2013年6月28日金曜日

東京駅八重洲口「GRANROOF(グランルーフ)」

東京駅八重洲再開発の「グランルーフ等中央部」。ヨットの帆のような大屋根がすっかり出来上がっていた。
《グラントウキョウ サウスタワー》と《グラントウキョウ ノースタワー》の高層2棟間を連結、歩行者デッキとなる。東京駅公式FBを見ると、デッキ上は未だ未だ工事中のようだ。
南端部からの見上げ。

一部工事囲いが残る駅前広場には、かつての外堀の石垣が配される予定(参考:Tokyo Station City 2011.9.6ニュースリリース.PDF)。デザインアーキテクトはマーフィ/ヤーン,Inc。今秋完成予定。

2013年6月27日木曜日

伊東建築塾 恵比寿スタジオオープン

建築家・伊東豊雄氏が建築を志す若者や子供たちにむけて開催している「伊東建築塾」の新しいスタジオが恵比寿にオープンした。(2013.6.21)

伊東氏は「今まで神谷町で森ビルの好意で場所を借りて伊東建築塾を開催したが、子供たちが良い雰囲気で集まって来てくれたので、暖かい雰囲気のところで子供と一緒に建築を考えたくなり、シルバーハットの跡地を売却しここを購入し、このような形になった。」と述べた。
建坪は40坪程。テラス部分まで開放すると100名ほどが入れる空間になる。

壁に使用されている煉瓦は蓄熱性・調湿性があり、冷暖房を殆ど使用しなくても大丈夫なように自然エネルギーを活用する。
建物地下には空気ピットを設け、一年を通して空気の温度を一定に保つ。空気は屋根近くの窓下から二重の煉瓦壁を通して地下空気ピットとつながる。夏は建物地下に設けられたピットで冷やされた空気を床から吹き出し、屋根近くの窓を開き、下から上への空気の道を作る。併せてテラス部分の壁からドライミストを噴出し、壁を冷やし、気化熱で室内の温度を下げる。
冬は天井部分に溜まった温かい空気を屋根・壁を通して床下に吸い戻し建物全体を暖める。
天窓下の隙間から空気を吸い込む。
中央に見えるのが吸気ダクト

伊東建築塾 恵比寿スタジオ建設にあたり、多くの企業から協賛・協力を受けた。
協賛・協力企業は下記の通り。
協賛
LIXIL(レンガ・アルミサッシ・キッチン・衛生器具・水栓金具・太陽光発電システム・囲炉裏テーブル・プランター)
田島ルーフィング(アスファルトルーフィング)
四国化成工業(珪藻土左官)
原田産業(床空調吹出口)
環境エンジニアリング(ミストノズル・配管)
協力
コイズミ照明(照明計画・照明器具)
ニュースト(木格子引き戸)
東京ガス(ガス暖房・温水ラジエーター)
四倉製瓦工業所(屋根天然スレート)
イノウエインダストリィズ(1F本棚)
安東陽子デザイン(カーテン)

レセプションパーティーでは伊東氏のローマ字(ITO)をデザインした特製のパイが用意され、来場者に饗された。


2013年6月26日水曜日

「NORWEGIAN ICONS TOKYO(ノルウェージャン・アイコンズ 東京)」開催中

代官山のヒルサイドフォーラムにて、ノルウェーにおける1940年から75年代の様々なデザインを紹介する「NORWEGIAN ICONS TOKYO(ノルウェージャン・アイコンズ 東京)」が開催されている。
デンマーク、スウェーデン、フィンランドと並び、スカンジナビアデザインの一翼を担ってきたノルウェーでは、いわゆるミッドセンチュリーの時代に、革新的なデザインの家具やプロダクトが生み出され、数多くのデザイナーを輩出した。だが、北海油田から安定した原油収入を得るようになった1970年代は、国産デザインがないがしろにされ、デザインビジネスも衰退の一途を辿ったという。 本展では、改めてノルウェーデザインとその輝かしい時代にスポットをあてながら、貴重なヴィンテージを含む殆どの作品を販売する。会場配布のプライスリストのナンバリング数は314(うち2点は非売品)。
「NORWEGIAN ICONS」を立ち上げたのは、1963年にオスロに創業したカフェFuglen(フグレン)―その初代のショップを再現し、海外初進出店ともなった2号店「Fuglen Tokyo」を昨年5月に渋谷にオープンして話題となった―と、アートディーラー「Blomqvist(ブロムクヴィスト)」(上の画像は6/21のオープニングで挨拶する主催者)。今年1月のノルウェーを皮切りに、東京(本展)、年内にニューヨークへと巡回する。
第1室はミッドセンチュリーの装飾品が中心。
手前:Grete Prytz Kittelsen(グレーテ・プリッツ・キッテルセン、1917-2010)が1971年にデザインした、銀にエナメル加工を施したジュエリー。
第2室は、北欧の白樺の林をイメージした空間に、家具とアート作品を組み合わせて配置。但し本展では「白樺」ではなく黒く塗装した竹を用いた(会場構成:NORWEGIAN ICONS)。
Hans Brattrud(ハンス・ブラットルゥ、1933-)による曲げ木のラウンジチェア「Scandia Sr.」(1961年)。「Scandia」シリーズはブラットルゥが未だ学生だった頃に誕生した。
3脚の白いチェアは、Sven Ivar Dysthe(スヴェン・イーヴァル・デュステ、1931-)が1968年にデザインした「Popcorn」。ノルウェーのアートギャラリーの為にデザインされたものだが、1990年頃の改装時にデンマーク製のヤコブセンチェアと入れ替えという憂き目に遭う。ノルウェーの国産デザインとデザイナーがどのような位置に置かれてきたか、窺い知れるエピソード。
本展では、家具や食器、ダイニングセットなどが、壁に掛かったアート作品と共に、実際の生活空間で使われているようなイメージで再現展示されている。
日本ではあまり見かけない「Cigar Table」。半円の蓋を閉じると正円の天板になる。
デザイナーのRolf Rasta(ロルフ・ラスタ)とAdolf relling(アドルフ・レリング)は、オスロにRastad & Relling TEGNENKONTOR(ラスタ&レリング)を1943年に設立、1983年まで若手デザイナーの養成所のような役割を果たした。
ビョルン・エンゴ(1920-1981)が1955年デザイン(後に復刻)した器類と、壁にはエドヴァルド・ムンクの「マドンナ」をはじめ近代アートとが競演。ムンクはノルウェー近代絵画の父であり、今年で生誕150年。なお、本展主催者のひとつ[Blomqvist]は、ムンクを初めて扱ったアートディラーだそうだ。
最後の展示。
奥の写真は現代写真家のRune Johansen(ルネ・ヨハンセン)による「From sea the sky」(2008年)。あわせて5点を今回出展している。
会場で最後に興味深いエピソードを耳にした。1960年頃、日本橋にあった「白木屋」とオスロの百貨店の間で商品を含めた交流があった関係で、大規模な「ノルウェー展」が開催された(島崎信[武蔵野美術大学名誉教授]によるプレスツアーでの談話より)。その当時の会場の様子を撮影したアルバムが、東京巡回の数日前に偶然、オスロ市内の古書店で主催者のひとりであるPeppe Trulsen(ペッペ・トルルセン)氏によって発見された。表紙に竹を使った日本らしい装丁で、60年代当時の様子を伝える貴重なモノクロ写真が収められている。主催者の厚意でこちらも出展されているのでのでお見逃しなく(但し、非売品)。
また会場で販売され、隣接するTSUTAYA代官山にも積まれていたカタログ(3800円)も、デザイナー各氏と作品を紹介 していて読み応えがある。表紙やイメージビジュアルに使われている画像(白い山肌に描かれたノルウェー国旗)に関する説明は、P14-15に記載あり。

会期は7月7日(日)まで、会期中無休、開館は11~19時(最終日は16時閉場)。入場無料。6/28(金)の夜には島崎信先生(武蔵野美術大学名誉教授)によるレクチャーも開催される。
会期中イベントの情報など、公式FBにて随時情報発信中。

2013年6月25日火曜日

建築家フォーラム 前田圭介講演会「建築が生み出す環境について」

展示最終日を迎えた「建築家フォーラム 第121回」関連イベントである、前田圭介氏(UID)の講演会へ。
前田氏は大学三年生の時に旅したアメリカで、ルイス・カーンが設計した《ブリティッシュ・アート・センター(YALE CENTER FOR BRITISH ART)》を見学する機会があり、その素材感と光の美しさに感動、建築家という職能を強く意識したという。大学卒業後は工務店に就職し、現場監督を5年ほど経験した後、建築をハコとしてではなく、もっと大きなものとして捉えてつくりたくなり、2003年に自身の設計事務所UIDを立ち上げ、独立する。UIDとは「Universal、Innovative、Design」の頭文字だそうだ。

この日の講演会では、建築家フォーラム展示会場に掲出した5作品から、《atelier- bisque doll》、《森 × hako》、《森のすみか》、《Peanuts》のレクチャーをスライドと動画を交えて行なった。
講演会終盤は、現在進行形の4つのプロジェクトについて。敷地面積2000平米という《群峰の森(COSMIC)》(画像は現場の様子)、この日のホストを務めた国広ジョージ氏も参画している中国浙江省での大型PJ「龍泉建築ビエンナーレ(Longquan International Biennale)」、2年がかりで携わっている藤井厚二設計の《聴竹居》改修工事についても説明、最後に地元福山のアーケード商店街のリノベーション計画の最新案の画で、約2時間の講演会を締めくくった。

参考リンク:国広ジョージ氏のブログ>「Longquan-International-Biennale」に関する[2013年1月5日]のブログ

2013年6月21日金曜日

第121回建築家フォーラム「前田圭介|建築が生み出す環境について」

「むずかしいテーマをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」をテーマに開催している「建築家フォーラム」。121回めとなる今回、広島県福山市を拠点に活動している前田圭介氏(UID)をゲストに迎えた。本展「建築が生み出す環境について」は、前田氏にとっては東京では初めての単独展示となる。
前田氏は1974年生まれ、国士舘大学工学部建築学科を98年に卒業後、2003年に福山市にUID(UID一級建築士事務所)を立ち上げた。以来、西日本を中心に活動を続け、2009年竣工の《atelier- bisque doll(アトリエ・ビスクドール)》で2012年度・第24回JIA新人賞に選出されている(新人賞は保坂猛氏と共に2名選出)。また最近では地元福山は鞆の浦に建つ築80年の別荘《聴竹居》(設計:藤井厚二)の改修も手掛け、今夏完成予定で現在進行中。

会場はこれまでの LIXIL:GINZA のクリエイティブ・スペースから、西新宿にあるLIXILショールーム東京の7Fロビーに移り、待合や打ち合わせスペースとして使われる空間の壁2面に、UIDが手掛けた5作品のパネルが並ぶ。
2009年《森 × hako》はUIDの事務所や歯科医院などが入居した複合のテナントビル。 レイヤーの壁と開口越しに見えるこの美しい眺めを享受しながら、日々設計活動を行なっているというから羨ましい。

2011年《地表の家》は岡山県内の作品。山の斜面を宅地造成した雛壇状の土地に建つ。

上記2作品の間、会場奥のスクリーンでは、5作品のスライドショーと、実際に建物の中に入りながら撮影した動画を終日投影中(所要約15分)。
画面左から、2010年《森のすみか /nest》、前述の《atelier- bisque doll》、右奥はこども環境学会デザイン賞や、JCDデザインアワード2012銀賞を受賞した《Peanuts》(福山市つくし保育園乳児棟の増築)。

5作品の展示は、図面付きで作品概要を説明した小さなパネルと、幅1メートル80センチの大判パネルを繋いだ写真が1セットというシンプルなもの。写真も内観または外観の1カットのみ。これは、小さいお子さんからお年寄りまで幅広い年代かつ大勢のお客様が訪れ、長い時間を過ごすショールームのロビーという「立地条件」を、建築と人、建築と自然との距離感を大事にしているUIDとして読み解いたひとつの解。
1対1で作品と向き合ってもらうのではなく、座っている人の向こうに作品が見える、あたかも建築作品の中に人が入り込み、溶け込んでいるような光景となるよう、それぞれ写真を選び、サイズも決めた。
普段はLIXILの建材商品の展示も兼ねている壁面に囲まれたロビー空間に、施工時間(納期)等の制約もある中で、イチから、どのように展示するかも今回の課題のひとつ。展示パネルは木枠ではなく、ダンボールを用い、白いナイロンテープで小口を補強している。

会場では、大小のパネルがぴしっと面を揃えて並んでいる様と、天井付近との納まりにも注目して欲しい。断熱材として使われる青いスタイロフォームを角材として切り出し、白く塗装して補強材とし、上部からの照明の当たり具合を見ながら、角材の太さを決めていった。見事な施工ぶりは、母校・国士舘大の国広研究室および南研究室の学生達の奮闘によるもの。
会期は6/25(火)まで、入場無料。開館は10時から17時まで。
最終日には国広ジョージ氏をホストに講演会も開催される。こちらは有料、要事前予約。

2013年6月20日木曜日

スキーマ建築計画による新作家具シリーズ「ColoRing」国内初披露

長坂常氏(スキーマ建築計画 主宰)デザインによる新作家具シリーズ「ColoRing(カラリン)」の「オヒロメ会」が、中目黒の[HAPPA]で開催されている。
ColoRing」は、今年のミラノサローネの期間中、ミラノ市内のSpazio Rossana Orlandiで発表されたもの。国内での実物披露は今回が初。
ラーチ合板の表面にそれぞれ3色の塗料を地層のように塗り重ね、さらに表面に凹凸を作った後、サンダーなどで研磨してフラットにしながら、木の年輪のようなカラフルな模様を浮かび上がらせている。青森県の津軽塗りに代表される伝統技能から着想を得て、さらに伝統的な木工技法「浮造(うづくり)」とミックスさせて出来上がったオリジナル家具。

会場では今回、3つのカラーバリエーションでのダイニング(大・小)と、ピンク系のスツールのほか、ミラノ出展前のカラーサンプルも見ることができる。
手前:ダイニング(大)、奥:ダイニング(小)。

最終的に浮かび上がらせる色と柄を想定しながら、ベースとなる3層を塗り、計算して凹凸をつけているとのこと。
これらの作品はこの後、9月にパリで開催されるインテリアの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ2013」に、日本貿易振興機構(JETRO)の企画・助成による「J STYLE+」の参加作品として出展する。J STYLE+ブースの設計も長坂氏が担当する。
会場の[HAPPA]はスキーマ建築計画が事務所を構える複合オフィス兼ギャラリースペース(住所:東京都目黒区上目黒 2-30-6 [MAP])。展示は6/22(土)迄の予定。オープンは10〜20時。

2013年6月19日水曜日

ギャラリー ル・ベイン「内田繁 祈りのかたち展」開催中

西麻布のギャラリー ル・ベインで「内田繁 祈りのかたち展」が始まった。
会津の仏壇・仏具などの製造・販売を行なっているアルテマイスター(アルテマイスターグループ傘下、株式会社保志との統合会社)が培ってきた職人技術と、内田氏がこれまで提唱してきた思想とが融合、現代にふさわしい祈りの装置はどうあるべきかを問い、新しいデザインの仏壇や厨子が会場に並ぶ。
会場内のテキストに拠れば、仏壇が今日のように様式化したのは江戸時代のこと。ともすれば居住空間から和室が消え、ライフスタイルや室内での立ちふるまいが変容した現代において、人の心の拠り所となるもの、今の時代にふさわしい祈りの空間とは何か、目にみえない「カタチ」のデザインに内田氏と同社は取り組んできた。2002年に発表された「デザイン厨子」、続く新作、そして本展では、新たにデザインした仏壇「白紅(はっこう)」が会津以外では初めて披露されている。

新作仏壇の「白紅(はっこう)」は、高さ75cmの卓上タイプと、背の高い125cmのフロアタイプの2種類。色はそれぞれ紫檀と墨黒の2種。
「白紅」フロアタイプ(カラー:墨黒)の扉が閉まった状態。

観音扉は左右のスペースにすっきりと収納される。
内陣(内部)は金箔仕上げ。
手前に置かれた仏具(具足)は、小泉誠氏がデザインした高岡銅器製(制作:株式会社能作)。まるであつらえたかのようにしっくりくる。
奥にはLED照明が配置されていて、金箔に反射した光が美しい。とはいえ、光量の強いLEDを使って、こうも淡い光を表現するのはなかなか難しい。この「光のまわりかた」には特に気を配ったそうだ(内田デザイン研究所 担当鈴木学氏談)。
なお、 「白虹(はっこう)」とは、雨が降った後などに太陽や月のまわりに白い虹が浮かんだように見える気象現象を指し、瑞兆の意味もある。

2009年発表の「デザイン厨子(Zタイプ)」。
会場での説明に拠れば、厨子とは元は何か大切な物を入れておく箱だったとのこと。
左:内陣(内部)のアップはfacebookを参照

2002年発表の「デザイン厨子」。
内田氏が1994年にミラノサローネで発表した作品が、デザインの原型になっている。
「心と向き合う特別な瞬間を感じ取るための装置」(会場内 作品解説パネルより)。
2009年発表のデザイン厨子、共に栓紫檀色仕上げの「タイプZ-1」、左のみ扉ステンレス赤色仕上げ。

また本展では、アルテマイスターが提案する、現代作家による現代的な仏具も展示、一部は販売している。仏具としてではなく、普段使いができそうなデザインの器も。
展示は定休日の6/24(月)を除く6/30(日)まで、開廊時間は11-19時(最終日は17時まで)、入場無料。

2013年6月17日月曜日

マテリアライジング展 / 情報と物質とそのあいだ / 23名の建築家・アーティストによる思索

東京藝術大学で6月7日(金)の夕方、マテリアライジング展プレスカンファレンス及び内覧会が開催された。
「本展は、最先端のデジタル技術や造形技術を積極的に使っている/開催している建築家・アーティストを集め、作品としてのアウトプットだけでなく、その背後にある設計プロセスや技術にまで焦点を当てる。情報だけでもなく、物質だけでもない、そのあいだを展示することで、新しい創造性の価値観を示すことを目的としている。」(以上、リリース文章より)
出展した23組の作家プロフィールや詳細は公式サイトを参照。


会場は東京藝術大学大学美術館陳列館。
会場構成は西澤徹夫氏が監修。今回の展示は、作品単体だけでなく加工技術やソフトウェアなどのプロセスも同時に展示するため、PCやデジタルフォトフレームなどが大量に出てくる。その電気コードの配線がデザインの鍵となり、箱で隠すよりも積極的にデザインの一部として見せていくことでマテリアライジング展のコンセプト(背後の仕組みを見せる)にも合致すると考えた。ケーブル線は電気を通す役割だけでなく立ち入り禁止の柵としても使われ、複数の作品同士を囲いながら会場を区切って動線を確保する役割も担っている。また、作品をただ並べるだけでなく、喧嘩しあったり見合ったりする並べ方にこだわり、色々な角度から作品を見て、その奥にまた作品がある風景を楽しんでもらうことを意図した構成になっている。

一階会場。

二階会場。


 15.『線入力三次元ボロノイ図形による構造体のスタディ』noiz architects

「一般的な点入力による三次元ボロノイパターンの発展形として、三次元の曲線や曲面を入力要素とした発展的な三次元ボロノイ図形の生成プログラムを作成し た。これにより複雑な幾何学形態の生成でこれまで一般的だった数式による入力とは異なる、より直接的かつ直観的な複雑幾何形体を、どういう要素、構成に落 とし込んで物理的に再構成するか、そこにどういった情報や効果を組み込むことができるのか色々と実験をしている。CADデータの段階ではスケールや素材感 などを持つ必然性がない構造でも、物質化をする段階では求める効果や表現の可能性に応じ、絶対的なスケールや素材感、光の透過性、その他多くの属性の組み 合わせが、圧倒的に絶妙かつ大きな力を持つようになる。体験する人との関係性において、展示する大きさや場所、高さなどによる違いと共に、ごくローカルな スケールから中間的、グローバルなスケールまで、さまざまな階層の要素の組み合わせによる効果の違いが与える影響を、この機会に大きなスケールでのアウト プットで試してみたいと思った。」(以上、会場配布物より全文転載)



そのほかの出展者(掲載順は配布資料の通番に準じる)

1.『日々の記録』谷口暁彦 2.『Epoch I』Studio_01+Yakul 3.後藤一真+天野裕(Arup)4.『アダプティブな軽量膜屋根』増渕基 5.『Equilibrium Shelf 』Source Organization Network 6.『ORI-CON』N&R Foldings + Heavy Back Pack 7.『NYC Neural Cartography Project-脳波解析から見た建築-』Proxy Design Studio 8.『knitting paper module<アミガミ>』岩岡幸太郎9. 『デジタルグロテスク』Michael Hansmeyer + Benjamim Dillenger 10.『Red Venation Fence-小石川植物園のフェンス(2011-)』美濃部幸郎(美濃部幸郎アトリエ)11.『Neuro fabrics:ニューロ・ファブリクス』Ans Sutudio 12.『Digitized Grain』吉田博則 13.『PU』kwwek 14.『she』『彼女』[gh/e] 16.『七宝紋胎乾漆透器(しっぽうもんたい・かんしつ・とうき)』 17.『TG_Kit』慶應義塾大学 SFC 松川昌平研究室18.『なごの原の家』doubleNegatives Architecture 19.『フリーフォーム・オリガミ』舘知宏20.『泉』中村竜治21.『Ne キャスト ‐ experimental materializations + α』藤木淳 22.『Super Tensegrities』三木優彰 23.『Trepak 〈くるみ割り人形〉 / Trepak 〈The Nutcraker〉』今井紫緒


プレスカンファレンスに出席した作家。



本展示は6月23日(日)まで。

関連イベント・作家プロフィールなど詳細については
公式サイトを参照。