2015年11月25日水曜日

青木茂建築工房 設計・監理「リファイニング完成見学会」

青木茂建築工房は、東京多摩市一ノ宮で同工房が設計・監理を行う診療所併用住宅から2世帯住宅へ用途変更及び増築・耐震補強を行うリファイニング計画の完成見学会を開催した。





この計画では、1階ピロティの室内化、2.3階バルコニーの新設、内装外装の一新、床段差解消・エレベータ新設によるバリアフリー化をし、現行法令へ適合させるための各種工事等を行った。
昭和44年に新築された建物と、その後昭和50年に増築された部分の構造を一体化するというのが今回の耐震補強計画での大きな特徴とのこと。


段差のないエントランス部

廊下には多くの手すり

 室内化された1階ピロティ

新設されたエレベーター

 もともと診療所スペースだった2階キッチン

行政対応としては、新築された当時は検査済証が存在せず、建設時以降に施行された昭和50年の第二種高度地区指定による高度斜線制限、昭和52年に日影規制について既存不適合となっていたので、平成26年7月に施行された「検査済証の無い建築物のガイドライン」に従い、建築基準法適合状況報告、12条5項報告、許可申請及び建築確認申請を行い、検査済証を取得したという。

青木茂氏(左)と坂本匡史氏(右)

また、青木茂建築工房 代表青木茂氏は11月、同氏が設計した「北九州市立戸畑図書館」が第56回BCS賞を受賞した。
同賞には他に、 「あべのハルカス」や「資生堂銀座ビル」など全14作品が受賞している。


2015年11月24日火曜日

昭和女子大学環境デザイン学科 杉浦研究室 2015年学園祭「秋桜祭」展示レポート

昭和女子大学の学園祭「秋桜祭」が、11月14日・15日の2日間にわたり開催された。環境デザイン学科の杉浦研究室では、「大地の芸術祭 ―越後妻有アートトリエンナーレ2015―」にて発表した「ヤマノウチ」の作品紹介展示と関連グッズの販売、また「ヤマノウチ」を秋バージョンに再構成した「秋。ヤマノウチ」の展示を行った。
 大地の芸術祭で発表された作品「ヤマノウチ」(画像はパンフレットより)
 「ヤマノウチ」の模型

2015年7月26日~9月13日まで開催された「大地の芸術祭 ―越後妻有アートトリエンナーレ2015―」にて杉浦研究室が制作した作品「ヤマノウチ」は、新潟十日町地域の祭の中心となる諏訪神社から500m程奥へ進んだ山の尾根へ展開された。
約5メートルの寒冷紗を木立から約200枚タープ状に吊ったこの作品は、木立・光・風・空といった現地の自然の空間性を最大限に顕在化させる仕掛けとなり、会期中2度「夕涼み物見遊山」として気鋭の音楽家等とコラボでコンサートを行い、多くの来訪者に食と音を含み五感で楽しむ場となった。
「秋。ヤマノウチ」
「秋。ヤマノウチ」の展示イメージ(画像はパンフレットより)
寒冷紗を2枚セットにしたものを連続して吊るし、隣り合う寒冷紗の中心点をとめてゆくと、
さやの連続のような空間が出来る。
寒冷紗は透過性が高く、角度の違いによって空間の濃淡を変化させる。
寒冷紗を通して柔らかく拡散する光にあたたかさが感じられる。

今回の秋桜祭では、夏の展示よりも目の細かい寒冷紗を使用して「ヤマノウチ」の霞のような空間性を再現しながら、冬に向かってあたたかくこもるイメージも表現した「秋。ヤマノウチ」を展開 。秋桜祭中は同会場で魚沼産こしひかりの米麹甘酒や雪下人参ジュース等の販売も行われ、休憩スペースとしてたくさんの来場者が訪れた。
会場では、大地の芸術祭の制作準備の様子や、期間中の現地の様子が写真と映像によって展示された。
写真の中に写っている映像は、大地の芸術祭中に行われた「長尾晃司氏+清野美土氏」による演奏会の様子。
映像は他にグループ「表現 (Hyogen)」がヤマノウチで撮影したPV(プロモーションビデオ)と、
地域の方によるスライド写真も。
会場となった「80年館」のエントランスの様子。のれんのように取り付けられているのは寒冷紗。
エントランスで使用された寒冷紗は大地の芸術祭で使用されたものと同じ目の大きいもので、
風が吹くたび軽やかになびく。
「秋。ヤマノウチ」の文字も。

2015年11月11日水曜日

GOOD DESIGN Marunouchi オープン

グッドデザイン賞を主催する日本デザイン振興会は、日本を代表するビジネス拠点の一つ、東京・丸の内に新しく GOOD DESIGN Marunouchi  をオープンした。
これまでグッドデザイン賞については、ミッドタウン・デザインハブを中心に行っていたが、新たに丸の内に GOOD DESIGN Marunouchi を開設し、丸の内に集まるビジネスマンや観光客に向け、日本のデザインをPRしていく。
オープニング企画として「近未来のてざわり」展を開催。最新の2015年グッドデザイン賞をはじめとする近年のグッドデザイン賞受賞作約40点を展示。
オープニングに際しグッドデザイン賞審査委員長永井一史氏、グッドデザイン賞審査副委員長柴田文江氏、GOOD DESIGN Marunouchiディレクターである、空間デザインを行った内藤廣氏、アートディレクションを行った廣村正彰氏、藤崎圭一郎氏のトークショーが開催された。

GOOD DESIGN Marunouchi 施設概要
施設名:GOOD DESIGN Marunouchi(和文表記/グッドデザイン丸の内)
所在地:東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F
電話番号:03-6273-4414
営業時間:11:00-20:00
定休日:年中無休(年末年始を除く)
入場料:無料
http://www.g-mark.org/gdm/

空間デザイン:内藤廣建築設計事務所
アートディレクション:廣村デザイン事務所


「近未来のてざわり」展は11月29日まで(会期中無休・入場無料)

2015年11月9日月曜日

手塚建築研究所「千駄木の家(仮)」オープンハウス

千駄木に竣工した手塚建築研究所「千駄木の家(仮)」オープンハウスへ。
敷地にはもともと施主の住宅があり、今回は建替えということで手塚事務所に設計の話があった。住宅が立ち並ぶ角地の敷地で、南北の壁面は斜めにふり開口部をとり、プライバシーを保った。道路に面している東側は駐車スペースとしてセットバック、またそのことにより高さ制限が緩和され、地上3F+屋上のスペースを設けることができた。施主からは、シンプルな建築にしたいという要望があり、内装の壁面は白のペンキ塗り、照明は主にはだか電球をしている。家族構成は、両親と子供の3人家族で将来、親世帯も同居することを考えて設計をしている。
玄関を入った正面には、以前の住宅の大黒柱を残した。
1Fは、真ん中の螺旋階段と水廻りのスペースを挟むように居室が2部屋。
階段をあがって2Fにいくとワンフロアの広々としたリビングダイニング。
3Fには子供部屋と両親の部屋の2部屋。
屋上からの景色。
オープンハウス当日には、300人もの見学者が訪れた。

2015年11月6日金曜日

世田谷の多世帯住宅

アラキアーキテクツのデビュー作「世田谷の多世帯住宅」内覧会に伺う。

この住宅の施主は、家族ではあるが世代ごとに考え方や価値観が異なるので、各家族のプライベートを確保しつつ、他の家族との交流も持てるものを希望。
施主と打ち合わせで、敷地の形から南向きのオーソドックスな家を設計すればよかったが、各部屋を少しずつずらし、太陽光が家全体にいきわたる様に設計する事にした。

一階は施主の両親と祖母と叔母の住宅。
玄関は一緒だが、互いのスペースには立ち入る事なく生活が出来る。

二階は施主の住宅と家族の集まるリビング。

写真提供:一級建築士事務所アラキアーキテクツ(上3枚)

リビングにあるテレビ設置スペース。
後ろは収納スペース。
内覧会時、テレビ設置スペースと気づかず、ここに座り歓談する光景が見られた。
実際、窓に囲まれ気持ちの良いスペースになっている。

施主の要望で収納スペースが多い。
二階洗面スペース上にあるロフト。
リビングのカウンター下にも本棚用のレールがある。

アトリエの上がベランダになっている。
住宅とアトリエに間にバッファーゾーンを設け、一階の部屋に外光を導き、二階リビングからの隣家との目隠しの距離感を調整している。