2019年1月29日火曜日

RCRアーキテクツ「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」内覧会

TOTOギャラリー・間にて2019年1月24日(木)から開催中のRCRアーキテクツの展覧会「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」へ。


人間・時間・空間それぞれの間合いという、日本特有の概念を表象する「間」の一字を名称とした「TOTOギャラリー・間(ま)」は、社会貢献活動の一環としてTOTOが運営する、建築とデザインの専門ギャラリー。

1985(昭和60)年10月の開設以来、国内外の建築家やデザイナーの個展にこだわり続け、今回、ペイン・カタルーニャ地方のオロットを拠点に、歴史や文化、自然に寄りそった活動を続けるRCRアーキテクツの展覧会「RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー」を開催。

内覧会当日はカルマ・ピジェム氏、ラモン・ヴィラルタ氏から20分間の趣旨説明が行われた後、実際に展示を見て回る20分間の会場ツアーが行われた。


ラファエル・アランダ、カルマ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタによって1988年に設立されたRCRアーキテクツ(以下RCR)は、常に3人で対話を重ね、カタルーニャの土地に根差しながら詩情豊かな建築を生み出してきた。こうした彼らの活動が評価され、2017年にはプリツカー建築賞初の3人による同時受賞という快挙を成し遂げた。

本展ではRCRのこれまでの歩みに加え、「夢」をテーマに彼ら自身がカタルーニャ地方ガロッチャで進めている「ラ・ヴィラ」プロジェクトを紹介。これは、ジオグラフィーとも呼べる大きなスケールを持った深い森と山からなる大自然の中に、学習と恊働のための施設やさまざまなマテリア(物体・物質感)によるパビリオン群からなる。
人々が集い、ともに学び、自然を空間として体感してもらうことで、知覚することそのもそを学ぶ研究の場を実現しようとしている。

左「トゥッソル・バジル陸上競技場」1991-2012年、スペイン、オロット

右「ベル=リョク・ワイナリー」 2007、スペイン、パラモス

そのなかのひとつである「紙のパビリオン」は、RCRが長年にわたり影響を受けてきた日本文化との架け橋となるプロジェクトで、奈良県吉野町の人びとと協力し、吉野の木材を用いながら、RCR独自の世界観を表現している。

「紙のパビリオン」

3階中庭には「紙のパビリオン」の一部分を展示。
吉野の高品質な木材を使用し、吉野の人びとの協力のもと制作された。展覧会終了後、ラ・ヴィラへの移設が予定されている。
紙のパビリオン 部分

4階には吉野をめぐる旅を追ったドキュメンタリー映像と、吉野和紙に水彩で描かれた森が広がる。

書かれた、そして描かれた風景

映像作品:吉野の森 ラ・ヴィラの森

多彩な展示を通し、RCRアーキテクツが長い時間をかけて実現しようとしている「夢のジオグラフィー」の一端を体感できる本展は3月24日(日)まで。

TOTO出版より刊行された『RCR Arquitectes Geography of Dreams』も要チェック。
詳細はこちら

2019年1月25日金曜日

住まいの環境デザイン・アワード2019 シンポジウム「住まいの環境デザイン」

1月22日(火)新宿パークタワー8F SHINJUKU PARK TOWER LOUNGEにて行われた、住まいの環境デザイン・アワード2019 シンポジウム 作品総評に見る「住まいの環境デザイン」へ。

今回で12回を迎えた「住まいの環境デザイン・アワード」は、“人と環境の住空間デザインの真の融合”をテーマに、良質な住宅の普及を目的としたコンペティション。
応募作品のエリアを首都圏に限定した今年度は、それぞれの地域に適応しながら、「暮らし」「環境」「デザイン」に調和の取れた住宅事例83作品の応募があった。審査員の厳正なる審査の結果、グランプリをはじめとする13点の受賞作品が決定。
本会では、上位3作品の受賞者によるプレゼンテーション、審査員による作品の総評、表彰式が行われた。
シンポジウムの様子
右手奥に審査員4名、左手奥に上位3作品の受賞者

グランプリ 「五本木の集合住宅」
仲 俊治・宇野 悠里(仲建築設計スタジオ)
住むことと働くことを一緒にした住宅3つからなる長屋。プログラムを纏った形態がパラパラと集まり、形態どうしのズレが構造や温熱環境に寄与する。雨を集める屋根、雨水で冷やすルーバー、それらを開口部のあり方へと繋げている。
審査員の東 利恵氏は「環境負荷を下げながらの雨水の利用やグリーンルーバーによる前面道路との中間領域が良かった。一番いいなと思ったのは、生活に対する提案で、人の中で子供たちが育つ環境つくりだ」とコメントした。
審査員の宿谷 昌則氏の「グリーンルーバーによる“水合成”をスポットとして都市に増やしていくといい」に対し、仲氏も「このような取り組みを連鎖させたい」とした。
※水合成:植物による温度変化は光合成という光の効果より水の効果といえるため生まれた


準グランプリ 「観察と試み -標準的な木造一軒家を60代の一人暮らしである施主が開く-」
西田司+神永侑子+鶴田爽(オンデザインパートナーズ)
築60年に差し掛かる木造住宅の改修。「プライバシー感(天気や気分によって変わる心のセキュリティ度合い)」を設計テーマに、ITセキュリティを研究する施主と協働した、個人住宅と社会の繋がり方を実験できる住宅。
審査員の千葉 学氏は「築60年近い木造住宅を新築と同等の金額をかけて残そうとすることに強いメッセージを感じる。プライバシーに対しての実験的な取り組みを丁寧に読み解いている素晴らしい住宅」とし、
審査員の末光 弘和氏は「引き算をしていることが特徴で、自分の生活を地域に開くことで孤独死を避けられるのではないかと訴える実験性の高い住宅」とコメントした。


準グランプリ 「稲村の森の家」
藤原 徹平(フジワラテッペイアーキテクツラボ)
これからの住宅がどうあるべきかを考える施主と協働した、鎌倉の森に囲まれる住宅。1階は家族とこの場所に集まる友人・知人・地域の人のための溜まり場のような場所であり、多くに対応できるようおおらかな設計がされた。
千葉氏は「1階の低い天高はまちに繋がる印象を、2階の高い天高は遠くの海や森に繋がる印象を与えている。完成形がなく、改変を誘導する魅力もある」とし、
宿谷氏は「未完成という事ですが、南側の窓に日よけをつけたりと“時間デザイン”をやりつづけていただきたい」とコメントした。


受賞上位3作品について敷地や施主、環境などは様々だがグランプリはどう決まったのかという問いに東氏は「提案が分かりやすく、視点が明確であること」、末光氏は「“環境建築”はまちに対してふるまいが乏しくなりがちだがそうでないのが評価できることで、グランプリ作品は特に秀でていた」とし、千葉氏は「建築の説明が上手いことは“環境”を考えるにおいて重要」と言及した。
宿谷氏は「説明することは脳で考えることだと思いがちだが、皮膚の感覚が最初にないと脳は働かないことから皮膚で考えているとも言える。最後は直感。“環境”を考えるのは“数値が大事”という感覚を見直す機会になるアワードになるといい」と締めくくった。

受賞作品の紹介はこちらを参照のこと

2019年1月24日木曜日

スタジオノイ、新ショールームオープン&新ブランド発表

輸入照明の取り扱い・販売をするスタジオノイのショールームが、恵比寿から外苑前に移転し、本日1/24よりグランドオープンした。また、新たに取り扱いを開始する、チェコの照明ブランド『BOMMA』も発表し、展示。
スタジオノイは、1986年創業以来、『INGO MAURER(インゴマウラー)』をはじめ、『BOCCI(ボッチ)』、『OLUCE(オルーチェ)』の海外の特色ある3ブランドの取り扱いをしてきた。新ショールームは、以前の恵比寿より大幅に増床し、それぞれのブランドの製品がゆったりと見れる空間となった。空間デザイン・展示構成は、チルコ ワークスの守真史氏が担当。
今回新たに取り扱いを開始する『BOMMA』はチェコの照明ブランド。
これまで、インテリアのみならずファッションやテーブルウェアの数々のハイエンドブランドのためにガラス製品や照明製作をしてきた経験のもと、2015年、ブランドフィロソフィー“step beyound”を掲げて、照明ブランド『BOMMA』を立ち上げた。
パーツ細部まで緻密にデザイン・加工されたクオリティの高さと、伝統的な手吹き製法で1点1点、仕上げられる流麗なラインを描いたクリスタルガラスが特徴。
『BOMMA』の代表作のひとつである“TIM”のガラスグローブ(写真下)は、高さ約900㎜・径約700mm・重さ25㎏にも及び、手吹き製法で出来る最大の大きさと言われている。
ショールームの見学は、10:00~18:00(土・日・祝日定休)で事前予約制(Tel:03-5843-0260)。

2019年1月17日木曜日

FOR GOOD 津山展 TSUYAMA × icon

12/14(金)~12/16(日)まで、新宿のリビングデザインセンターOZONE(新宿パークタワー1F アトリウム)にて、「FOR GOOD 津山展 TSUYAMA × icon」が開催された。
「FOR GOOD 津山展」は、今回で4回目の開催。

一般社団法人日本インテリアコーディネーター協会(icon)による津山のインテリアアイテムを用いた企画展示「KE・I・KE・N 津山テイスト」
■担当コーディネーター(icon 日本インテリアコーディネーター協会 中四国支部会員)  佐藤 早苗/今田 百春/亀田 裕子/西村 衣理華

本イベントは、つやま産業支援センターが主催、一般社団法人 日本インテリアコーディネーター協会(icon)共催のイベント。
当日は、特別企画として「icon会長 林 柳江トークショー」も開催された。

津山地域は岡山県の北部に位置し、檜(ヒノキ)生産量全国一二を争う地。
西日本有数の木材集積・加工地として発展してきた城下町であり、木工技術が継続的に発展・継承され、現代でも個性豊かな匠たちを多く輩出している。
本展は「美作材のふるさと」岡山県津山地域から、インテリア・家具を扱う6社の製品を一堂に展示。
会場にはクリエイターが来場しているので「ものづくりへの熱き想い」を胸に取り組むクリエイターとの会話も楽しめる。 

出展ブース:
家具工房 にいの屋(家具/小物)
無垢の木を使った家具のデザインから製作までを一人で行っている。

株式会社 津山銘木(家具/小物)
常時3,000枚の天然一枚板を在庫する全国屈指の国産材専門店。

株式会社 イマガワ(建具)
「日本の木材(杉・檜)」と「日本の技術」と「日本の新意匠」が融合した、百年の歴史を刻む上質建具を提案。

ヨネモノ(家具/小物) 
木工職人の夫と、椅子張りの妻が営む小さな家具・小物を製作する工房。

KITAWORKS(家具/小物)
定番家具から特注家具まで対応する鉄工所と木工所、ショールームを備えた工房。

ANDLIFE(家具)
5つのコンテンツ「衣・食・住・遊・学」を通して、地方での豊かな暮らしを提案することをコンセプトに家具などを通して、『イケてる!ライフスタイル』を提案するブランド。

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つやま産業支援センター
http://www.tsuyama-biz.jp/

一般社団法人 日本インテリアコーディネーター協会
http://www.ic-on.jp/