2021年6月30日水曜日

倉俣史朗、幻の名品「SAMBA-M(サンバM )」復刻版発売

20世紀を代表するデザイナーの一人、倉俣史朗(1934-1991)の幻の名品「SAMBA-M(サンバM )」が復刻し、2021年7月に一般販売される。価格:29,700円(税込)。
倉俣の没後30年にあたる2021年、クラマタデザイン事務所監修のもと、ギャラリー田村ジョーの企画によりプロジェクトがスタート。現存する図面や現品をもとにアンビエンテックがダブルウォールガラスや防水性能、コードレス、長寿命のリチウムイオンバッテリーを使用した充電仕様への改良を加えている。
6/25~27の間、南青山のLIGHT BOX GALLERYにて開催された、ギャラリー田村ジョー「復刻・倉俣史朗Ⅱ」展では、展示・先行販売が行われた。
当時の「SAMBA-M(サンバM )」は、最新テクノロジーであった赤色発光ダイオードをワイングラス型のガラスで包んだオブジェで、製造が非常に困難で大変高価だったため僅かな生産しかできなかった。復刻版では、技術の進歩により価格的にもより多くの方に親しんでもらえるよう製品化を目指した。

2021年6月25日金曜日

TOTOギャラリー・間、アンサンブル・スタジオ展「Architecture of The Earth」

南青山にあるTOTOギャラリー・間にて、アンサンブル・スタジオ展「Architecture of The Earth」が6/24より開催中。 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の一環で、来場は公式サイトでの事前予約制。
当初6/8より開始予定だったが、同ウィルスの感染症拡大に伴う世界的なコンテナ不足とスエズ運河座礁による海上輸送の混乱の影響により、会期変更となった。
今回の展示は、地球規模の視点で建築の可能性を追求し、スペインとアメリカを拠点に活動を続けるアンサンブル・スタジオの日本で初めての個展。
アンサンブル・スタジオは、アントン・ガルシア=アブリルとデボラ・メサが主宰する職能横断型チームとして、スペインのマドリードで2000年に設立した建築家ユニット。
普段の活動でのテーマである、地球規模で建築を考える「Architecture of The Earth」というコンセプトで、「地球」と「建築」の関係性の探究のなかから生まれたプロジェクトに焦点をあて、アンサンブル・スタジオ独自のリサーチ・設計・建設の過程を、模型や映像を通じて紹介する。 
3Fと中庭は、映像と模型で「アイディアラボと中庭(リサーチ&デザイン)」、4Fは、施工風景の映像で「オーディオビジュアルランドスケープ(施工)」と分けた2つの展示構成で、アイディアから実現化へ、そして再びアイディアへと巡る旅の道のりを表現している。
 
石のように見える模型の素材は主に発泡スチロール。アート、科学、建設、開発とデザインとを連携させ、アイディアを最も良い方法で形に置き換える方法を研究している彼らの模型。規模と用途はプロジェクトと結びつく際に決まっていくので、それぞれの縮尺も決めていないという。常にこういった模型を作り続け可能性を見出す、実験なような活動をしているようだ。 
▲実際に竣工している3作品
会場の一番最初にある、2000年から2021年までの活動をまとめたタイムラインの映像は、今回のためにつくられた 来館者限定のもの。
会場の映像では、制作過程をみることができる。会場で配布される資料のQRコードを読み込み、自宅でゆっくりと作品情報をおさらいすることも可能。 
会期は、9/12まで。公式HPにて、オンライン講演会が7/28に公開予定(公開は2022年9月末までを予定)。また、同時にTOTO出版より関連書籍『大地の建築 アンサンブル・スタジオ』が発刊している。

SALHAUS住宅内覧会

 SALHAUS設計の住宅内覧会に伺う 旗竿地に建つ住宅

道に接する面に外階段が備えられている3階建て 

キッチンから入り口を見る。
2階はキッチンとダイニング。部屋の半分を占めるキッチンは料理好きな施主の希望。 
キッチンの向かいにある家具階段を上ると3寝室になる。
階段のスペース。
階段下はトイレ。
3階からキッチンを見下ろす。建物の構造(1・2階RC+3階木造)が分かる
3階は開口部から光が入り、2階の密閉された様な空間から一転、明るい空間へと変化する。 
開口部から風が抜けて気持ちの良い空間になる。 

寝室の外は屋上庭園になっており、屋外に檜風呂を設置。 

2021年6月23日水曜日

GOOD OFFICE 新橋(堀ビル) 内覧会

グッドルーム株式会社は東京・新橋にある堀ビルをシェアオフィスとしてサービスを開始した。 

堀ビルは建物金具を専門に扱う堀商店により昭和7年竣工された。建物の保存を望む堀商店の意向を受けシェアオフィスとして生まれ変わった。堀ビルは現在は国の登録有形文化財に指定されている。

改修は竹中工務店が施工。外壁のタイルはドローンによる赤外線検査でタイルの浮きを確認改修。建物自体は一部分を耐震補強のみで現行の建築基準法適合となっている。竣工当時と変わらない姿で新たにシェアオフィスとして生まれ変わった。

一階ラウンジ。写真2枚目の壁が耐震補強をした部分。

入り口パーティション、床のタイルは竣工当時のまま。

二階・三階シェアオフィスフロア

建物内の建材や照明は一部再利用されている。 現在では制作することが難しい世界中から集めらた建材が再利用されている。

四階オープンイノベーションスペース

堀商店時代には社長宅として使用されていた為、他の階とは趣が違う。

屋上からは眼下の外堀通りを見下ろす事が出来る。

以前は工房として使用されていた地下室は会議室として使用される。

グッドルーム株式会社 メディア・オペレーション事業部 GOOD OFFICE担当

原田真宏氏設計、隠岐諸島のジオホテル「Entô」7/1オープン

島根県隠岐諸島の一つ、海士町に2021年7月1日、隠岐ユネスコ世界ジオパークの泊まれる拠点として、「Entô(エントウ)」がオープンする。
※「Entô」外観・内観写真及びロゴは、(一社)隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会PR事務局提供資料
「Entô」は1971年開業の国民宿舎「緑水園」が原点。1994年に増築し「マリンポートホテル海士」に改名し、本館、別館(緑水園)として利用されてきた。今回、本館の一部をリノベーションするとともに、別館を建て直すかたちで新棟を建設し、「Entô」として生まれ変わった。宿泊機能だけでなく、展示室“Discover”やフィールドコンシェルジュなどのジオパークの魅力を最大限体験するための様々な機能をシームレスに包含する。
建築・内装は、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIOの原田真宏氏が手掛け、“Seamless(隔たりや境目のないこと)”、“Honest(正直さ、素直さ)”を設計コンセプトとし、目の前に広がるジオパークの風景そのものを全身で感じられる空間設計が特徴。離島建築の特殊性を勘案し、CLT工法で施工した(宿泊機能を持つ大型施設の建て替えとしては国内初採用)。隣接する港と同じく木の温かみを全面に表現し、島前カルデラが眼前に広がる設計となってる。
「Entô」という名称は、漢字では「遠島」と書き、日本海にポツンと浮かぶ島の情景を思い浮かべて決められた。名称及びVI(ビジュアルアイデンティティ)・WEBデザインは日本デザインセンターが担当。

オープンに先がげ、プレス向け行われたトークセッションでは、関係者が「Entô」に込める思いを語り、「地質・地層だけでないジオパークの魅力を感じてほしい」「まっさらな気持ちになりたい人や次のステージにいきたい人にぜひ来てほしい」と呼びかけた。
下写真が関係者集合写真 左より、(一社)隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会  事務局長 野邉一寛氏、ソニーグループ(株)  阪井祐介氏、Entô  CEO  青山 敦士氏、ANGO/アンゴ  CEO  十枝裕美子氏、日本デザインセンター  三澤遥氏、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 原田真宏氏、*リモート参加 (株)NTTドコモ 島根支店 エバンジェリスト 中田光俊氏
宿泊予約は、公式サイトにてすでに開始している。

2021年6月22日火曜日

東京都建築士事務所協会、記者会見開催

(一社)東京都建築士事務所協会は、6月21日に明治記念館にて、第94回定時総会を開催したのち記者会見を開き、令和3・4年度の新任役員紹介及び今後の取り組みについての発表をした。
昨年は、コロナ禍でリアルイベントが中止になったものの、セミナーはオンライン化をし前年に比べて増加。委員会活動についても、WEB会議アプリを併用し、通常通りの頻度で開催できた様子。セミナーについては、今後アーカイブ化することも進められている。
また一昨年から開始したマネジメント支援センターの取り組みは、会員へのさらなる周知を図るためパンフレットを作成し、専用のWEBサイトも7/1にオープンする予定。
その他、まもなく発行する避難所パンフレット(建築士目線で運営側に向けたもの)や2021年9月頃から本格化させる事業承継支援サービスの取り組みついての話が役員よりされた。 
令和3・4年度の会長、副会長、専務理事は下記の通り(敬称略)。
●会長  :児玉 耕二
●副会長 :永池 雅人、臼井 勝之、富樫 亮、
      木村 修*、千鳥 義典*、畠山 卓也*
●専務理事:前川 秀則
*が新任

2021年6月18日金曜日

日本建築学会が新役員記者会見を開催


一般社団法人日本建築学会では通常総会および理事会において半数任期満了に伴う、会長、副会長3名、理事11名、支部長4名、監事1名が選任された。

また、6月17日(木)には会長・副会長の出席(副会長はオンライン参加)により今後の活動方針の報告がおこなわれ、

第57代会長に就任した田辺新一会長(早稲田大学教授)は、記者会見において「ウイズ・アフターコロナ時代における建築界の新しい発展」を目指して ①ウイズ・アフターコロナ時代の新たなプラットフォーム構築 ②複合災害に対する備え、2050年脱炭素社会実現への貢献 ③学術・技術・芸術分野の国内外発信力向上 ④学会活動のデジタル・トランスフォーメーションの推進 の4点を特に推進していきたいとした。

第57代の会長・副会長は下記の通り(カッコ内は職務分担)

  • 会 長:田辺 新一
  • 副会長:伊香賀俊治(研究教育機関 情報・国際担当)
  • 副会長:福田 卓司(研究機関以外 総務財務担当)
  • 副会長:小野田泰明(研究機関 学術レビュー・支部担当)
  • 副会長:野口 貴文(研究教育機関 学術・教育推進担当)
  • 副会長:田名網雅人(研究教育機関以外 社会ニーズ対応・普及啓発担当)




一般社団法人 日本建築学会    https://www.aij.or.jp/





2021年6月16日水曜日

サンワカンパニー東京ショールーム移転リニューアルオープン

株式会社サンワカンパニーは東京ショールームを移転リニューアルオープンする。

15日に行われたオープニングセレモニーで山根サンワカンパニー代表取締役社長は、「コロナ禍で不特定多数の来場者から予約来場者へとショールームの在り方の変化に合わせ、新たな時代に対応した形のショールームへと変化した」と述べた。

設計は若手建築家・山路哲夫氏。これまでの部屋をイメージした展示から、壁をランダムに配置し奥行きを持たせ、カタログのページをめくる感覚をショールームで再現したとのこと。

ショールームにはキッチンや建材が数多く展示されている


サンワカンパニー東京ショールーム
住所:東京都港区南青山2-27-25ヒューリック南青山ビル7F・8F

「日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト」公募開始

公益財団法人日本財団が建築デザインの力で福祉を変える「日本財団みらいの福祉施設建築プロジェクト2021」として、福祉施設・事業所の建築助成の募集を開始した。
この事業は、福祉事業者と建築設計者が協働して提案する施設建築事業で、福祉施設のコンセプトや建物に、新たにデザインの視点を取り入れることで、福祉施設が利用者だけでなくその家族にとっても安心できる暮らしの場として、働く人にとっては誇りある職場となることを目指す。 また、地域に開かれた福祉施設ができることで、将来的に街のシンボルとして地域の人たちに親しまれる場となることを期待する。
申請の受付期間は、2021年6月14日~10月15日までで、事業実施団体と設計者が協働で行う。助成額の上限は3億円で、最大補助率100%。審査は、審査員長の建築家・工藤和美氏(シーラカンスK&H)ほか、建築分野と福祉分野の計7名で行われる。
募集の詳細や申請方法については、特設ウェブサイトにて。ウェブサイトでは、審査のポイントや審査員のインタビューなども順次アップされる。
また、募集についての説明会が7/16(金)16:00より、ウェビナーにて開催される。

2021年6月15日火曜日

TIME&STYLE、中村拓志氏デザインのTakenoko chair発表「My smallest architecture」

表参道にあるTime & Style Atmosphereにて、中村拓志氏(NAP建築設計事務所)デザインの「Takenoko chair」のエキシビションが6/11~25の期間で開催中。
「Takenoko chair」は、約2年半前の期間で改良を重ね、発表に至ったプロダクト。
日本人特有の美学や精神性を大切にしてきたタイムアンドスタイルのものづくりに共感し、中村氏よりダイニングチェアとラウンジチェアの製作を依頼。
中村氏は、これまで建築を手がけてきた中で椅子の制作に一部携わることもあったが、製品として一からデザインするのははじめて。(11日は中村拓志氏のよるプレゼンテーションも行われた。)
“タケノコ”は、床の間の床柱に天然の皮付き丸太を用いた時に、畳の上に被ってしまう部分を斜めに削って、畳を入れやすくする加工のことで、その面が筍の子の断面に似ていることからついた呼称。
最初に構想した、椿の皮付き丸太で制作された椅子
掃除がしやすいようにテーブルに掛けられるようにしたのもこだわりのひとつ。
価格は、アームチェア(ブナ)¥99,000(税込)~。
展示会は、予約不要で誰でも自由にはいることができる。
「Takenoko chair」のほか、地下1階から地上3階の全4フロアで4月に発表された新製品の展示もしている。

以下、資料より
丸太柱の根本を斜めに面とりした部分を、茶人たちは古くから「タケノコ」と呼んできました。これは床を貫くものとして忌み嫌われる家屋内の筍の子を、 あばら屋の風情として愛するような、侘び寂びの感性の現れです。私が建築に丸太を用いるのも、素材の美しさはもとより、自然に合わせて暮らす日本人の自然主義的美学が空間に立ち上がるからです。そのような慎ましい場に相応しい椅子を作ることが私の願いでした。
タイムアンドスタイルは、丸太の製材・乾燥から行い、木と丁寧に向き合うものづくりの中で、日本人特有の美学や精神性を大切にしてきたブランドです。私はその姿勢に共感し、ダイニングチェアとラウンジチェアの製作を依頼しました。
最初に構想したのは、椿の皮付き丸太を日本の木造軸組建築のように水平垂直に構成した、小さな空間性を持つ椅子です。座り心地や使い勝手を追求し、正面に回りこむときにつま先があたる後脚や、座ったときに踵が当たりやすい前脚を斜めにカットすると、「タケノコ」が現れました。また、アームをテーブルに掛けて椅子を浮かせることで、テーブル下の掃除がしやすいことにも拘りました。禅寺の修行の一つに掃除があるように、場を美しく清めることは、私たちがどう生きるかという哲学的で宗教的な実践なのです。 このプロダクトはそのコンセプトモデルを元に、沢山の方が求めやすいように、製材された無垢の丸棒を使って制作されたものです。
「場を掃き清め、自然に合わせて暮らすこと。」そのような慎ましい生活のための椅子が誕生しました。(中村拓志)