2013年12月26日木曜日

洗足学園音楽大学《シルバーマウンテン》でX'mas コンサートを聴く

川崎市高津区にある洗足学園音楽大学に新しく建った新校舎 《シルバーマウンテン》 で開催されたコンサートへ。竣工を記念し、主に同学教員によるオープニングコンサートが10/1から3か月連続で開催され、ラストを飾る夜は12/25のクリスマス。
銀色のドーム状の建物 《シルバーマウンテン》 と、赤く四角い建物 《eキューブ》 が並び建つ姿は、校門前を走る国道14号からも見える。夜はライトアップされ、インパクト抜群。
同校のニュースリリースや『新建築』12月号によれば、前者はリハーサル施設で、後者(通称:レッドクリフ)は学生ラウンジや事務所が入っている。設計は押野見邦英氏が代表を務める k/o design studioKAJIMA DESIGN、施工は鹿島建設
《シルバーマウンテン》 の金属パネルの外壁。遠目にはなんとなく柔らかそうに見える(気のせい)。
《シルバーマウンテン》は、上から見ると卵型の建物の外壁に沿った外溝からの照射と、やや離れた位置からの外部照明灯で、青紫色にライトアップされている(画質が粗くてわかりにくいが、実際はもっと綺麗)。

LED照明が格納されている外溝部分。

JR南武線の電車の音を背に、北東側からの2棟の眺め。
《eキューブ (レッドクリフ)》 の南側外観。
2棟はアーチ状のガラス屋根で結ばれている。アーチの下が2棟のエントランス。
《シルバーマウンテン》 のエントランス。ガラス壁を通した1F ホワイエの眺め(反対側の《レッドクリフ》のエントランスに置かれたモニター画面の映像が映り込んでいる)。
 1F ホワイエは、ルイスポールセンのアーティチョークが4連という贅沢な空間。
 1F ホワイエ、弧を描いた壁に沿って、木製ベンチが奥まで続く。
 1F 階段部分。廊下の奥がトイレと演奏者準備室。
地下1Fの階段下からの見上げ。
何故か、この階段の下に大きなシロクマのはく製?が置かれていた。
 地下1F リハーサル室前のラウンジ。
 2F リハーサル室前のラウンジ。こちらのライティングはブルー。
 2F ラウンジのベンチ。演奏の間にこちらで休憩。
 2Fリハーサル室出入口。
 館内の壁付照明がとても綺麗だった。吹きガラスのような半円形ブラケット。
当夜で和洋声楽あわせて313回の音楽会とのこと。3会場とも満席であった。

2013年12月25日水曜日

高島平団地「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」

昨年より関西で展開されている「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」 
このプロジェクトを首都圏でも展開することになり、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)東日本賃貸事業部とムジ・ネット株式会社は、高島平団地にて完成した、プロジェクト第1号(2部屋)を発表した。(12月12日)
部屋のサイズは2部屋とも46.24㎡で、元の部屋の形は同じ(6畳、4畳半、台所)だが、リノベーションされた部屋は、一つは既存の押入れを撤去、伸び縮み自在なLDKにデザイン。
もう一つはキッチン横に洗濯機を設置し、効率的な家事が出来る様にレイアウトに変更してる。また押入れを書斎に再利用しており、元々が、同じレイアウトの部屋だとは気付きにくい。
 今後のスケジュールは下記の通り。
モデルルーム見学申込:平成26年1月中旬開始。
募集開始(募集戸数15戸予定):平成26年1月25日~2月2日
入居開始:平成26年3月上旬以降(住戸によって異なる)

「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」サイト
UR都市機構
無印良品

2013年12月20日金曜日

LIXIL資料館にて、「環境技術研究機構 メム メドウズ」展開催中

江東区大島にあるLIXIL資料館を見学(事前予約制)。
アテンドに付いてくれる資料館スタッフの説明を聞きながら、会場をひとまわりすると、2011年にLIXILに統合した5社(トステム・INAX・新日軽・サンウエーブ・TOEX)の企業史と共に、当時の世相や文化、住生活の変遷までもが見えてくる展示構成となっている。
同会場において、新しい企画展示「環境技術研究機構 メム メドウズ」が始まった。
「メム メドウズ」とは、公益財団法人LIXIL住生活財団が、その設立理念に基づき、2011年に北海道大樹町に設立した環境技術研究機構の名称。冬季には外気温がマイナス30℃にもなる大樹町の気候を生かし、省エネルギー、バイオマス、低炭素社会の実現など、真に豊かな社会を実現するためのさまざまな研究を行なっている。
「メム メドウズ」には現在、同機構のシンボル的な施設である隈研吾氏設計の寒冷地実験住宅「Meme(メーム)」のほか、公益財団法人LIXIL住生活財団主催による、大学生を対象にした建築コンペで最優秀賞を受賞した作品が計3棟建設されている(早稲田大学「町まとう家」、慶應義塾大学「BARN HOUSE」、ハーバード大学「HORIZON HOUSE」)。
参考リンク:11/23(土)に現地で行われた「HORIZON HOUSE」竣工式のレポート

今回の展示では、各作品のスタディ模型や壁材の一部再現模型、現地の映像などを通して、設計コンセプトをわかりやすく説明している。なお、同機構の取り組みを紹介する展示は今回が初めて。

同展の会期終了日は未定。入場無料だが、事前予約が必要。開館時間は平日10時から17時(土日、祝日、および年末年始などは休館)。 詳細はLIXIL公式サイトを参照のこと。

2013年12月19日木曜日

「KITTE」のクリスマスイベント、巨大ツリーを谷尻誠氏が演出

東京丸の内に今春オープンしたJPタワーの商業施設「KITTE (キッテ)」にて、クリスマスイベント「WHITE KITTE」が12/2(月)より始まっている。
1階アトリウムには高さ14.5メートルのクリスマスツリーがお目見え。ツリーは本物の樅の木で、屋内では日本最大級のサイズ。6階まで吹き抜けている、この大空間ならではのツリー。
天井からの装飾も、旧郵便局を支えていた八角形の柱を模したボールチェーンに代わり、直径2センチほどの楕円形のスパンコールが吊るされている(3月下旬に開催された内覧会の様子:http://kenchiku-blog.blogspot.jp/2013/03/jp-kitte.html)。

下から眺めてみると、館内の空気対流で反射板が微妙に揺れ動き、空から白い雪がチラチラと舞い降りてくるように見える。館内に居ながら、外の空気に触れているような空間演出となっている。企画・デザインを担当したのは、SUPPOSE DESIGN OFFICE代表の谷尻誠氏。
オープニングセレモニーには、谷尻氏と女優の長谷川京子さんが出席。ツリーのライトアップセレモニーの点灯式に臨んだ。

ライトアッププログラムは約3分間。ツリーの下に配された小さなミラーボールに光が照射され、ツリーを囲んでいる三角形の壁面やあちらこちらに光の粒が投影される。ツリー本体も青、赤、緑と徐々に色を変えていく。演出は18:05から30分おきに約3分間実施される(但し、演出時間は曜日や日によって異なるので、詳細KITTE公式サイトの告知を参照のこと)。


6階からのツリーの見下ろし。1階とはまた異なる眺め。
1階アトリウム、ツリーの後方に2つ並んで置かれた、「かまくら」のようなディスプレイも谷尻事務所が手掛けた。
白い雪の素材は発泡スチロール。ツリーの根元や、ツリーに面した壁面の一部に積もらせた「雪」も同様。

KITTE全館でクリスマスイベント開催中。館内エスカレーター脇の休息スペースには、クリスマスカード型のフロアオブジェも置かれている。
「WHITE KITTE」の会期は12/25(水)まで。

2013年12月18日水曜日

建築100人展・銀座展2013

東京都市大学(旧武蔵工業大学)建築学科卒業生の活動を伝える「建築100人展2013・銀座展」が、タチカワ銀座スペース「Atte」にて12日より開催している。


この展示は東京都市大学(旧武蔵工業大学)同窓会、如学会によって行われており、武蔵工業大学から続く建築学科の歴史と、OB、OGの幅広い活躍を見ることが出来る。
今回は「建築100人展」に加え、「構造展/STRUCTURE×INFRA・STRUCTURE」の併設展示される。
12月22日まで 10:00~18:00 入場無料(最終日は16:00まで)


2013年12月17日火曜日

「モノ:ファクトリー品川ショールーム」オープン

(株)ナカダイの本社オフィス兼マテリアルストア「モノ:ファクトリー品川ショールーム」が11/1にオープン、このほど見学会が開催された。
同社は昭和31年設立の廃棄処理の専門業者。前橋にある自社工場には、使用を終えたモノ、販売ラインから外れたモノ、解体作業中に生じた廃棄物などが、業種を問わず、大量に持ち込まれる。例えば、廃番になった浴室ユニットの壁パネル、家電メーカーのブラウン管、自動車のエアバッグやシートベルト、食品メーカーで使っていた食塩水のガラス瓶・・・等々。前橋工場ではこれらを厳正に選別し、マテリアルとしてストックしている。

「使い方を創造し、捨て方をデザインする」をコンセプトに、同社が2010年に立ち上げた「モノ:ファクトリー」では、廃棄物の新たな可能性を見出そうとする様々なプロジェクトやイベントを開催しており、これらの活動が評価され、2013年度グッドデザイン賞・未来づくりデザイン賞を受賞、ベスト100にも選出された。

モノ:ファクトリー」 では廃棄物の処理や中古品のリユースはもちろん、企業の廃棄コンサルティングも行なっている。実際のマテリアルを見ながら打合せをした り、また一般の人々が自由に見学・売り買いできる場として、青物横丁の本社オフィスとビルのエントランス部分をリノベーション、都内に念願の自社ショー ルームをオープンした。設計管理は吉岡寛之氏が代表を務める一級建築士事務所iroirotoridori(イロイロトリドリ)、施工は(株)美利。
ビルの築年数は25年、壁はクロス、床にはPタイルが貼られたごく平凡なオフィスだった。仕上げ材を剥がした跡はあえて残し、床は防塵塗装を施した。天井は鏡面仕上げのステンレス(ホリゾント天井)。手前から奥にわたした桟は、空調機器などの目隠しでもあるが、マテリアルを吊り下げて展示することも視野に入れたもの。
注/上記オープン前の画像2点提供:一級建築士事務所iroirotoridori
什器は強度のある2×材(ツーバイ材)を加工したもので、マテリアルの加重に耐えられる構造とした。中に収めた四角い升は、入れるモノの大小にあわせて入れ替えできる。単価販売のものを除き、マテリアルは素材に応じた量り売り(マテリアル・バイキング)。
元は廃棄物と聞くと、先入観でマイナスなイメージを抱きがちだが、百聞は一見にしかり、こちらのショールームを訪れれば、そんな既成概念は吹き飛ぶに違いない。150種類以上のマテリアルが、どのような理由で廃棄せざるをえなかったのか、吉岡さんやナカダイのスタッフに教わりながら見ていくと、現在の生産・物流システムの裏側が垣間見えてきて、とても勉強になる。例えば、フロア中央にどんと据え置かれた信号機は、LED切り替え前の電球式。コンセントで点灯できるので、例えばカフェなどのインテリアに転用できそう。
フロア奥は「モノ:ファクトリー」のオフィス・エリア。椅子は廃棄されたパイプ椅子を社員が再利用したもので、座と背に車のエアバッグを張った。

テーブルの天板はガラスで、中には廃棄物とは思えないマテリアルや、それらを使ったアクセサリーや小物類を展示している。
『月刊廃棄物』などが収まったマガジンラックは、ツーバイ材に廃棄されたキーボードパネルをあわせたもの。
画像・右奥に見えているのは、LANケーブルの生産過程で生じる廃棄物をもとに制作されたアート作品「BLOCK TOWER」(製作者:中里洋介)。
参考リンク:弊ブログ・TDW2010レポート


下の画像・画面左に積まれているのは、オフィスでよく使われている五本脚のチェアの脚の部分。某大学建築デザイン系の教授が「これでドームを作ってみたい」と興味深々に手に取っていた。
第一京浜に面した窓側には、発泡スチロールのリサイクル過程でできる角棒状のインゴットを積み上げてベンチにした、休憩・打合せスペースが設けられている。
「リユース品を展示する空間を構成する材として、新しいものも古いものも区別なく、等しいバランスで扱おうと思った。モノ:ファクトリーは“捨てる”と“使う”の間でバッファー的な役目を果たしている。前橋工場を一度でも見学するとよく解るが、とても丁寧で精度の高い手仕事に支えられたナカダイの企業理念や活動がダイレクトに伝わるような空間になるよう心掛けた」とイロイロトリドリ代表を務める吉岡寛之氏。
ショールームオープンにあわせて改装したビルのエントランスは、改装前から子供向けワークショップの場などに使ってきたが、今回新たに、通りからビルの玄関まで続く、庇付きの長いベンチを設けた。「人と人、企業と企業、地域社会とをつなげる場になれば」という願いが込められている。

モノ:ファクトリー品川ショールーム」は、京急線青物横丁駅より徒歩1分。営業は月曜から金曜日の 11:00~19:00(土曜の営業日は要問合せ)。詳細は同社のホーム―ページを参照。