2024年4月30日火曜日

4/27より開催中 、Park×Art「Playground Becomes Dark Slowly」

東京都が主催し、エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社が制作、運営、PR事務局を務める「Playground Becomes Dark Slowly」が2024年4月27日(土)から5月12日(日)まで日比谷公園にて開催される。花と光に「アート」を掛け合わたインスタレーションで、キュレーターを山峰潤也氏が務め、「公園という都市の隙間の中で変化していく日の光を感じながら、自然への想像力を駆り立てること」をコンセプトに大巻伸嗣氏、永山祐子氏、細井美裕氏ら3名のアーティストによるアート体験を提供。
▲4/26に行われた記者発表にて
右より、東京都生活文化スポーツ局長:古屋留美氏
キュレーター:山峰潤也氏、アンバサダー:西内まりや氏
出展アーティスト:大巻伸嗣氏、永山祐子氏、細井美裕氏

日中は永山祐子氏の「はなのハンモック」を中心としたプレイグラウンド、夜は光を放つ大巻伸嗣氏の「Gravity and Grace」、細井美裕氏がサウンドスケープの視点から日比谷公園の音を収集し、再構築した「余白史」など、一日を通して公園での新たなアート体験を楽しむことができる。
週末には永山祐子氏による「はなの灯籠」に参加できるワークショップイベントを開催。詳細は公式サイトにて。
「はなのハンモック」
花畑の上で寝転がるような体験ができるハンモック。

▲「はなの灯籠」
風船と花を組み合わせた灯篭。日中は色とりどり花が浮かぶ風景、
日が暮れた後は『花と光の群像』を楽しめる。
「Gravity and Grace」
植物や動物の文様で切り取られた大きな壺型のオブジェ。
夜は中から光を放ち、影が公園に浮かび上がる。
▲「余白史」
7箇所の園内スピーカーから園内で収集した様々な音を公開。
開催期間中、園内各所で新たな音の収集も行っている。

会期は2024年5月12日まで。

建築家 前川國男設計の岡山県庁舎見学ツアーを定期開催

岡山県は大規模改修を終えた建築家の前川國男が手掛けた最初の庁舎建築である岡山県庁舎見学ツアーを5月18日から定期開催する。

県職員がガイド役として、岡山県庁舎の見どころを巡り、前川國男建築の魅力を解説する。

開催日:毎月2回(平日、休日1回ずつ。初回は5月18日(土)13時30分から)

(所要時間 約120分)

※各月の開催日、時間を県建築指導課ホームページにて案内。

定員:約10名(先着順)

参加費:無 料

申込方法等:岡山県電子申請サービスによる申込みとなる。

岡山県庁舎見学ツアーを開催します!:https://www.pref.okayama.jp/page/902754.html

サンワカンパニー 夜間の安心感を高めるスリットライト付き庇 《ラミナLED》を新発売

株式会社サンワカンパニーは、LED照明付きの庇《ラミナLED》を4月1日(月)に新発売した。

《ラミナLED》は、庇と一体型になったスリットライトが特長の、LED照明付きの庇。LED照明を仕込んだスリットライトは、存在感を抑えながらも両端まで美しく均一に光るよう、ライン形状とした。ライトのカバーまでを庇と同色にすることで、点灯中はLED特有の粒感が抑えられ、消灯中は庇に溶け込むデザインとしている。

薄い一枚板のように見えるシンプルなデザインで、外構をスタイリッシュに演出する。幅は1500mmと1900mmの2サイズ展開で、照明なしタイプと同じく積雪・風圧に耐える性能や、左右に勾配を調整できるシャフトで雨水対策ができる機能性を備えている。


商品概要

【商品名】ラミナLED(2024年4月1日発売)

【カテゴリ】庇

【販売価格】¥146,800/台~

【カラー】シルバー・ホワイト・ブラック

【サイズ】W1500・W1900×D910×H65.3mm(庇部分t=2.3mm)

【商品ページ】 https://www.sanwacompany.co.jp/shop/series/S0564/

2024年4月26日金曜日

本日4/26より開催、WHAT MUSEUM「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」

寺田倉庫株式会社が運営する「WHAT MUSEUM MUSEUM(ワットミュージアム)」は、2024年4月26日から8月25日まで「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」を開催する。
現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」から、現在開発中の月面構造物まで、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に焦点を当てた展覧会。2023年9月30日から2024年2月25日に開催されていた前期展から作品を大幅に入れ替えスケールアップし、100点以上の名建築の構造模型を展示する同館過去最大の建築展となる。GWや夏休みに向け、建築に関わる方から親子連れまで、模型を通して構造デザインの世界をわかりやすく紹介する展示内容。
▲「円相」滋賀県立大学 陶器浩一研究室
建築だけでなく身近なファッションやプロダクトに取り入れられている「構造デザイン」についても紹介。さまざまなファッションブランドともコラボレーションしている下田悠太氏の「膜テンセグリティ」の実物の展示を含め、これから注目の若手の構造家も紹介する。
▲「枕型多面体と高床が同時展開する滞在モジュール/月の縦孔のベースキャンプ 」
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 佐藤淳研究室、佐藤淳構造設計事務所
模型所蔵:東京大学大学院 新領域創成科学研究科 佐藤淳研究室

開催期間中には、展覧会に関連した書籍の出版や、トークイベント、パフォーマンスイベント、ワークショップなども予定。詳細は公式サイトにて。

「感覚する構造 – 法隆寺から宇宙まで -」
会期:〜2024年8月25日(日)
会場:WHAT MUSEUM 1・2F(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号)
開館時間:11:00〜18:00(最終入場17:00)
休館日:月曜(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料:一般1,500円、大学生/専門学生800円、高校生以下無料

ACTUS 北欧の名作椅子と日本伝統技法の融合「CH24 DORO-ZOME SUMI(炭)」300脚限定発売

株式会社アクタスは、2024年4月26日(金)より、デンマーク家具デザインの巨匠ハンス・J・ウェグナーがデザインした名作『CH24(Yチェア)』に奄美地方に伝わる染色技法『泥染め』を施した特別モデル「CH24 DORO-ZOME SUMI(炭)」を300脚限定でアクタス直営店、ライセンスショップ及びアクタス公式オンラインショップにて限定販売する。

今回のCH24特別モデルに施される染色技法『泥染め』とは、世界で唯一鹿児島県の奄美大島に存在する、約150万年前の粘土地層由来の泥を使用した染色技法。奄美大島の泥には多くの鉄分が含まれており、草木に含まれるタンニンと反応することにより、深みのある色へと変化する。今回染色に使用された泥には、奄美大島土着の車輪梅(しゃりんばい)の化学反応した色素と炭が含まれており、この泥をCH24のビーチ材のフレームに数回塗布していくと、やや赤みがかった黒に近い色に仕上がっている。自然由来の色と染色方法によって、木目が生かされた他にはない風合いが生まれた。

CH24 BEECH DORO-ZOME SUMI ACTUS LIMITED

製品名/Carl Hansen & Son×ACTUS×TIMBER CREW

    CH24 BEECH DORO-ZOME SUMI

サイズ/W55×D51×H76×SH45cm

価格/ 11万2200円(税込)

*300脚限定

取り扱い店舗/アクタス・直営店、アクタス・オンラインショップ

*2024年4月26日(金)より販売開始

ACTUS【株式会社アクタス】

公式HP URL:https://www.actus-interior.com/

公式オンラインショップ:https://online.actus-interior.com



2024年4月25日木曜日

マウントフジ初の作品集『マウントフジアーキテクツスタジオ作品集』5月発売

グラフィック社は、原田真宏と原田麻魚が率いる「マウントフジアーキテクツスタジオ」、初の作品集、書籍『マウントフジアーキテクツスタジオ作品集 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO WORKS -2024』を、2024年5月に発売する。

「風景でつくり、風景をつくる」という言葉が示すように、形も、素材も、すべてその地域から見出すことで生まれた代表作「道の駅ましこ」(2016)をはじめ、「Seto」(2013)や「半島の家」(2018)、「Entô」(2021)など20年の活動の中から全10作品を厳選収録。

「振り返るより次の作品、と建築創作を続けてきましたが、活動をはじめてから20年目の区切りということで、初めて作品集をまとめることになりました。多くの写真を中心に、テキストと図面を加えて、これまでの私たちのデザインの旅路を再現したような本になったと思っています。」

____原田真宏


◆海辺の家 | Shore House (2013)
◆Seto(2013)
◆道の駅ましこ | Roadside Station in Mashiko(2016)
◆Entô (2021)

目次

m3/kg | おおきな家(2006)

海辺の家 | Shore House (2013)

Seto(2013)

道の駅ましこ | Roadside Station in Mashiko(2016)

立山の家 | House toward Tateyama(2016) 

松栄山仙行寺 | Shoeizan Sengyoji(2018) 

半島の家 | Peninsula House(2018)

A&A LIAM FUJI (2019) 

Entô (2021) 

STROOG社屋 (2022)

書籍情報

書名:マウントフジアーキテクツスタジオ作品集 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO WORKS -2024

著者:原田真宏 原田麻魚

発売日:2024年5月

仕様:A4ワイド判 短辺綴じ 並製 総184頁

定価:4,400円(10%税込)

ISBN:978-4-7661-3863-4

Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4766138635/

楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/17857085/

【書籍に関するお問い合わせ】

株式会社グラフィック社

〒102-0073 東京都千代田区九段北1-14-17

ホームページ:https://www.graphicsha.co.jp/

隈研吾監修スツール・木工特別体験「タテヨコナナメ」【駿府の工房 匠宿】

静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」に、建築家・隈研吾氏が監修したスツール 「タテヨコナナメ」を組み立てる木工体験が4月27日(土)より開始する。

最低限の構造で出来た本体と三本の木材パーツを用い、木材パーツの付け方で意匠と構造を考えながら唯一無二のスツールを制作する。

育てるスツール「タテヨコナナメ」

子供から大人まで楽しめる「育てる」スツールをデザインしました。最初は不安定なスツールが、木の材料を補強していくことで人を支えられる程に強く育っていきます。一本一本は小さく強度のない木をたくさん集めて強い建物を作る、日本古来の木造技術を学び体験できるスツールです。追加する本数や場所、タテ・ヨコ・ナナメの角度は自由に決められます。作る人によってそれぞれが全く違う表情の、唯一無二の椅子となります。 皆さんだけの特別なスツールを作ってみてください。 
<隈 研吾> 

駿府の工房 匠宿 木工特別体験「タテヨコナナメ」 

体験料金:¥22,000-(税込)

体験開始:2024/4/27(土) より

体験時間:14:30~(土日祝のみの開催・完全web予約制)

所要時間:約2時間

体験人数:4名まで

予約方法:3営業日前までのweb予約申し込み制

※保護者同伴にて小学生から体験可能/中学生は保護者同伴を推奨。

特設サイト:https://takumishuku.jp/tateyokonaname

イトーキ リサイクルマテリアルを上質なデザインに仕上げたフェルトチェア「Refelt(リフェルト)」を発売

株式会社イトーキは、リサイクルマテリアルを原料にしたフェルトチェア「Refelt(リフェルト)」を2024年6月3日(月)より発売する。

フェルト状のポリエステル繊維を3次元プレス成型した3D背座シェル仕上。脚フレームには椅子で一般的に使用されるものより細い直径12.7mmの高張力スチールパイプを採用。

背座シェルには使用済みのペットボトルを回収、再資源化した繊維を約50%含むポリエステルフェルトを採用し、従来のプラスチックモールドによるチェアパーツと比べて製造エネルギーとCO2排出量を抑えた。座クッションにも製造過程や製品使用後に発生するウレタン端材を粉砕し再成型したチップウレタンを採用している。

ボディタイプはシェルチェア(4本脚、キャスター回転脚)とハイスツールの計3タイプ、フェルト背座シェルカラーにはライトグレーとダークグレーの2色をラインアップ。脚カラーはサテンブラックとライトグレーの塗装仕上げに加え、特別色カッパーと、アルミポリッシュ仕上げも選択できる。

※企業向けの製品のため、一般向けの販売は現在予定無し。


【問い合わせ先】

株式会社イトーキ スマートオフィス商品開発本部 商品企画部

TEL : 03-6910-3910

株式会社イトーキ:https://www.itoki.jp/

2024年4月24日水曜日

日本宅配システム株式會社 戸建向け新型宅配ボックス販売開始。

日本宅配システム株式會社は、マンション向け「戸別宅配ボックス」に続き、戸建向けの「戸別宅配ボックス」新型モデルの販売を開始した。

今回発表の「戸別宅配ボックス」新型モデルは、“1世帯に1台の宅配ボックス”という新しいコンセプトのもとで誕生した。1日1つ以上の荷物が届くことを想定した3ボックス設計で、宅配便のほかに大型郵便を投函できるポストも配置。さらに門扉を隔てた両面仕様とすることで、「門扉を開けない新しい宅配受取」を実現し居住者の利便性を高め、戸建エクステリアの付加価値向上を目指す。


日本宅配システム株式會社: https://www.j-d-sys.com

2024年4月23日火曜日

学校法人日本女子大学が日本建築センターおよび隈研吾建築都市設計事務所と寄附授業に関する協定を締結

学校法人日本女子大学は、創立記念日となる4月20日(土)に、一般財団法人日本建築センター(東京都千代田区、理事長:橋本公博)および株式会社隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区、建築家:隈研吾)と寄附授業に関する協定締結式を行った。

今回の協定締結により、全学的なグローバル教育の推進に向けて、本学の基盤教育である「教養科目」に英語で行う寄附授業が今年度より新たに2科目設置された。この寄附授業では、受託した建築デザイン学部が共同して授業担当者の選定および授業内容を作成し、開講した。

(写真左から)日本女子大学 今市理事長、 日本建築センター 橋本理事長、日本女子大学 篠原学長 による協定締結

(写真左から)日本女子大学 今市理事長、 隈研吾建築都市設計事務所 隈氏、 日本女子大学 篠原学長による協定締結

■協定により設置される授業(教養科目)

「持続可能な社会と建築デザイン」(一般財団法人日本建築センターからの寄附による授業)

この授業では、持続可能な社会の構築は、分野を問わず取り組むべき社会課題であり、持続可能な社会を構築する上で建築や都市のデザインが果たすべき役割について英語で学ぶ。

授業担当は、本学家政学部住居学科の卒業生である有限会社コミュニティー・ハウジング代表取締役、一般社団法人住宅遺産トラスト理事の木下壽子氏。


「Self-Building Public」(株式会社隈研吾建築都市設計事務所からの寄附による授業)

この授業では、「公共空間はセルフビルドすることができるだろうか」という問いのもと、日本、世界において「公共」をつくりだしている人にレクチャーや対話を英語で行う。

授業担当は、TAILAND主宰、株式会社隈研吾建築都市設計事務所パートナーであるクマタイチ氏。

タチカワブラインド新製品発表会2024 “広がる、彩り豊かな暮らし方” 5月16日(木)から全国12会場で開催

立川ブラインド工業株式会社は、「タチカワブラインド新製品発表会2024 “広がる、彩り豊かな暮らし方”」を5月16日(木)から8月6日(火)までの期間、東京会場を皮切りに全国12会場で開催する。

当発表会は、“広がる、彩り豊かな暮らし方”をテーマに、今年発売の新製品をはじめ、幅広いバリエーションの当社製品や住宅・非住宅のさまざまな場面を想定したシーン展示により、“窓まわり・間仕切製品から暮らしを豊かに広げる” タチカワブラインド製品を提案する。その他、サステナビリティへの取り組みも紹介する。

開催概要

名 称:『タチカワブラインド新製品発表会2024』

テーマ:“広がる、彩り豊かな暮らし方”

期 間
:5月16日(木)から8月6日(火)

場 所:全国12会場

新製品発表会:https://www.blind.co.jp/event/exhibi/2024

※入場には事前登録が必要。

2024年4月22日月曜日

室内向け遮音ドアが生活の中で感じる「音」のストレスを軽減 ~4月より全国6か所のショールームに順次展示~ 神谷コーポレーション

神谷コーポレーション湘南株式会社は、遮音性能を高めた生活音配慮ドア『CALM(カーム)』を4月以降、全国のショールームに順次設置する。

神谷コーポレーションは全国に12店舗のショールームを開設しており(内5店舗は無人運営)、年に2回の新作発表に合わせて新商品の追加展示を行っており、今年1月に発売された遮音ドア「カーム」を、4月の新潟ショールームを皮切りに全国のショールームに追加展示していく。

■展示スケジュール(予定)

新潟無人ショールーム :4月下旬

仙台無人ショールーム :5月下旬

名古屋ショールーム  :6月中旬

久留米無人ショールーム:6月下旬

岡山無人ショールーム :7月予定

札幌無人ショールーム :8月予定


遮音ドア「カーム」特設ページ: https://www.fullheight-door.com/brand/brand_search/calm.php

2024年4月19日金曜日

2024年日本建築学会賞(作品) 発表

一般社団法人日本建築学会より、日本建築大賞、日本建築学会賞(作品・技術・論文・業績)ならびに、日本建築学会作品選奨が発表された。
日本建築学会賞(作品)は、主として国内に竣工した建築の設計(庭園・インテリア,その他を含む)であって、技術・芸術の進歩に寄与する優れた作品に与えられる。 本年は52作品の応募があり審査を通過した8作品の現地審査を経て<House & Restaurant ><岩国のアトリエ ><八千代市の老人デイサービスセンター「52間の縁側」>の3作品が、2024年 日本建築学会賞(作品)に決定した。


House & Restaurant 
石上 純也(㈱石上純也建築設計事務所代表取締役) 

 ©junya.ishigami+associates

House & Restaurantは戸建て住宅や低層集合住宅が立ち並ぶ、宇部市の郊外住宅地のフリンジに立地する住居兼レストランである。道路から見えるのは建設以前から変わらない造成宅地の擁壁だけである。建築はその擁壁の向こう、もともとの地盤面の下に納まっている。この建築は大地と建物とのまったく新しい関係を生み出している。建築は大地に載るのではなく、大地に潜っている。とはいえ、大地に潜るだけでは建築にはならない。この建築は大地にいくつもの穴を開け、そこにコンクリートを流し込むことで躯体をつくり、あとでその躯体を掘り出すという工程によって建築となりえている。この大胆で知的な工程が、大地と建築との反転という歴史的な事業を実現させた。 

もともとの宅地の地盤面から階段を下ってアプローチする先に展開されているのは、テーパー状に降りてくる何本ものコンクリート躯体の太い足とその反転形の空隙が生む、豊かなシークエンスである。もともとの大地=土は掻き出されてしまったけれども、コンクリート躯体に強い痕跡を残した。ボリューム模型の三次元座標化を駆使した繊細な設計と、その一方で事前確定を許さないコンクリートと土との接合面が躯体の形態的多様性を生んでいる。コンクリート表面に付着した幾種もの土が細かな陰影となって表情をつくる。そして、この躯体の形が3Dスキャンによって巧みにすき間に嵌められるガラスの窓や扉に転写される。平面プランは3つの庭を中心に置き、住居とレストランがその左右に配置されているが、一体としても使えるように回廊が走っている。全体的に躯体のモノとしての迫力が支配的であるが、3つの庭および外周部の光庭に抜ける視線の巧みなプランニングにより、窮屈さは感じさせない。いくつもの多様な場が水平的な広がりの中でひとつに連なる。 

総じて、郊外住宅地の土地、建物にありがちな安易さとは真逆の、大地に対する緻密で柔軟な応答の結果が、多くの人々の感情の根源に触れるまったく新しい空間を生み出した。オーナーからのごく私的な依頼に応じた建築家の徹底的な探求の果てに、この建築は不意に社会性をも帯び始めている。そして、何より、建築作品が持つ力、新しい空間の創造への自信に満ち溢れた、清々しい建築である。 よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。
※2024年日本建築学会賞(作品)選考経過より



   岩国のアトリエ 
   向山 徹(岡山県立大学教授/向山徹建築設計事務所代表)

▲写真:野村和慎

この作品は、書と絵画の収蔵庫を含む画家のアトリエと展示ギャラリー、その家族が暮らす住居を分棟形式で建築したものである。敷地は山口県岩国市の南郊、瀬戸内海を望む小高い丘陵地にひろがる集落の中で、その縁辺をなす細長い尾根筋の上にある。その立地の故に集落内の随所から視認される2棟の切妻屋根の重なりと土壁の構成は、斜面に沿って連続する小規模な耕作地の狭間に古民家が散在する集落景観にしっくりとおさまり、この土地に帰属する建築であることを主張する。 

施主である画家のナチュラリストとしての生活信条と創作哲学、木組と土による施工を希求する大工の信念、親和性の高いこの両者の相互関係を高い次元で空間化するために、建築家が定義した理想像が、伝統工法を基軸としつつ新たな木の架構と土壁による密実な構造体である。西側の道路に対して低く構えたアトリエ棟では、内外ともに熟練の左官職人の手で丹念に塗り重ねられた土壁の厚みとその特徴をいかんなく表現するに相応しいディテールのおさまりが徹底されている。金物を使うことなく精緻に加工された木の継ぎ手による架構が柔らかな天空光と緩やかな風の流れを誘(いざな)い、土壁の質感とともに創作の場と作品が展示される場の空気を支配する。東側の樹林に寄り添うような高さで建つ住居棟では、中央のコア部分と平面形に外接して設置された2組の隔壁による耐震壁の構成により、全体が一室であるかのような開放性と回遊性が獲得されている。そして、地盤面より低く掘り込まれたリビングから2階の居室まで、巧みに設定された床レベルと天井高の組み合わせが、90㎡に満たない延床面積では得がたい空間の多様性をもたらす。 

さらに、これら2棟を微妙な角度のズレをもって配置することにより生み出された狭間は、深い軒内が尾根筋に沿って延びるにわとなり、道路から斜面をよじ登るようにアプローチした先に展開するシーンの舞台であり続ける。にわの中程では、アトリエ棟の石敷テラスを通して広がる集落の風景と手の届く先に広がる樹林の奥深さが同時に体験され、この豊かなシークエンスが、そのまま住居棟の様々な開口を通して見る周辺のスケール横断的な景の連鎖へとつながる。 

この作品の新しさは、現代の建築技術と伝統的な手業の融合による新たな地平をめざした取り組みが、土地のローカリティのもとで見事に実体化している点にある。それは、地域に根をおろした生業と暮らしの営みを支える空間という原点への回帰を、現代社会のコンテクストのもとで今一度定義することの重要性を明快に表現しており、日本建築学会賞(作品)を授賞するに相応しいと判断する。 よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。
※2024年日本建築学会賞(作品)選考経過より


八千代市の老人デイサービスセンター 「52間の縁側」 
山﨑 健太郎(㈱山﨑健太郎デザインワークショップ代表取締役/工学院大学教授) 

▲撮影:黒住直臣

建築とは建築物その物のみならず、その成り立ち総体なのだ。としたら、この作品の「総体」は広く曖昧に広がっている。用途はデイサービスセンターであり、学童、更生施設、ゲストハウス、カフェ、誰もが地域で死にゆく時間を支える場、そして、多分それだけでもない。補助金予算は小規模デイサービスとして申請用途に対して適切である一方で、運営者は用途や計画の対象を明確に区切らず、地域の不安や寂しさに包含的に寄り添う態度を貫く。 

すなわち計画の固定化を後押しする明確な用途、予算、スケジュールはこの作品の背景には存在しない。この動的な状況を受け入れた時に設計者はおおらかな縁側にその在り方を委ねた。敷地は古い郊外の団地に隣接する小学校の裏山の上、緩やかにうねる尾根の上にあり、子供たちの往来は山肌のトトロ道と呼ばれる細く暗い山道から、デイサービス利用者は台地上の車道からとなる。地理的なエッジに沿うように計画された建築は、水平に伸びる奥行き2.5間、長さ42間の単純反復するスカスカの架構によるもので、尾根下から吹きあげる風が2.5間をすーっと通り抜けてゆく。その長大架構に取り付く3つのボックス状の室内空間がそれぞれカフェ、デイサービス、風呂である。このほぼ外部空間の建物は一見上棟式を待つ構造体のようにも見えるのだが、アプローチから床下をくぐり庭へと回り込めば、小さなブランコが高床の下にぶら下がり、野良仕事をする人、縁側に座る親子、小さな室内では認知症の方や老人が話し込んでいる。簡素なディテールが人々の参画を誘い、利用者の痕跡がすでに蓄積し始めた賑やかな空間だ。一直線のはっきりとした構造体が、波打つ尾根を浮かび上がらせ、子供たちと老人を出会わせ、参画を引き受ける土台=縁側として、建築的態度を地域に示している。 

一方で高齢者施設の設えとしての基本的な温熱環境、設備、平面計画や風呂利用者のプライバシーへの配慮など気になる点もある。審査では通常求められるこれらの対策が不在であることを認めつつ、サービスの隙間が人々の参与を生む状況やその関係性を丁寧に議論することで、新たな評価軸を探す作業でもあった。それは建築単体のクオリティや問題解決能力という従来の評価軸をソフトウェアであるコミュニティや参画性へと拡張する試みであり、建築が、その統合性という性質を土台としてソフトウェアをも計画に取り込み、コミュニティ形成を促し、連携や主体的な参画が、従来建築が単体で負っていた問題解決力を補完し、同時に地域や関係者といった成り立ちをも幸福にする存在になり得ることを、確認する試みでもあった。 

本来、建築とは揺らぐ動的世界から直接に編み上げる祝祭的なものでもあった。背景に寄り添い、硬直する建築を柔らかくほどく今作品は、議論を引き出すのみならず広く動的世界を包含した高度な建築である。 よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。 
※2024年日本建築学会賞(作品)選考経過より





各賞発表の詳細はこちら
一般社団法人日本建築学会 https://www.aij.or.jp/


2024年4月18日木曜日

「木と生きる」東京ミッドタウン日比谷で開催

株式会社ディスカバー・ジャパンと三井不動産株式会社は、両社が主催するイベント「木と生きる」を、東京ミッドタウン日比谷にて、4月16日(火)~4月21日(日)に開催する。

このイベントには主催の2社のほかに18の団体が共同参加。”木”を知り、学びを深めるシンポジウムや、木とのかかわりあい方をインスタレーションで表現するイントロダクションエリア、共同参加団体の取り組みを展示するパネルエキシビション、気に直接触れられる作品を作るワークショップなど様々なイベントが行われる。

東京ミッドタウン日比谷1Fアトリウム・イントロダクションエリア。木彫作品の周りには木のチップが敷き詰められ、アトリウム全体が木の香りで覆われている。
東京ミッドタウン日比谷地下1F日比谷アーケードには、共同参加団体による木や森、都市に関する取り組みを展示。

イベント初日の4月16日には建築家・藤本壮介氏を招き、Discover Japan統括編集長・高橋俊宏氏とのオープニングトークが開催された。初めに藤本氏のプロダクト紹介の後、藤本氏と高橋氏のオープニングトークが行われた。

藤本氏は建築と自然の関係について「自然のものが持っている予測不能の多様さが、人間が本質的に持っている世界の複雑さに対する感受性を開花させるものになるのではないか」と述べた。また、木造建築について「大規模木造建築を作る場合、現実的に集成材でないと無理。しかし、日本人にはそれに抵抗がある。欧米の気に対する合理的な思考と、日本人が持つ木への思いを日本人なりに組み合わることが出来れば一気に解決できるのではないか」と述べた。


「木と生きる」サイトURL:https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/kitoikiru/

サンワカンパニー “横幅ぴったり”を叶える《ピッタミラー》を新発売

株式会社サンワカンパニーは、幅450~2300mmの間でサイズオーダーが可能なミラー《ピッタミラー》を4月1日(月)に発売した。近年のトレンドである幅の広い洗面台の場合にも、ミラーの横幅をぴったりと合わせることができ、デッドスペースの無い美しい洗面空間を実現する。

《ピッタミラー》は、幅450~2300mmの間でミリ単位のサイズオーダーが可能なミラー。玄関手洗いのようなコンパクトな場所からメインの洗面台まで、あらゆる空間にフィットする。フレームカラーはインテリアを選ばないブラック・ホワイトの2色展開。正面から見た時のフレーム幅は僅か1.5mmとし、存在感を抑えた。また、真横から見るとフレームよりもミラーの方が1mm厚くなっており、フレームの内側に埃が溜まりにくく、拭き掃除がしやすい構造になっている。

壁面に取り付けると、ミラーだけが浮いているようなデザインになっており、LED照明付きタイプを選べば、ミラーの背後から間接的に光が照らされて、フロート感をより一層味わうことができる。

通常のミラーと比べて、ガラス特有の緑の成分が少ない「高透過ミラー」を採用。

商品名:ピッタミラー(2024年4月1日発売)

カテゴリ:ミラー

販売価格:¥31,600 /台~

カラー:ホワイト・ブラック

タイプ:LEDなし・LEDあり(電球色)・LEDあり(白色)

サイズ 幅:450~2300mm

           高さ:600/800mm

           厚み:40mm

商品ページ:https://www.sanwacompany.co.jp/shop/series/S1229/