東日本橋にあるマルニ木工東京ショールームにて、創業90周年イベント「The History of Maruni Chairs」が開催中。
「工芸の工業化」をモットーにモノづくりを続けてきた同社は、2018年に創業90周年、MARUNI COLLECTION発売10周年を迎えるのを記念し、2017年秋から2018年までの間に異なる3つの企画展を開催。
今回がその第一弾で「The History of Maruni Chairs」と題し、創業当時の椅子からHIROSHIMAアームチェアに至るまでのアーカイブを集めたチェアコレクションを公開している。
職人たちが椅子に込めた思いとともに精緻なモノづくりを体感してほしいとのこと。
<銀行椅子(1928)>生産第一号の曲木椅子。中国山地のブナ材を生かせる製品開発に挑戦。材料の蒸し・曲げ・乾燥と各工程で試行錯誤を重ね、工場完成から七か月後にようやく完成した。
<鉄道回転椅子(1947)>
羽脚のより足元がすっきりとした実用性にあふれるデザインで、回転と上下機構を持った機能的な椅子。国鉄の貨物列車で、最後尾車掌車の腰掛けに使用された。座面は当時には珍しいもモケット素材を採用した。
ロゴマークにも変遷があり、この当時は孔雀が入ったマークが使用されていた。詳しい変遷についてはHPで確認できる。
ほかにも、前脚と後脚を三角形に組み合わせた<デルタチェア(1958)>や、猫脚スタイルが特徴の<ベルサイユチェア(1968)>、当時は曲げ加工が鬼門とされていたカリン材でつくられた<ショパンロッキングチェア(1971)>など、、
そして、プロダクトデザイナーの深澤直人氏デザインの MARUNI COLLECTION<HIROSHIMAアームチェア(2008)>
なめらかな曲面で一つとして基準面を持たない加工者泣かせの名作。
展示は11/5(日)まで。