得る、というサイクルが反復されていく様子が見て取れる。さらに、歩んできた軌跡の全体を眺め直すことで、その行為の目的を事後的に推し量ることができる。

「BUILDING K」2008
東京都内の商店街に計画された集合住宅と店舗からなるビル

展示は圧倒的量の模型と動画。
全てのプロセス模型はプロジェクトごとに数字が振られ、
アーカイブできるようにされている。

「すばる保育園」2018
福岡県の郊外に移転新築された保育園で藤村氏最新作


3F|Marchés|マルシェ
ROOM_MA
ROOM_MAは、社会の課題解決のための「ちのかたち」としての「マルシェ」についての展示である。

埼玉県でシティマネジメントに携るなかで見えてきた、超高齢といったニュータウンが抱える社会的課題を解決し、活性化するためのふたつの家具が展示される。
展覧会会期中にこの空間でマルシェを開催し、現場での取り組みが紹介される。
会期後、中庭の家具と会場で使用されたテーブルは、鳩山ニュータウンの「鳩山町コミュニティ・マルシェ」と椿峰ニュータウンで開催される「つばきの森のマーケット」に実装される。

「離散空間家具T」2018
椿峰ニュータウンのマルシェでコーヒーやお菓子類の販売スタンドとして使用予定。
冷蔵庫の大きさ(w600×d600×h1800)で収納できるため簡単に運搬が可能。

「離散空間家具H」2018
鳩山ニュータウンにある公共施設で衣類や小物の販売スタンドとして使用予定。
スチールパイプを曲げ加工して溶接された連続体で底面の取り方で3種類の使用が可能。


4F|Discrete Space|離散空間
ROOM_DS

ROOM_DSは、これからの「ちのかたち」を予見する「離散空間」についての展示である。

「これからの現代の公共空間がいかなる構造をとりうるか」という根源的な問いに応えうる空間モデルとして、持続可能性と切断可能性が共存する離散空間をデジタルファブリケーションによって制作。
細分化された空間が時に接続され、時に切断されたように感じられるように構造体を連続。
堀川淳一郎氏の協力により設計された「Deep Learning Chair」はこうした空間の制作手法のプロトタイプとしてその一角に展示されている。

「離散空間家具G」
ひとつながりになった構造体は8種の映像に蛇行しながら向かわせる動線の役目も

7000ピースの厚紙と1万数千個のハトメからなる27本の柱。
弱いチューブ状だが節々にダイヤフラムが介入し成り立っている。

「Deep Learning Chair」2018
Google画像検索で得られた世界上位9か国語の「椅子」の画像データを
類型化した上でモデリングし、パラメータを変化させて生成された
「椅子」のかたちのデータセットをもとに深層学習によって椅子の形態を再構築したもの


趣旨説明・会場ツアー
 「大学院から建築を勉強し始めた私は、人より設計を自覚的に学ぶ必要があった」と始め、やがて設計とは、今知っていることを素早く「かたち」にすること(プロトタイピング)と、かたちにしたものを「ことば」にして新しい知識にすること(フィードバック)を繰り返すことだと学んだと続けた。

「当初は家の形や倉庫らしい形、小屋らしい形といった記号的なアプローチで行っていたものがだんだんジオメトリなものへ、といった私の取り組みの変遷を示しています」と「ちのかたち」というコンセプトについてポスターに用いられた写真を元に説明。(下図:TOTOギャラリー・間より)
「ちのかたち」の画像検索結果
©Gottingham

一般的に設計プロセスにおけるインプット(知識)とアウトプット(形態)との関係は、多数の知識を一度にインプットし、設計者がそれらを統合して、ひとつの形を導く(fig.1)。
fig.1|一般的なプロセス
もし多数の知識のインプットを一度分解し「ひとつの新しい知識」について「ひとつの新しいかたち」を与えることを徹底して反復する(fig.2)と、統合の過程はよりよく可視化されていく。
fig.2|超線形的なプロセス
現代は構造解析、音響解析、温度解析など解析技術の進化により、個々の知識は透明になったが、それらと形態との関係は依然としてブラックボックスのままである。
「これを非暗黙的に解決できないかというのが私の問題意識」だとし、「ひとつの入力に対してひとつの出力をするということをひたすら繰り返していくとインテグレートなプロセスがもっと見えるようになっていくのではないか」と強調した。

通常単線で行う検討(fig.3)を複線で行う場合(fig.4)、比較による相互作用が生まれる。その際、検討する項目をあらかじめ適度に整理しておくと、複数の案の相互比較がよりしやすくなる。
fig.3|単線の進化的プロセス
fig.4|複線の進化的プロセス
さらに、検討を複線で始め、有益な競争を生じさせた上で類型化を行い、段階的に統合してひとつの形態を導く(fig.5)と、そのアウトプットは「集合させた知識を最も効果的に統合した形態」に近づく。丹下健三「国立代々木競技場」の群像プロセスを例に挙げ、「建築の「ちのかたち」というのがどうやって形作られているのかを解き明かしていきたい」とした。
fig.5|進化的かつ統合的なプロセス



藤村氏は 会場ツアー中、「マルシェ」の展示を作成した学生等に実際に利用したシミュレーションをさせたり、内覧会の開始前に集合写真を撮ったりと常に「先生」らしく、教育の在り方を実態から共感させられた。
鶴ヶ島太陽光発電所環境教育施設では、大学院生10名の案を住民に公開しながら設計を行うなどの試みもしている。
「鶴ヶ島太陽光発電所環境教育施設」2014



『ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用』
会場入り口手前には8月21日に発行を予定されている
藤村氏最新の建築作品・論考を収録した書籍の見本がこれも時間軸に沿って展示。


理論から実践まで連続した彼の活動を概観できる本展示は9月30日(日)まで。
8月9日(木)には藤村龍至講演会「ちのかたち」が開催される。

詳しくは、こちらを参照のこと。

2018年8月1日水曜日

JAKUETS 書籍「YUUGU」出版記念トークイベント「あそんじゃうデザイン」開催

7/26(木)株式会社ジャクエツ(本社 福井県敦賀市、代表取締役 徳本達郎)は、
代官山 蔦屋書店にて書籍「YUUGU」出版記念トークイベント「あそんじゃうデザイン」
を開催した。

(左から、深澤直人・藤井保・佐藤卓・徳本達郎)敬称略
今回出版された書籍「YUUGU」は、プロダクトデザイナー深澤直人氏がデザインした
遊具7点を、新たな視点で紹介する内容。
本誌は写真家の藤井保氏が撮りおろし、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏がアート
ディレクションを手がけている。
佐藤氏は、同社の新ロゴデザインも製作中。


トークセッションでは、今回のような遊具をつくるきっかけとなった同社のPLAY DESIGN LAB」(https://www.playdesign-lab.com/)という取り組みについても
語られた。

深澤氏は遊具づくりに関わったきっかけについて、手の内に収まるサイズのデザイン
しかしてこなかったので挑戦をしてみたいと思った、遊具がしっくりきていない公園
に怖さを感じたから、と述べた。
また、藤井氏が撮り下ろしをすることになったきっかけについて、藤井さんにとって
もらうとアートになる、内容を見ていただくとわかるが、とんでもないところまで行
って撮影をしている、と述べた。

藤井氏は深澤さんのものは想像力を掻き立て、いろいろなものに見えると語り、写真
は言葉であると思っており、説明をしないで伝わるのが写真と述べ、だから説明は嫌
いと、会場の笑いを誘った。

佐藤氏は今回の取り組みについて、大人が本気でつくったものを子どもに与えること
は重要だと語り、書籍についてはアフォーダンスを感じる本と述べた。
※アフォーダンス
深澤氏のデザインの根幹にあるコンセプト。環境が人間(動物)にその場で提供する価値
(意味)。

徳本氏は取り組みを初めたきっかけについて、従来は西洋の幼児教育が一番と言われ
てきたが、子どもに誤魔化しはきかないので本当にいいものを追求する気持ちが大切
であり、こうした取り組みを通して日本の幼児教育の良さを広めていきたいと考えた
から、と語った。

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書名:YUUGU
著者:ジャクエツ、深澤直人
価格:\6,000(税別)
大型本 英語対訳 400×297mm カラー68ページ

企業概要:
本社:福井県敦賀市若葉町2丁目1770番地
創業:19169月(大正5年)/設立19491月(昭和24年)
資本金:26,250万円 従業員数:645名 売上高:1905649万円(平成29年度)
事業内容:幼児教育施設、保育施設、公園施設向け製品の製造販売等
資本金、従業員数、売上高はグループ合計


SALHAUS「TPGケアテラスよまき」オープンハウス

SALHAUS設計・監理の埼玉県三郷市に竣工したTPGケアテラスよまき」オープンハウスへ。


TPGケアテラスよまき」は地域の福祉拠点として計画された
・小規模多機能サービス
・訪問看護ステーション
・訪問介護ステーション
・ケアステーション
の4つからなる複合施設。

長方形のシンプルな平面構成に「囲い庭」と名付けられた半屋外空間を埋め込むことで、複合された4施設と地域の緩衝帯とし、利用者が穏やかな時間が過ごせる家のような場所となることが意図されている。

1階のプランは、「囲い庭」と小規模多機能サービスが主。
宿泊室が6つと広々としたバスルーム、水回りが内包される。パーテーションによりさらに個室を増やせるので、フレキシブルな使われ方が想定されている。


2階へは内階段と囲い庭につながる半屋外階段がある。
写真は内階段。上ってゆくと木の架構が顔をのぞかせる。堂々とした佇まいで思わず安心感を得た。木の架構の大きな屋根の下で過ごす時間は豊かなものだと思う。
トイレのサインは控えめなカラーでいて可愛らしい印象。

2階会議室から囲い庭を望む。

2階訪問介護ステーションの天窓。高い天井高に明るい室である。

2階訪問看護ステーション。広々とした無柱空間は吊梁とトラスの架構のおかげ。

2階ケアステーションから訪問看護ステーションを望む。
この2室は連携の多い事業所のため大きく開放できる引き戸が採用された。

2階廊下。床までのびた窓は「囲い庭」と視界がつながる。

木造の繊細な小屋組をもったこの建築は、利用者や地域に親しまれる施設として活躍するだろう。8/4(土)には地域の方を集めた催しが開催される予定。
賑わった「囲い庭」が目に浮かぶ。

「囲い庭」
SALHAUSより拝借。

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●施設概要
所在地:埼玉県三郷市
用 途:小規模多機能型在宅介護事務所
設 計:SALHAUS
建 主:ピーシーエス 
構 造:多田脩二構造設計事務所
設 備:ZO設計室

サイン:氏デザイン
施 工:ヤマムラ


区  域:市街化区域
敷地面積:909.35m2
建築面積:439.89m2
延床面積:671.27m2
構  造:木造
階  数:地上2階
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詳しくは、こちらを参照のこと。