三鷹市で暮らし執筆を行っていた作家・吉村昭。自宅敷地内の仕事場であった書斎を三鷹市が譲り受け、吉村氏の業績をたたえるとともに、地域の人々に開かれた「三鷹市吉村昭書斎」として、京王井の頭線を挟んで井の頭公園を望むことのできる場所に移築・整備した。
「三鷹市吉村昭書斎」はSALHAUSによる設計。東京都内では初めての公共施設とのこと。
左から安原氏、日野氏、栃澤氏
設計に際して、それまでの母屋と書斎や、吉村氏と妻で作家の津村氏の関係を表現できるようにした。植栽はお二人の作品に出てくる植栽を中心に庭を構成。小さな建物を移築するが、公共的な立ち方をするような佇まいにしたく、また、書斎が主役なのでなるべく目立たない様、色々とスタディを行ったとのこと。
書斎は移築前と移築後の方位がさほど変化なく、光の具合など移築前の状況を再現できている。
展示交流棟は敷地面積が狭く、建物を大きく変形させることになったが、小さくても中に入るとボリュームのある空間になっている。展示交流棟には吉村作品と津村作品が展示され、手にとって読むことも出来る。
展示交流棟には、作品展示のほか、学芸員事務室や収蔵庫等が備えられている。
天井から吊り下げられた照明。揺れ防止に器具中央に重りが付いている。
展示交流棟の特徴的な曲面ガラス越しに書斎を見る。
この曲面ガラスは国内で2社(東日本で1社、西日本で1社)しか生産出来ないもの。
展示交流棟からは展示作品として書斎と庭を眺め、展示交流棟と書斎を繋ぐ屋外通路では吉村氏の生涯を振り返り、濃密な書斎へと続いている。
生前吉村昭氏が作家活動を行っていた書斎を再現。
和室。三鷹市吉村昭書斎
住所:東京都三鷹市井の頭3-3-17
TEL:0422-26-7500
開館時間:10:00-17:30 ※月曜日が休日の場合は開館、翌日と翌々日は休館。
休刊日:月曜日、年末年始[12/29ー1/4]
入館料:展示交流棟 無料、書斎棟 100円、年間パスポート 300円
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