2012年5月31日木曜日

京橋三丁目 《相互館 110タワー》お目見え

中央区京橋三丁目交差点、旧《第一生命相互館》跡地に建て替え工事中だった、新しい相互館となるビルのファサードがお目見え。6月末竣工予定。

第一生命保険株式会社発表リリース(PDF、別窓オープン)に拠れば、1921年に辰野金吾の遺作となった初代の建物《第一相互館》には存在したドームを復活させ、レトロな外観に。名称の「110(いちいちまる)」には同社創立110周年を記念したもの。

画像は日本橋側から銀座方面の撮影。中央通りを挟んで再開発の工事が進む「京橋3-1プロジェクト」の工事囲いに、銀座側から撮った昔の写真が掲示されているので、ご参考まで。


2012年5月30日水曜日

サポーズデザインオフィス《江古田の集合住宅》オープンハウス

5/27(日曜日)に開催されたオープンハウスへ。設計は谷尻誠氏が率いるサポーズデザインオフィス、事務所のブログ「サポーズ日和」で《江古田の集合住宅》とアナウンスされていた作品。賃貸物件としての建物名は《La Torretta》。

新青梅街道沿いの三角地(敷地面積144.71平米)に建つ6階建て、計8戸の集合住宅。上にいくほど6面体のボリュームが少しずつ小さくなっていく、バベルの塔のような外観。外壁はRC打ち放しで、一部が鉄骨造の鉄筋コンクリート造。(構造設計:オーノJAPAN)。

「三角形の敷地に、行為が新しい性格の空間を造り出す、そんなことを考えながら集合住宅を設計しました。

出来るだけ大きく開口を設けた外壁で囲まれた空間には光が入り、風が通るため、外で感じることができるような雰囲気がそこには生まれます。
その中に新しい壁で小部屋をつくることで、空間を2つに分割しました。
そうすると、分割したひとつは外のような空間、もうひとつは小部屋の中(外壁の中のさらに壁の中)になるため、とても包まれた空間になります。
そんな外と中という、2つの性格をもつ部屋を8戸用意した建物です。」――以上、会場配布資料より転載。

今回見学可能だった5戸のうち、401、502、501(オーナー室)の画像を掲載する。

南東に面した共有階段。こちらの開口も大きく、明るい。なお共有廊下の床は石張りであった。

401号室の玄関。
12時のスタート時から大勢の見学者が詰め掛けたが、これは未だ靴が少ないほう(開催翌日の谷尻さんのツイッターによれば、来場者は500人以上)。

フローリングの内部屋から、北西に面した"外の空間"の眺め。

 キッチンは内部屋に。赤い花がさりげなく飾られた右手開口部の向こうは水まわり空間。

 洗面カウンターをガラスの仕切りの外に出した水まわり。奥に空調機が付属している。

今回は見学対象外だったが、下階201は同じ間取り。

402は"内"と"外"の概念は同じだが、間取りはやや異なる。以下の画像は1つ上の階の502のもの。

こちらのタイプはキッチンは"外の部屋"に出ている。内部屋は上部に収納付き。

隣の部屋タイプの"内部屋"と同様に、家の中、かつ水まわり空間に対して開口を設けている。立つ位置によっては2つ向こうの開口から外の景色が見える。

内部屋との堺の開口に並んでいるのは、洗面用の鏡。

北東に面した開口から、街道を見下ろす。けっこうコワイ。音は全く気にならなかった。

501(オーナー室)は、5階、6階とロフトを専有。 
501共有廊下の石張りから連続したように、501の"外空間"の床は石張り。右手の2つ並んだドアの1つはバルコニーへ、もう1つはトイレ。


501(5階)の内部屋。床はフローリング。

鉄板のステップを上がり、上の6階へ。

6階部分は、中央部にリビングダイニングを配し、その上はロフトに(見学者が入れ替わりたちかわり昇っては降りていた)。リビングの周囲をグルっと"外空間"が囲んでいる。

501・6階の"外空間"の床も石張り。奥はガラス扉で仕切られた、ナイスビューの寝室。

寝室から、内部屋の振り返り。

501のリビングダイニング。

バスルームの床、浴槽エプロンも石張り。


 「街の中の建物にあって、住む人の行為によって色々な性格のテラスが建物の中に存在する、そんなことを考えながら設計した集合住宅です」という配布資料に書かれた最後の文章は、今春刊行された谷尻氏の著書『1000%の建築』にも類似表現があったと記憶している。
本ブログでは説明の都合上、"内部屋"や"外部屋"といった表現を使ったが、配布資料には「内部屋」以外の表記はない。設計側が「〇〇部屋」と指定することを避けている。これから此処に住まう人にさまざまな可能性を預けた住宅である。

2012年5月26日土曜日

神奈川近美にて「石元泰博写真展 桂離宮 1953, 1954」開催中

鎌倉の神奈川県立近代美術館で6/10(日)まで開催中の「石元泰博写真展 桂離宮 1953, 1954」へ。会場を1周した後、ギャラリートークに参加。写真から垣間見えるニュー・ バウハウスのデザイン思想、坂倉準三が設計した《神奈川県立近代美術館》とのリンクなど、担当学芸員の熱のこもった解説を聞く。
故石元氏の両親の出身地であり、氏自身も3歳からの少年期を過ごした高知県にある 高知県立美術館が所蔵する膨大なコレクションから、1951年竣工の本展会場《神奈川県立近代美術館》に呼応するかたちで、1953、54年に撮影された《桂離宮》のオリジナルプリントが貸し出されている。計255点、会期半ばの展示入れ替え前にも来るべきであった。

2012年5月24日木曜日

MARUNI COLLECTION 2012

東日本橋のマルニ木工 東京ショールームにて「MARUNI COLLECTION 2012 JASPER MORRISON, NAOTO FUKASAWA」始まる。会期:2012.5.24(木)〜25(金)10時〜18時。
深澤直人氏デザイン「Roundish」の張り座(画像左)、ジャスパー・ジョーンズ氏デザイン「Lightwood」の新作カウンターチェア(同右)が国内お披露目。JJご本人曰く「足(脚)が長くなりました」。

2012年5月23日水曜日

「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」5/27(日)まで

森美術館で今週末まで開催の「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」へ。無料貸出の音声ガイドで1週した後、森美スタッフによるギャラリートークにも参加、トリビア満載、堪能。最終展示室からは《東京スカイツリー》も遠望できる夜景も楽しめる。

2012年5月17日木曜日

銀座にて「LADY DIOR AS SEEN BY展」開催中

銀座和光並木館にて「LADY DIOR AS SEEN BY展」開催中。ディオール銀座リニューアル記念イベントだが、会場は晴海通のDior店舗ではなく並木通り沿いの特別会場、名和晃平ほか作品のゴージャスディスプレイ+ドアマンが迎えてくれる。

ディオールのアイコンバッグ「レディディオール」と、世界のトップアーティスト75人とのコラボ展。日本からは名和晃平、東信、宮永愛子、鬼頭健吾、土井浩一郎らが出展。
おススメは地階にある、自分で柄と色をカスタマイズできるバーチャル版「レディディオール」。その場で記念撮影した画像をその場でうちこんだメアド宛に送信してくれる。

 会期は5月20日(日)まで、入場無料。

2012年5月16日水曜日

この広告がスゴイ(コワイ)

京橋交差点で巨大な「3D貞子」に遭遇。キャッチフレーズは「世界でいちばん、3Dが似合う女。」 
荷台の隅の「飛び出し注意」表示が笑える。
この車の後ろにだけはつきたくないような(コワいもの見たさもあるような)。
ちょっと貴重な「貞子さんの裏側」。

2012年5月15日火曜日

表参道《山陽堂書店》にて松本大洋の原画に接す

表参道交差点に面して建つ老舗書店 山陽堂書店 3Fのギャラリー山陽堂にて、「『小さいことばの原画展。』酒井駒子、松本大洋、そして糸井重里。」を開催中(会期:5/14月〜5/26土、入場無料)。
画像は会場で配布していた松本画の栞。
東京糸井重里事務所から発行された新刊2点の挿画を手掛けた作家2人の原画展。『ボールのようなことば。』の挿画を松本大洋氏、『夜は、待っている。』の装画を酒井駒子氏。

ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」< Youtubeには『ボールのようなことば。』の世界を表現したショートムービーもアップしている。

山陽堂書店は明治24年(1891年)の創業。約2ヶ月の「育店休暇」を終え、谷内六郎氏による壁画や、往年の佇まいを残しつつ、昨年5月にリニューアルオープン。歴史を物語る公式サイトは読み応えあり。

2012年5月14日月曜日

パフ「Chiristmas Exhibiton 2012」

初台にあるパフのショールームにて開催中(5/818まで)の「Chiristmas Exhibiton 2012」へ。
クリスマスツリーをはじめ、ポップなカラーのオーナメントやキャンドルなどパフならではのコレクションを展示。12月のクリスマスにはまだまだ早い気もするが、クリスマス商品の発注は6月の頭までで商品の発送は10月頃から。

ショールームの2Fが展示会場になっている。
白い雪が降り積もっているピンクのクリスマスツリーはオーナメントもすべてピンク。
スタンダードなクリスマスツリーも。

 キャンドルはLEDライトのもので付属のリモコンで調光が可能。
このキャンドルであれば転倒による火事の心配もなく、タイマー機能もついているので消し忘れなども防げる。また本物のキャンドルのように炎がゆらぐような明かりにすることも出来る。
 写真のオーナメントはガラスボールの中に雪だるまやツリーのモチーフが入っており、底に仕掛けられているLEDライトで中のモチーフが点灯するしくみになっている。
円形のオーナメントだけでも様々なものが取り揃えられている。
この他にもリースや置物など多くのクリスマス商品を展示。
会期終了後もショールームにて商品を見ることが可能。

2012年5月11日金曜日

《3331 Arts Chiyoda》にて「大友克洋GENGA展」開催中

旧練成中学校をコンバージョンした《3331 Arts Chiyoda》にて開催中の「大友克洋GENGA展」へ。
単行本未収録の初期作品から、『気分はもう戦争』『童夢』『STEAMBOY』『大砲の街』、最新画集『KABA2』に至る原画が一同に。『AKIRA』はデラックスコミックス未収録の扉絵を含めた全原稿がズラリ。吹き出し部分以外、ホワイトを使った修正箇所が無いという、想像を超えた完成度の高さ。

場内は撮影禁止だが、最終展示室に例外あり。先ずは『AKIRA』の「金田バイク」の実物モデル。
「福岡のショウワスタジオ・手嶋真志さんが7年の月日と1000万円以上の制作費を費やして製作されたもの」(原画展公式ブログより転載)。

一般道走行可能らしく、福岡ナンバーを付けて会場入りした様子が動画にアップされている。
なんともシニカルな「金田の赤ジャケ」の背に、思わず笑う。
会場ではこの赤ジャケを借りてバイクにまたがり記念撮影できる。撮影希望者は、制作者が支援している自閉症児支援団体宛に会場で寄付を。

展示のラストを飾るのは、『童夢』のサイキック・バトル・シーンで有名なあの「DOME WALL」=通称「ズン壁」。

案内表示:撮影はお一人ずつお願いいたします。

会期は5/30(水)まで。入場は日時指定の完全予約制で、土日は既に完売の日もあり。
前夜に金曜17:30入場のチケットをゲット、危惧していた混雑もなく、じっくり鑑賞。

同展では、来場者収益の30%が大友氏の出身地である宮城県を含む被災地復興支援にあてられる。明後日5/13(日)の夜には、大友克洋GENGA展×忘れないプロジェクト活動報告会も開催予定(要予約)。

2012年5月10日木曜日

ホンカ・ジャパンが青山に本社・ショールームをオープン

フィンランドのログハウスメーカー「ホンカ」の日本法人である(株)ホンカ・ジャパンが、本社兼ショールームを5/11(金)に東京・青山1丁目にオープンする。同社が今後、力を入れていく大都市における都市型ログホームの販売ネットワークの拠点となる。


本社・ショールームは、青山通りに面した側をショールームとして使用。オフィスとの間仕切り壁は文字通りのガラス張りで、見通しの良い、開放的な空間になっている(オフィスデザイン:内田洋行)。置かれている家具、テーブルウェアや什器は、アルテック社などフィンランドブランドを採用、自社製品に限らず北欧デザインで統一した。今後はトークショーなどのイベントも行なわれる予定。

オープン2日前に青山で行なわれたプレス向け発表会では、フィンランドを代表するプロダクトデザイナーであるハッリ・コスキネンも出席、氏がこれまで出掛けてきた作品と共に、ホンカ・ジャパンとのコラボレーションで誕生した2タイプの都市型ログホームのミニレクチャーが行なわれた。


フィンランド語で「基本」を意味する「KANTA(カンタ)」
1、2Fあわせて84.4平米、コンパクトなレイアウトで、スモールファミリーをイメージしたモデル。


フィンランド語で「保護」を意味する「SUOJA(スオヤ)」
1、2Fあわせて144平米、キャンティレバー下のバルコニーは18平米と広めに設定。


ホンカ・ジャパンの創立は1991年だが、これまで日本国内では40年以上にわたり、5000棟を超える建築実績がある。住宅以外にも、今年3月には大型医療施設としては国内2棟めとなる《花村医院》が松本市内にオープンした。 

《花村医院》の模型を前に流暢な日本語で挨拶するホンカ・ジャパン代表取締役社長マルコ・サーレライネン氏。

ホンカ・ジャパンでは今後、デイケアセンター、クリニック、学校といった住宅以外の分野にも進出していく。またホンカフュージョン製品として新しいエネルギー効率のコンセプトも来年初頭に発表する予定。

2012年5月9日水曜日

渋谷に自分の本棚をシェア出来るライブラリー「co-ba library」がオープン

渋谷にある、クリエイターのためのコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」。このスペースに付随する機能として、シェアライブラリー「co-ba library」が57日にオープンした。
co-ba library」は、「本を通じてコミュニケーションが生まれる」をテーマに、利用者が所有する本を他の利用者とシェア(共有)出来るスペースとなっている。「co-ba」会員はその利用料のみで「co-ba library」も利用でき、またライブラリーのみを利用できる専用会員も今回新設された。(月額制、詳しくはこちらを参照)
内装工事の資金調達にはクラウドファンディング型プラットフォーム「CAMPFIRE」を利用し、設計を株式会社ツクルバ、施工をHandiHouse Projectが担当した。内装工事の全工程をWebサイトにて中継したとのこと。


キャパシティは最大4000冊。ライブラリーに持ち込める書籍類は、写真集から雑誌まで幅広くジャンルも自由となっている。オープン当初は約100人から寄贈された1000冊程が陳列中。
白・茶・黒の3層のスペースで構成された空間は、色別に用途も違う。白の空間は、主に雑誌のコーナー。様々な雑誌が面陳され、一番ラインナップの変化が早いスペースとなりそうだ。


茶の空間には、利用者から提供された本が並べられる。本はジャンルやタイトル別ではなく“提供者別”に並べられ、各棚には提供者のツイッターアカウント等も併せて掲示される。個人間で連絡を取り合い、本の貸し借りだけではなく、お互い興味のある分野の情報を交換することも出来る。



一番奥にある黒の空間には、ブックキュレーターがテーマに沿ってチョイスした本が並べられる。壁と天井は全て黒板製なので、各書籍の説明等を自由に書き加えることが可能。本に関するイベントも行われる予定だ。

本のラインナップを見れば、その人の性質が他の人の目に見えるようになると、設計担当の中村氏は語る。本を通じて、共通の関心を持つ者同士を繋げてくれるようなライブラリーとなるのではないだろうか。