2021年6月15日火曜日

TIME&STYLE、中村拓志氏デザインのTakenoko chair発表「My smallest architecture」

表参道にあるTime & Style Atmosphereにて、中村拓志氏(NAP建築設計事務所)デザインの「Takenoko chair」のエキシビションが6/11~25の期間で開催中。
「Takenoko chair」は、約2年半前の期間で改良を重ね、発表に至ったプロダクト。
日本人特有の美学や精神性を大切にしてきたタイムアンドスタイルのものづくりに共感し、中村氏よりダイニングチェアとラウンジチェアの製作を依頼。
中村氏は、これまで建築を手がけてきた中で椅子の制作に一部携わることもあったが、製品として一からデザインするのははじめて。(11日は中村拓志氏のよるプレゼンテーションも行われた。)
“タケノコ”は、床の間の床柱に天然の皮付き丸太を用いた時に、畳の上に被ってしまう部分を斜めに削って、畳を入れやすくする加工のことで、その面が筍の子の断面に似ていることからついた呼称。
最初に構想した、椿の皮付き丸太で制作された椅子
掃除がしやすいようにテーブルに掛けられるようにしたのもこだわりのひとつ。
価格は、アームチェア(ブナ)¥99,000(税込)~。
展示会は、予約不要で誰でも自由にはいることができる。
「Takenoko chair」のほか、地下1階から地上3階の全4フロアで4月に発表された新製品の展示もしている。

以下、資料より
丸太柱の根本を斜めに面とりした部分を、茶人たちは古くから「タケノコ」と呼んできました。これは床を貫くものとして忌み嫌われる家屋内の筍の子を、 あばら屋の風情として愛するような、侘び寂びの感性の現れです。私が建築に丸太を用いるのも、素材の美しさはもとより、自然に合わせて暮らす日本人の自然主義的美学が空間に立ち上がるからです。そのような慎ましい場に相応しい椅子を作ることが私の願いでした。
タイムアンドスタイルは、丸太の製材・乾燥から行い、木と丁寧に向き合うものづくりの中で、日本人特有の美学や精神性を大切にしてきたブランドです。私はその姿勢に共感し、ダイニングチェアとラウンジチェアの製作を依頼しました。
最初に構想したのは、椿の皮付き丸太を日本の木造軸組建築のように水平垂直に構成した、小さな空間性を持つ椅子です。座り心地や使い勝手を追求し、正面に回りこむときにつま先があたる後脚や、座ったときに踵が当たりやすい前脚を斜めにカットすると、「タケノコ」が現れました。また、アームをテーブルに掛けて椅子を浮かせることで、テーブル下の掃除がしやすいことにも拘りました。禅寺の修行の一つに掃除があるように、場を美しく清めることは、私たちがどう生きるかという哲学的で宗教的な実践なのです。 このプロダクトはそのコンセプトモデルを元に、沢山の方が求めやすいように、製材された無垢の丸棒を使って制作されたものです。
「場を掃き清め、自然に合わせて暮らすこと。」そのような慎ましい生活のための椅子が誕生しました。(中村拓志)

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