2024年1月31日水曜日

紀伊國屋ビルディングが「日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞」を受賞

 株式会社紀伊國屋書店が所有する紀伊國屋ビルディングが、一般社団法人日本建築防災協会が主催する令和5年度耐震改修優秀建築・貢献者表彰で「日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞」を受賞した。

紀伊國屋ビルディングは建築家・前川國男による設計で1964年に竣工。書店、劇場、画廊などを擁する複合商業ビル。2017年の「東京都選定歴史的建造物」選定を機に、耐震改修工事を行い、2023年1月に新たな姿に生まれ変わった。

「耐震改修優秀建築・貢献者表彰」は、耐震改修を実施した既存建築物のうち、特に耐震性、防災・安全性、意匠等に優れた建築物及び関係者と、建築物の耐震改修の促進及び耐震改修技術の発展等に顕著な貢献を行った者を表彰し、広く公表することにより、日本の既存建築物の耐震改修の促進に寄与し、健全な建築ストックの形成に貢献することを目的としている。

2024年1月19日金曜日

隈研吾氏デザイン監修「カフェ 和國商店」オープン

 建物の外装工事や板金の折鶴、壁掛けオブジェの製作販売事業を展開する株式会社ウチノ板金は、2024年1月19日に神社の屋根で使用されていた緑青銅板を再利用した「カフェ 和國商店」を東村山市の青葉商店街にオープンした。

東村山市長 渡部尚氏 、ウチノ板金 内野友和氏、ウチノ板金 内野佳織氏、隈研吾氏(写真左から)

オープンに先駆け1月18日に記者発表内覧会が開催された。記者会見で隈研吾氏は「これから地域再生をどのように行っていくか。昔の地域再生はゼロから大きな開発を立ち上げた。今は時代が変わり、今あるものをどういうふうに使って地域再生を行うか。昔のものを大事に使うことは、その場所や物の長い時間を共有することが出来る。それは付加価値のつけ方としても賢いやり方だし、時間が繋がり懐かしい感じもする。これからの地域再生の新しい仕方だと思うし、新しい経済のやり方だと思う。そのような試みが東村山で出来た。建築の果たす役割は建築物を作るだけでなく、インテリア等、人間の体験を作り出す力があるので、広い意味でのコーディネションの建築が可能性があると思っている」と述べた。

和國商店の内外装は、隈研吾氏のデザインとウチノ板金の建築板金の技術を組み合わせて制作された。店舗を特徴付ける緑青銅板は、約60~100年前から広島県廿日市市の速谷神社の屋根で使用されていたものを再利用。約700枚の変則的な立体五角形ユニットは一枚一枚職人による手加工で制作され、取付は板金の伝統的技法「ハゼ葺き」で行った。五角形ユニット以外の平面部は、金属外装材メーカーのタニタハウジングウエア株式会社が開発した高速緑青生成技術を駆使した人工緑青銅板も使用している。

カフェ和國商店が一つの板金作品として楽しめる。店内にはウチノ板金の工芸品ブランド「和國商店」の作品の板金で制作された折鶴や壁掛けオブジェが展示されている。
隈研吾氏とウチノ板金を引き合わせた板金作品の折鶴。

店内の壁は、板金職人が手加工した真鍮の作品を際立たせるように黒漆喰で表現。キッチン、ランプシェード、シンク、巾木等の細部の板金は真鍮板で彩られている。板金仕様のカウンターは真鍮表面にバイブレーション加工がされ落ち着いた雰囲気になっている。

螺旋状のランプシェードは一枚の真鍮板から板金職人が作り上げた。隈研吾氏デザイン。(発売予定・時期未定)
店外にはウチノ板金代表取締役である内野氏が個人的に購入していた旧国立競技場で使用されていた観客席を隈研吾氏がデザインし再利用されている。

カフェ和國商店(Googleマップ)
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展覧会「能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築」開催


乃木坂にあるTOTOギャラリー・間では、建築設計や論考執筆に加え、国内外の大学を拠点に、建築・都市・生態系のリサーチを続ける能作文徳氏と常山未央氏の展覧会「都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築」が、2024年1月18日(木)から3月24日(日)まで開催している。 

 


能作、常山両氏は、建築設計や論考執筆に加え、国内外の大学を拠点に、建築と都市と生態系の関係性リサーチを続けてきた。自宅兼事務所の「西大井のあな」では、鉄骨造の中古住宅に光と熱が循環する孔を開け、コンクリートで覆われた外構を自分達の手ではつり、土中改善を行うなど、エコロジカルな視点で改修している。 



「西大井のあな」 は、他で得た学びを実験し、次のプロジェクトへと展開させる実践の場となり、こうした都市の中に野生を取り戻す取り組みに加え、近年では石場建てや木組などの伝統知、藁や土壁といった土に還る素材を積極的に設計に取り入れている。 

 


彼らは都市を、「人間の手が入った多様な生物が暮らす居住域」だと捉えている。課題を抱える現代の都市の一部を分解し、その養分を吸収し、菌(きのこ)のように成長する。そんな腐敗と再生の網目の結節点として建築を捉え、野生や伝統知を手に、網目に切り込みを入れつなぎ直すことにより、複数種のネットワークを構築しようとしている。 

 


本展は、「西大井のあな」のさらなる改修案や、最新作「秋谷の木組(秋谷スマートハウスE 棟)」をはじめとするプロジェクトの断面図や模型などを通じて、網目をつなぎ直すために誰もが真似できる小さな試行錯誤を共有する試みである。その先に、人新世と呼ばれる時代における建築の可能性やビジョンを感じるだろう。 

 


能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築

会期:2024年1月18日(木)~3月24日(日) 

開館時間:11:00~18:00 

休館日:月曜・祝日、ただし、2月11日(日・祝)は開館 

※TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)にて最新情報をご確認ください 

入場料:無料 

会場:TOTOギャラリー・間 

   (〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F) 

   東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分 

   TEL 03-3402-1010 

   https://jp.toto.com/gallerma/about/map.htm 

主催:TOTOギャラリー・間 

企画: TOTOギャラリー・間運営委員会 

   (特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根 剛) 

後援:(一社)東京建築士会/(一社)東京都建築士事務所協会(公社)日本建築家協会関東甲信越支部/(一社)日本建築学会関東支部 

2024年1月18日木曜日

新豊洲Brilliaランニングスタジアムの解体・移設作業開始

 新豊洲Brilliaランニングスタジアムの解体・移設作業が2024年1月に開始される。

新豊洲Brilliaランニングスタジアムは、スポーツやアートを楽しむコミュニティ空間として、またパラリンピアンを目指す障がい者スポーツのトレーニング施設として、2016年12月10日にオープン。新素材として注目されていた高機能フッ素樹脂膜材「ETFEフィルム」を日本ではじめて大規模に採用し、ユニット化した国産カラマツ集成材でアーチ形状を構成している。

2017年のグッドデザイン賞、また、解体(移築)にも配慮されたジョイントディテールの美しい仕上がりや、EFTEフィルム膜が一般化に向け告示化された点などが評価され、2019年の「建築学会賞(作品)」(一般社団法人日本建築学会)を受賞した。

今回の解体・移設作業は、「有明アーバンスポーツパーク整備運営事業」の一環として進められ、東京2020大会のレガシー継承、スポーツウェルネスの拠点を目指している。

新豊洲 Brillia ランニングスタジアム竣工見学会(野良犬ブログ2016年)

2024年1月15日月曜日

エヌ・シー・エヌとMUJI HOUSEが 大規模木造店舗の構造現場見学会を開催

株式会社エヌ・シー・エヌは、独自に開発した建築システム「SE構法」による大規模木造店舗の構造見学会を、関連会社である株式会社MUJI HOUSEと共催で2024年1月26日(金)に開催する。

構造見学会を開催するのは「SE構法」による木造ラーメン構法により実現した佐賀県初となる約2,500平方メートル・平屋建ての大規模木造店舗で、設計・施工をMUJI HOUSE、構造設計をエヌ・シー・エヌが行なっている。
エヌ・シー・エヌでは、木造の強固な構造躯体を見学できるのは貴重な機会だとして、中大規模木造建築を検討されている設計者、施工者の見学会参加者を募集中。申し込みは1月22日(月)締切、事前予約制。

店舗イメージ(実際の物件とは異なります)

店舗イメージパース(実際の物件とは異なります)



■見学会概要
タイトル:大規模木造店舗 構造現場見学会 in唐津
開催日 :2024年1月26日(金)
開催時間:15:15~16:30
主 催 :株式会社エヌ・シー・エヌ
共 催 :株式会社MUJI HOUSE、株式会社木構造デザイン
開催形式:現地構造見学会
集合場所:佐賀県唐津市町田 ※お申込後に詳細を連絡(終了後は現地解散)
定 員 :30名
参加費 :無料(予約制)
プログラム:物件概要解説/現場自由見学
申し込み:事前予約制  https://www.ncn-se.co.jp/large/event/sagaevent2
申込期限:2024年1月22日(月)

SE構法による大規模木造建築事例(高齢者施設)

SE構法による大規模木造建築事例(店舗)


                                                                  お問い合わせ
株式会社エヌ・シー・エヌ 
企画推進室:安藤・石渡 TEL:03-6897-6311 mail : press@ncn-se.co.jp


 

2024年1月12日金曜日

「踏み出すデザインのちから グッドデザイン賞 2023ファイナリスト展」開催中

 2023年度グッドデザイン大賞候補作品を紹介する企画展「踏み出すデザインのちから グッドデザイン賞 2023ファイナリスト展」がGOOD DESIGN Marunouchiにて開催されている。

分野も規模も違う大賞候補となった5作品からは「人や環境ともののより良い関わりを探求する」「皆が参加してともにつくり上げていく」「人々が豊かに生きていける舞台となる」という共通したデザインに対しての意志を感じられる。

2012年から2022年までのグッドデザイン賞ファイナリストも併せて展示されている。グッドデザイン大賞が時代と共に変化していく様を見ることが出来る。

1月30日(火)まで