2017年5月19日金曜日

長谷萬カスタムホームズ「木育の家」見学会

東京都新宿区で長谷萬カスタムホームズによる「木育の家」の見学会が開催された。 長谷萬(東京都、長谷川健治社長)は、以前より“木育活動”の推進に力を注いでいる。同社の具体的な活動については同社HP(http://www.haseman.co.jp/c_mokuiku/pushing.html)を参照のこと。

今回見学した「木育の家」はCLTと木造軸組工法をハイブリッド化したもので、16年度のCLTを活用した建築物の実証事業の補助を受けて建設された。
本物件の特徴としては、長谷萬のこだわりで、できる限りムク、無塗装で国産材をいたるところに使用している点だ。特にキッチン、ダイニングの床には、群馬県上野村産の栗材を使用している。

また「およそ1世紀にわたって長谷萬グループが蓄積してきた 『木のノウハウや最新技術』を結集して造りあげました。」とのこと。

1階階段部
可能な限り木を使用した階段部

室内は窓枠にいたるまで、木を使用している
・ぬくもり杉床
床全面に厚さ3cmもある国産杉のムク材フローリング「ぬくもり床」を用いている
さらに木の効果を十分に享受できるよう無塗装にこだわっている
・ブレットシュタッペル
ブレットシュタッペルという技術を使用した棚

ブレットシュタッペルは、手工業的な手法により釘やダボで木の板を積層した構造用面材
・室内CLT
CLTの壁が、独特の雰囲気と空間の面白みを生み出している
CLTを空調設備として利用した世界初の取り組み
空調機から取り込まれた空気が珪藻石フィルターと
CLT内気質ダクトを通り清浄され、調湿もされる仕組み


・ダイニング

群馬県上野村産の栗材を使用した床
・木育広場
工場からのリサイクル材を活用し、釘を使わずに制作された遊具と家具
木でできていることにより部屋全体の印象も温もりを感じる


こちらもブレットシュタッペルという技術を用いて制作されている















・ぬくもり塗壁
木以外の部分の壁、天井には自然素材「ぬくもり塗壁」を使用
・「ぬくもり塗壁」とは、長谷萬カスタムホームズが推奨する100%天然素材で作られた塗壁材。  湿気の調整機能がある珪藻土・建物の耐久性を高める漆喰・臭いや有害物質を吸収分解する天然沸石・火山灰を加工した断熱ビーズの4つの自然素材からできている。

・木質ファサード
外壁の木材には、液体ガラス塗料を使用
自然素材である木の良さ活かしながら耐久性、防水性、防火性の向上を実現

『木育の家』では多くの良質な国産木材を構造に使用。全体で97㎡近くの木材使用量の約71%にあたる69㎡もの国産木材を使用。
木質化、木造化が求められている現代の建築。その1つのカタチとして長谷萬のおこなう取り組みに、今後も注目していきたい。


最後に現在、同社と木育活動を一緒に展開している東京おもちゃ美術館の「森のおもちゃ美術館」が新宿御苑で開催中。
青空の下、新宿御苑の自然を活かして、
子どもたちが芝生の上で「見て、触れて、つくって」という親子向けのイベントで、同社も「木と自然素材の塗壁体験」で出展中。
詳しい情報は以下を参照のこと。
HP
ご案内:http://goodtoy.org/ttm/lohasmori/info.html
場所:新宿御苑
期間:519日(金)~521日(日)
時間:9時~16

【『木育の家』の木材使用数量】

部材名
木材使用量
国産材使用量
使用部位
1
軸組構造材(基準4)
30
8
土台()、柱()、梁(RW集成材、米松KD)
2
CLT
27
27
(150mm)25.5㎥、階段踏板(90mm)1.5
3
羽柄材
14
10
間柱(KD)、野縁(赤松KD)
4
合板
21
19
(24mm)、野地(24mm)、通気野地(12mm)、壁(12mm)
5
内装フローリング
5
5
(30mm)4.7㎥、クリ(15mm)0.3

合計
97
69
国産材使用率71%

・建物概要

工事名: 加賀町 木育の家新築工事
建築場所: 東京都新宿区
建築敷地: 269.73
建造物: 木造3階建て 一戸建て住宅1
施工者: ()長谷萬カスタムホームズ事業本部
木材: ()長谷川萬治商店

0 件のコメント: