2013年4月23日火曜日

Swarovski in BASELWORLD 2013 / 吉岡徳仁



吉岡徳仁氏が手掛けたスワロフスキーブースデザイン。スイスで開催される時計展示会「バーゼルワールド」にて出展される。




ミラー加工されたストロボLEDから成る六角形のメタル反射板を集めてできた壁。
25万個のLEDを反射板に設置し、コンピュータープログラムによって、水面の光のようにランダムにまばゆい光を放つ。








以下、コンセプト文

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「 Wings of Sparkle ( 輝きの翼 ) 」

輝きの光に包まれ、クリスタルの夢の中へ。

スワロフスキーのクリスタルファセットをイメージし、LEDストロボをまるで結晶構造のように連結させたスパークルウォールは、強くエレガントな輝きを放つ、大きな曲線とダイナミックな光の空間を創り出します。

輝きの中に人が包まれる事で、まるでクリスタルの輝きの中に入るような”光そのもの”を体感し、表面のデザインではなく、スワロフスキーの『輝きの世界』とその美しさの追求を表現しています。

湖の白鳥が優雅に翼をひらくように、強く美しい煌めきを放つ「輝きの翼」。

<吉岡徳仁デザイン事務所プレスリリースより引用>
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2013年4月18日木曜日

TOTOギャラリー・間「中村好文展 小屋においでよ!」

TOTOが運営するTOTOギャラリー・間にて「中村好文展 小屋においでよ!」が4/17より開催中。題名の「小屋においでよ!」のとおり、小屋を訪ね、小屋を体験し、小屋から学ぶ展覧会になっている。
会場に用意されている中村氏直筆の“見どころ手帖”は小屋型のかわいらしいミニ冊子になり、わかりやすく会場の説明が書かれている。
3階 第1会場
中村氏があこがれ影響を受けてきた「古今東西の7つの小屋」を紹介。
まず会場を入ると1つ目の小屋「鴨長明の方丈」のパネルがある。
一見普通のパネルなのだが、実は遊びゴコロ満載の顔出しパネルの仕掛けが。この展覧会をリラックスしながら楽しんでほしいとの中村氏の思いがこめられている。
そのほか6つは小さな小屋が建てられており、その中で「ル・コルビュジエの休暇小屋」などそれぞれ図面や模型、写真などが展示。
例えば、こちらは当時中2だった中村氏も衝撃を受けたという堀江謙一のマーメイド号。
94日間の単独太平洋横断航海でどのような生活を送っていたのか、特に『太平洋ひとりぼっち』の“ヨットに何を持ち込んだもの”を気に入って繰り返し読んでいたとのこと。<br />去年、現物のヨットがサンフランシスコに保管されていることを知り、実際に船室に入ったときの写真が展示。
中庭
原寸大(3m×4m)のひとり暮らし用の小屋『Hanemu Hut』の展示。
この小屋を建てるにあたり、ギャラリー間の中庭ではじめて地鎮祭も行われた。(地鎮祭の様子は4Fの映像でみれる。)
『Hanemu Hut』は分解・組立が出来るようになっており、会期終了後は移設して使用される予定。
引き出しは開けてもOK(ただし、中のものに触れるのはNG)。すべて中村氏の私物。
家具や小物までも、この小屋のためにデザインされたもので、シャワースペースに設置された中村氏が作成したシャンプー・リンス台にも注目して欲しいとのこと。
4階 第2会場
会場中央のスチールパイプのフレームを蚊帳地で囲って作られた小屋の中には、『Hanemu Hut』の初期のスケッチから詳細図、青焼きの図面が展示。
壁面には今まで中村氏が手がけてきた「小屋」と「小屋的な建物」の写真とスケッチが展示されている。会場奥の映像コーナーでは『Hanemu Hut』ができるまでの映像が上映。
内覧会では中村氏自ら会場構成や見どころについてなどを話した。
関連の講演会は4/25に開催予定。事前申込制で申込はすでに締め切っているが当日はUSTREAMにても配信予定。展覧会は6/22(土)まで。

2013年4月15日月曜日

オイレスECO 東京ショールーム リニューアルオープン

外付ブラインド「サンシャディ」の販売をするオイレスECOの東京ショールーム(五反田)がリニューアルオープン。住宅に取り付けした「サンシャディ」の使用感を、リビングでくつろいでいるような雰囲気で体感することが出来るショールームとなった。
ショールームでは外付ブラインドを実際に自分で上下させてみたり、角度調節をすることで簡単に操作できることや開閉音の静かさを体感することもできる。

ルーバーの角度を調整することで、気候・時間帯により日差しを遮ったり、外気を取り入れたりと様々な対応が出来る。丈夫な素材を使用しているのて全閉状態にすればシャッターの役割を担う。
ショールームは事前に予約すると担当者より製品の説明、案内を受けられる。
≪営業時間≫ 9:00〜17:30
≪休 館 日≫ 土・日・祝日・夏期休暇・年末年始
東京都品川区西五反田7-21-1 第5TOCビル6階 オイレスECO 株式会社 東京支店
Tel 03-5435-5464(直) Fax 03-5435-5467

2013年4月13日土曜日

《茅ヶ崎シオン・キリスト教会/聖鳩幼稚園》見学会

手塚建築研究所の設計による《茅ヶ崎シオン・キリスト教会聖鳩幼稚園》を見学。教会礼拝堂と園舎の2つが楕円形の建物のひとつ屋根の下に。
構造は木造(構造:オーノJAPAN/大野博史)、施工は(株)佐藤秀
道路(一中通り)とは反対側の出入り口・階段上からの見下ろし。手塚作品で楕円形の幼稚園といえば、2007年の《ふじようちえん》を思い浮かべるが、今回はドーナツ状の園舎の中心に(緑の芝生ではなく)教会礼拝堂が在る。
保育室。床はパイン材無垢フローリング。天井仕上げは杉材。
園児用ロッカーと遊具入れのBOX家具は(株)E&Y/松澤剛氏がデザインを担当。
照明計画は、ぼんぼり光環境計画/角館政英氏が園舎と礼拝堂を共に担当。
園庭に面して、大判の木製建具がぐるりとめぐらされている。《ふじようちえん》で培ったというコーナーリングと納まり。
建具ガラスの各所には、年少、年中、年長の3学年あわせて5クラスを表わした花が描かれている。
クラスサインのデザインは、NHK-Eテレの教育番組「にほんごであそぼ」で衣装・セットデザインを手掛けているひびのこづえ氏。
手洗い・足洗い場。
内部見学が許された遊戯室付近の外観。
キャスター付き円卓の上には「おともだち」の名前が平仮名で描かれたピンクと青の紙。何の用途か確認し忘れ。

小さい園児用トイレのブースは各クラス内の5カ所に配置。これなら急にモヨオしてもすぐ駆け込めるから安心。
幼稚園エントランスの建具ガラスに描かれている樹。白と青の葉がよく見ると鳩のかたち。
階段で屋根の上へ。
屋根の面材はウリン材。
屋根に設けられたトップライト、室内からの見上げ。
茅ヶ崎シオン・キリスト教会facebookに拠れば、外壁に取り付けられた十字架はコールテン鋼に特殊な塗装をしたもので、背にした木材が経年変化と共に灰色になっていくのに対し、十字架の色は逆に深みを増していくとのこと。

当初は教会と幼稚園園舎を905平米の敷地内に別棟として建てる計画だったが、どうしても園庭が狭くなってしまう。そこで、教会を中心に据え、園庭は建物の外にめぐらせ、屋根の上でも走り回れるようにした。

手塚事務所が宗教建築を手掛けるのは、2007年の《高野山真言宗 歓成院 大倉山観音会館》以来二度め、キリスト教施設では今回が初。
教会礼拝堂に入って真正面、来場者を迎える十字架。信者でなくとも感じ入り、嘆息。
十字架の上のトップライトは、遮熱塗装を施した1枚ガラス。
壁の仕上げは幅20mmの杉材縦羽目貼り
ピアノの生演奏が聞こえ、音源を辿ると、なんと設計者の手塚貴晴氏。
トップライトからの自然光だけで十分に明るい礼拝堂内。
日が落ちて、天井から吊るされたレフランプを灯すと、上方の空間は暗く、下の方に光が溜まり、昼と夜とで全く異なる雰囲気になるとのこと。
教会礼拝堂入口付近の天井見上げ。夜間に十字架をシンボリックに照らす小型のLED照明が2箇所に付いている(画面上部やや左)。礼拝堂は横に長い楕円形だが、実は正楕円ではないとのこと。

見学者の質問に応える手塚氏。
この空間において、手塚氏が最もこだわったのは音響である。設計に際し、礼拝に立ち会った手塚氏は、説教をする側の牧師さんと、聞く信者達と距離がとても近く、フレンドリーだと感じたという。両者のこの親密な雰囲気、距離感を大事にすることを第一に考え、最大で120名もの人数が入れる礼拝堂で、牧師さんがマイクを使わなくとも生の声が聞き取れるようにした。
その為には、残響時間を短くしなければならない。そこで、FL(フロアライン)から1200より下は吸音率を高く、それより上は吸音率を低くした。その結果、時間差で音が落ちて来る、「普通の教会とも音楽ホールとも異なる音響空間」が誕生した。技術協力は(株)永田音響設計
FL+1000前後の境界部分。
幅20mmの材と材の隙間に吸音材が見えている。
楕円の端からの見上げ。厚み20・22・24・26mmと異なる4種の杉材、その数なんと2万本! これを1本1本、気の遠くなるような作業で貼っていったのは、たった一人の職人さん。手塚氏は「これまでで最高の職人さん」と絶賛。所要は約2か月。
仕上げの杉材について、グレードはやや劣るものの、値段は安い材を敢えて採用したのも大きな特徴。そのうち状態の良いものを選んではいるが、華美装飾を嫌い、質素倹約を旨とするプロテスタントの施設ならでは。「住宅など通常の設計では出来ないデザイン。お金はかけずに、だが教会として神聖な雰囲気は醸し出せていると思う」と手塚氏。
礼拝堂の前方、十字架の下には大理石の洗礼槽。
床は石英岩を切り出したもの(サントメクォーツ)で、色の違う幾つかを舗装。表面に凹凸があるように見えるが、歩いても靴先に突っ掛からない。「100角のピンコロだと大丈夫」と手塚氏。礼拝堂に並ぶ桐製ベンチを動かしても材を傷めない。また礼拝堂の出入口付近の木の床下には空調機があり、大理石の床下に暖気を流す。
ベンチは開発に2年を費やした労作。手塚氏が娘さんと折り紙をしながら思いついたという。桐の無垢材で、女性二人で持ち運べて、かつ安定感があり、マトリョーシカのように重ねられる。オープン前に試作品を置いて、座り心地を実際に確かめてもらったり、検討に検討を重ねた。
この4月で創立60周年を迎える「聖鳩幼稚園(みはとようちえん)」と共に、教会もまた1953年以来、地元に密着して活動してきた。2つが一緒になったこの建物が、周辺地域との結びつきをさらに深めるような役割を果たせればと、手塚氏は設計者として願っている。