2025年4月30日水曜日

【立川ブラインド工業】暮らしを彩る調光タテ型ブラインド「エアレ」がリニューアル

 立川ブラインド工業株式会社は、人気の調光タテ型ブラインド「エアレ」をリニューアルし、新たに電動タイプの「ホームタコス エアレ」を2025年5月1日より発売する。

「エアレ」は、カーテンのような美しいフォルムと、タテ型ブラインドならではの調光機能を兼ね備えた製品で、発売以来高い人気を集めている。今回のリニューアルでは、より快適な暮らしをサポートするため、電動仕様に対応。コンセント仕様とバッテリー仕様が選べ、専用アプリ「HomeLink」を使えば、スマートフォンからの遠隔操作も可能。

さらに、大型窓に対応する「レールジョイント仕様」の導入により、搬入や設置のしやすさが向上し、最大幅6mまでの窓に対応。また、カーテンボックスの奥行きが150mmまで対応可能になるなど、設置環境の自由度も広がった。

加えて、部品色には新たにマットホワイトやライトグレー、木目調の「ウォームシリーズ」などをラインナップ。インテリアにより自然に溶け込むデザインとなり、モダンから北欧テイストまで幅広いスタイルに対応する。

<調光タテ型ブラインド 「エアレ」  部品色ラインナップ>

https://www.blind.co.jp/products/pickup/details/190

2025年4月28日月曜日

【KANADEMONO】THE STORAGE SHELFに、2段・4段のシリーズを追加

ルームクリップ株式会社KANADEMONOカンパニーは、高い収納力とミニマルなデザインが魅力のTHE STORAGE SHELFに2段・4段のシリーズを追加した。無料サイズオーダーに対応し、幅、奥行のサイズオーダーを1㎝単位で可能なため、自由度の高いレイアウトを楽しむことができる。天板はECOLOGYシリーズ、STANDARDシリーズから、脚部はブラック、ホワイト、ステンレスから選択可能。※PREMIUMシリーズ、EXTRAシリーズは2025年4月発売予定
<天板の種類>
ECOLOGYシリーズ
ラバーウッド 4色、パイン
STANDARDシリーズ
ホワイトオーク、ウォルナット、くるみ
PREMIUMシリーズ
無垢ホワイトアッシュ、無垢ホワイトオーク、無垢レッドオーク、無垢ウォルナット、無垢ブラックチェリー
EXTRAシリーズ
リノリウム 24色×木口2種類

<脚の種類>
・ブラックスチール
・ホワイトスチール
・ステンレス
組み合わせ例:ラバーウッド ナチュラル、ウォルナット


 
THE STORAGE SHELFコレクション 
KANADEMONO

2025年4月25日金曜日

【トゥーヴァージンズ】安藤瑠美 著『TOKYO NUDE 100』を発刊

 株式会社トゥーヴァージンズが、安藤瑠美 著『TOKYO NUDE 100』を発売する。 安藤瑠美は「虚構の東京を写真で作る」というコンセプトのもと、レタッチ技術を使って看板やビルの室外機、窓、電柱などの“ノイズ”を消し、街を裸の状態へと仕上げる「TOKYO NUDE(トーキョー・ヌード)」シリーズで知られる、フォトグラファー・レタッチャー。
その不思議な街の風景写真が話題を呼び、2024年の芥川龍之介賞受賞作品『東京都同情塔』(新潮社)の装幀や、文芸誌『群像』『みすず』の表紙にも作品が採用されるなど、活躍の場を広げている。本書は安藤瑠美にとって、商業出版初の作品集。

『TOKYO NUDE 100』
著者:安藤瑠美
定価:4,950円(本体4,500円+税)
仕様:B5変形/スケルトン装/208頁/オールカラー
ISBN:978-4-86791-040-5
発売日:2025年4月25日(金)


■内容
「TOKYO NUDE」シリーズの作品を100点収録。
『東京都同情塔』著者の九段理江、建築家の塚本由晴との対談や、メイキングも盛り込んだB5変形・スケルトン装のオールカラー208頁。
デザイナー:川名 潤

■プロフィール
安藤瑠美(あんどう・るみ)
岡山県出身のフォトグラファー、レタッチャー。
東京藝術大学先端芸術表現科を卒業後、アマナグループ株式会社アン入社、その後独立。
主に写真メディアを用いて作品を制作。画像処理などを取り入れつつ、現実と虚構が入り混じった都市風景をつくり出している。

                            
株式会社トゥーヴァージンズ

2025年4月24日木曜日

世界初のヴィジュアル図鑑『世界のイスラム建築美術 大図鑑』発刊

 株式会社河出書房新社は、イスラム建築の美と歴史を網羅した世界初のヴィジュアル図鑑『世界のイスラム建築美術 大図鑑』を、2025年3月26日に刊行した。本書は、イスラム建築の専門家エリック・ブラウグ氏によるもので、訳はアラブ文学・アラビア語教育を専門とする鷲見朗子氏が担当。

この図鑑では、紀元7世紀から2010年代までに建てられたイスラム建築約300件を、豊富な写真と共に紹介。世界各地のモスクやミナレット、マドラサをはじめ、イスラムの影響を受けた他宗教の礼拝堂や公共施設なども掲載されている。建築の細部から全体像まで、美しさと視覚的なユニークさに着目しながら解説されており、イスラム建築の奥深さに触れることができる。

構成は時代順・地域別に分かれており、読者はイスラム建築の様式がどのように展開・変遷してきたかを体系的に学ぶことが可能。また、巻末には索引、用語解説、イスラム王朝一覧に加え、「イスラム建築における女性」や「ワクフ(慈善寄付制度)」といったコラムも収録され、学術的資料としても価値ある一冊となっている。

書名:世界のイスラム建築美術 大図鑑
著者: エリック・ブラウグ
訳者:鷲見朗子
仕様:B4変形判/上製/336ページ
発売日:2025年3月26日
税込定価:8,910円(本体8,100円)
ISBN:978-4-309-22938-6
装丁:岩瀬聡
書誌URL:
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309229386/

2025年4月23日水曜日

伊東豊雄氏の新著「誰のために 何のために 建築をつくるのか」発刊

平凡社より伊東豊雄氏の新著「誰のために 何のために 建築をつくるのか」が4/17に発刊。自然と共存する現代建築とは? 人にやさしい現代建築とは? 世界的建築家が自らの作品を振り返りながら自由に思索する。図版多数。

出版社:平凡社
著者:伊東豊雄
出版年月:2025/04
ISBN:9784582544817
判型・ページ数:B6・176ページ

【エービーシー商会】 内装用不燃化粧板「リノライト ウォール」に木目調の新色を追加

 株式会社エービーシー商会は、内装用不燃化粧板「リノライト ウォール」に木目調の新色3色を追加した。

新色は「ナチュラルウッド」「アンティークブラウン」「アンティークダーク」で、自然な深みのある空間を作り出す。これらは木目調デザインをリアルに再現し、温かみのある空間を提供する。また、近年流行している「ジャパンディスタイル」にぴったりなアイテムとして、木目調の「リノライト ウォール」とセラミックタイルの組み合わせが提案されている。この製品は厚さ3mmと薄く、重量も軽いため既設の壁にそのまま重ね張りができる。また、不燃認定を受けており、内装制限を気にせず壁全体に使用できる。

取得資格:国土交通大臣防火認定 不燃認定番号 NM-4238

サイズ:900×2,400×T3mm

材料設計価格:14,600円/平方メートル

https://www.abc-t.co.jp/news/2024/article/20250331002622.html

2025年4月22日火曜日

【LIXIL】 INAXライブミュージアムに「トイレの文化館」4月17日オープン

株式会社LIXILが運営する「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)は、日本のトイレ文化を発信する展示館「トイレの文化館」を2025年4月17日(木)から一般公開した。 

「トイレの文化館」は、LIXILの水まわり・タイル100周年を記念し、INAXライブミュージアムの7つ目の館として開設。木製便器の時代から、華やかに装飾された陶磁器製便器、水洗化を経て和魂洋才の技術的な発展を遂げ、空間としても充実した現代のトイレに至る日本のトイレの歩みを、約50点の実物と豊富な資料でたどる。

展示室には、江戸時代の絵図面をもとに復元した木製の樋箱(ひばこ)、白地に青で美しい絵付けを施した染付古便器、世界に先駆けて発明された19世紀イギリスの水洗トイレなどの貴重なコレクションに加え、国産初の温水洗浄機能付き便器(シャワートイレ)など、日本のトイレ史を飾るエポックメーキングなトイレの数々を展示している。 

■「トイレの文化館」 施設概要

施設地:愛知県常滑市奥栄町1-130 (INAXライブミュージアム内)

敷地面積:約732平方メートル 、建築面積:約260平方メートル 、1階ピロティ約90平方メートル 、2階展示室 約180 平方メートル

設計:南の島工房一級建築士事務所(共同 森川設計) 施工:小原建設株式会社

内装・展示:株式会社丹青社

建築物:鉄筋コンクリート造/木造 2階建屋内展示館

ホームページ:https://livingculture.lixil.com/ilm/facility/toilet/

 ■INAXライブミュージアム概要

所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130 TEL:0569-34-8282

休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始

新共通入館料:一般:1000円、学生 800円 、中高生:500円、小学生:250円

ホームページ:https://livingculture.lixil.com/ilm/

Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture

Instagram:https://www.instagram.com/lixil_inaxmuseums/

メタバースで再現!国登録有形文化財「鴻池組旧本店」をアプリで体感可能に。

 株式会社鴻池組は、国登録有形文化財である旧本店や、鴻池組企業ミュージアム「ヒストリーラボ」の展示内容をメタバース上に再現し、iOSおよびAndroid向けの専用アプリを通じて一般公開を開始した。本プロジェクトは、歴史的建築物や企業の歩みをデジタルアーカイブ化し、広く一般の人々に公開・体験してもらうことを目的としている。

メタバース空間には、洋館2階の応接室を含む旧本店や、ヒストリーラボ内の再現展示が含まれ、案内役として、社員がデザインしたキャラクター「こうちゃん」も登場する。これにより、物理的な制約を超えて文化や歴史に触れられる新たな場が創出され、教育・文化継承・イノベーション推進など、様々な社会的意義を持つプロジェクトとなっている。

鴻池組メタバースナビゲーター「こうちゃん」

今後は、旧本店の和館の再現や、BIM/CIMデータを用いた社内活用、さらにはヘッドマウントディスプレイ対応によるさらなる没入体験の提供も計画されている。

●iOS版:https://apps.apple.com/us/app/konoike-metaverse/id6741889991

●Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.konoike.metaverse&pcampaignid=web_share

2025年4月21日月曜日

5/8刊行『永山祐子作品集 建築から物語を紡ぐ』

建築家・永山祐子氏の初の作品集となる『永山祐子作品集 建築から物語を紡ぐ』(グラフィック社刊)が5/8に刊行する。
2025年大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン「ノモの国」、ウーマンズパビリオンをはじめ、LOUIS VUITTON 大丸京都店、豊島横尾館などの初期作、近作のドバイ万博日本館、東急歌舞伎町タワー、松坂屋名古屋店、現在進行中のTOKYO TORCH Torch Towerまで45作品を収録。作品ページを加え、プロジェクトの発想の源、設計プロセスにおけるエピソードを記している。巻末には寄稿として、五十嵐太郎氏(建築史家・建築評論家)による「現象をもたらすかたち」を収録。ブックデザインは、脇田あすか氏・山口日和氏。

Amazonでは購入予約を受付中。
また作品集の発売を記念して、2025年5月16日(金)、大阪市・中之島公会堂(大集会場ホール)にて、グラフィック社主催の特別講演会(要申込)が開催される。

書籍情報 『永山祐子作品集 建築から物語を紡ぐ』 
・出版社 : グラフィック社 (2025/5/8) 
・発売日 : 2025/5/8 ・単行本(ソフトカバー) : 224 ページ 
・ISBN-10 : 4766140516 ・ISBN-13 : 978-4766140514 
・寸法 : 1.55 x 18.2 x 25.7 cm

2025年 日本建築学会賞(作品) 発表

 一般社団法人日本建築学会より、日本建築大賞、日本建築学会賞(作品・技術・論文・業績)ならびに、日本建築学会作品選奨が発表された。
日本建築学会賞(作品)は、主として国内に竣工した建築の設計(庭園・インテリア,その他を含む)であって、技術・芸術の進歩に寄与する優れた作品に与えられる。 本年は60作品の応募があり審査を通過した8作品の現地審査を経て<天神町place >と<高槻城公園芸術文化劇場>の2作品が、2025年 日本建築学会賞(作品)に決定した。

 2025年 日本建築学会賞(作品)
 天神町place 
 伊藤 博之(伊藤博之建築設計事務所代表/工学院大学教授)
撮影:西川公朗
敷地は台地の淵、崖にかかるような旗竿地である。縄文時代前期の海岸線に近く、台地と谷戸が複雑に入り組んだ地形は、小さな原始的住居に住む古代の人々にとって厳しい自然から身を守ることを目的とした時、建築的解決の一端を担う自然の造形だったのだろう。建築が今ほど高性能ではない時代、このような自然の造形から得る「場所の発見」こそが建築行為の始まりであった。

現在において建築は外的環境に左右されず安定した生活環境を内包する性能を獲得し、さらには社会的背景への解答としての在り方が求められている。この建築の進化を背景として、都心部は人々の住処の受け皿としてのビルに埋め尽くされ、足元の豊かな自然や生活を育む自然の造形を失い、場所の発見の素地は薄れつつある。多くの人に空間を分配するため効率化の連続が都心の風景となり、その風景を背景に建築が再生産される高次な人工化が進むなか、生活者が「場所の発見」を通して住処を選ぶことは難しい。

地図アプリの衛星写真で目的地を探すようになってから、新たな建築とのファーストコンタクトは立面から平面へと変化した。その新たな視点はこの作品の特徴を示す最も強いサインになり得るが、「天神町place」という場所を語るには目線を落として五感を働かせて歩くといい。高密度に利用が進行する雑多性の街並みに、小さく奥深く現れる隙間が開いている。中へ進むと直径9m程のコートヤードが立体的に下方に広がり、小さな窓のあるコンクリートの高い壁がぐるりと周囲を囲む。一層分の階段を下りるとコートヤードの真ん中で、見上げれば遠くに空、足元からは風が湧いている。古代の海岸線の崖を吹き上がる風である。台地の淵の複雑な高低差のひだの上に住戸空間を内在する二重曲線を重ね描いた賃貸集合住宅である「天神町place」は、環状集落における広場のようにすべての住人がこの風の通るコートヤードを共有している。コンクリートに刻印された木片型枠の質感、二重曲線の内外をつなぐテラス、室内から覗くコートヤードの存在。それらを感じ取る人々の感性が緩やかな共感と相互の安心感を作り出している。

豊かな場所性を求める結果として場所性を消費し薄めてしまう、都市化の宿命的なループを断ち切り再起動するのみならず、集まって住むことの本質的な魅力へと繋げている「天神町place」は、都市の風景を形成するビルディングタイプである賃貸集合住宅において、新たな評価軸を加える重要な転換点である。よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。※2025年日本建築学会賞(作品)選考経過より


 2025年 日本建築学会賞(作品)
 高槻城公園芸術文化劇場
 江副 敏史(㈱日建設計設計監理部門デザインフェロー)
 多喜 茂(㈱日建設計設計審査グループアソシエイト) 
 髙畑 貴良志(㈱日建設計設計グループ兼テックデザイングループDDL)
撮影:伊藤 彰[aifoto]
建築とは諸々の技術を統合しながら、れた空間の実現を志向するものである。またそれが公共施設ならば、施主や条件の特殊性に閉じることなく、同時代性を受けとめながら、より良い社会と環境を広く生みだすことに貢献することが求められる。以上の前提を踏まえたとき、高槻城公園芸術文化劇場は、意匠、計画、環境、材料、構造など、建築的な総合性を高い水準で獲得しており、その上で、学会賞としてふさわしい新しい実験や挑戦を遂行した突出した作品として評価できる。以下に、重要なポイントを挙げよう。

第一に、広く開かれた公共建築である。1階レベルを少し持ち上げ、地下1階もアクセスしやすくし、断面構成を工夫することで、全体としての高さを抑えた。またリュームを分節し、大小のボックスを中庭とともに散りばめることで、威圧感をなくすだけでなく、公園と一体化し、あちこちに出入口をもつ。そしてホワイエ、スタジオ、カフェなど、ほとんどの空間がガラス張りになっており、透明感にあふれる。小ホールも両サイドに自然を感じる開口が設けられた。公演時以外も閉鎖的になることなく、平常時に通り抜けができ、近くの住民や子どもたち、あるいは隣接する2つの学校の生徒も立ち寄っている。 

第二に、「高槻の杜」をコンセプトに掲げ、徹底的に木材の活用を試みていること。これ自体は近年のトレンドでもあるが、さらにその先の可能性が追求された。すなわち、大阪府の森林組合に年間素材生産量を確認し、およそ350m3使うことを決め、丸太から切り出す際も、BIMで管理しながら、部位ごとの特性を考慮し、外装、内装、小ホールなどに割り当てる。木製ルーバーについては、外部の材は液体ガラスに含浸させ、ランダムな揺らぎを与えながら並べ、微細な陰影の差を生みだしたり、ホワイエで整然と配置することで、城下町の立格子を想起させるなど、様々な表情を与える。特に大ホールは、木の芯持材を使い、壁から天井まで、ピクセルのように、27千個の木キューブで覆うことによって、個性的かつ豊かな音空間を実現した。なお、案内板や什器にも、木が使われている。 

第三に、決して過剰には主張しないが、確かなエンジニアリングに支えられたデザインやディテールである。例えば、大屋根の出隅部となるエントランスや、片持ちトラス梁によるホワイエにおける無柱の空間、あるいは細い柱は、公園とつながる開放感をもたらす。また大小のホールにおける木ルーバーや木キューブは、音響シミュレーション、試験体、モックアップなどのスタディを通じて設計・施工された。 よって、ここに日本建築学会賞を贈るものである。 ※2025年日本建築学会賞(作品)選考経過より






日本建築学会賞 各賞発表

一般社団法人日本建築学会 https://www.aij.or.jp/

2025年4月18日金曜日

TOTOギャラリー・間、「篠原一男 空間に永遠を刻む――生誕百年 100の問い」

TOTO株式会社が運営するTOTOギャラリー・間(東京都港区)にて、建築家・篠原一男の生誕100年を記念した展覧会「篠原一男 空間に永遠を刻む――生誕百年 100の問い」が2025年4月17日(木)~6月22日(日)の会期で開催中。
篠原一男氏(1925-2006年)は東京工業大学(現:東京科学大学)で清家清氏(1918-2005年)に学び、卒業後は同大学で教鞭をとりながらプロフェッサーアーキテクトとして、退職後は自邸兼アトリエ「ハウス イン ヨコハマ」(1985年)に篠原アトリエを構え、設計と言説の発表を続けた。坂本一成氏、伊東豊雄氏、長谷川逸子氏に代表される「篠原スクール」と呼ばれる一群の建築家を輩出するなど、氏の薫陶や影響を受けた多くの建築家が現在、建築界の第一線で活躍している。
▲4/16に行われたプレスカンファレンスにて。キュレーター陣。
(右から奥山信一氏、貝島桃代氏、セン・クアン氏、小倉宏志郎氏)

今回の展覧会では建築家の奥山信一氏、貝島桃代氏、建築史家のセン・クアン氏をキュレーターに迎え、生涯を通して自らに「問い」を投げかけ続けた氏の建築家像を、「永遠性」をテーマに再考。会場では、東京工業大学篠原研究室作製の原図や模型・真筆のスケッチ・家具などのオリジナル資料を、氏の言説から抽出した「100の問い」と氏自らの分類による「第1の様式」から「第4の様式」に沿って構成し、その活動と人間性を浮かび上がらせる。さらに「第5の様式」を予感させる未完の遺作「蓼科山地の初等幾何」(2006年、計画案)のスケッチも展示。

3Fでは、導入部の位置づけで、「永遠性」表明の発端となった「白の家」(1966年)「地の家」(1966年)それに先立つ「から傘の家」(1961年)を、天井高いっぱいに引き伸ばした内観写真と模型・製本図面などの貴重な資料で紹介。奥とガラスを隔てて中庭には「谷川さんの住宅」(1976年)「上原通りの住宅(1976年)」の展示も。
中庭では活動年表展示とキュレーター陣によって選ばれた氏が遺した特徴的な100の言葉を「100の問い」とし、壁面に散りばめられている。また、この「100の問い」を1980年以降生まれの建築家・編集者・アーティスト100人に投げかけ「100の応答」としてまとめた印刷物が会場で配布されている(公式サイトからPDFのダウンロードも可能)。
4は、自邸兼アトリエ「ハウス イン ヨコハマ」(1985年)の主室空間をオリジナル家具の再制作で原寸で再現。ほか、生前に残した正方形の3冊の作品集、未完の遺作「蓼科山地の初等幾何」(2006年、計画案)のスケッチ、インタビュー動画などが展示。
会場で展示もされているTOTO出版による作品集『篠原一男』(1996年発行)は、生誕100年を記念し復刻。あわせて以前から海外からの要望も多かったということもあり、英語版『Shinohara Kazuo』 (英訳ブックレット付+豪華ケース入り) を発行。
▲復刻版の作品集

会場では、事前申込不要でキュレーターやアシスタントキュレーター、TOTOギャラリー・間館長によるギャラリーツアー、ディレクターによるツアーを随時開催している(スケジュールは公式サイトに記載)。

TOTOギャラリー・間は1985年より社会貢献活動の一環として運営、2025年10月には開設40周年を迎える。この展示は記念企画の1つで今後2つの企画が予定されている(7/24~「新しい建築の当事者たち」、11/21~「(仮称)マリーナ・タバサム展」)。

【名古屋モザイク工業】総合カタログ2025-2026「CO-CREATION 共創するアート / 感性のマチエール」を発行

 名古屋モザイク工業株式会社は2025年4月1日に、世界中から集めた様々なタイル関連商品を、980ページに及ぶ紙面で紹介する総合カタログ2025-2026「CO-CREATION 共創するアート / 感性のマチエール」を発行した。

天然石や木材、土など自然の中にある本質的な美しさに着想を得たデザインを最新のテクノロジーで再現したタイルの数々は、共創により生まれる新しい可能性を秘め、空間創造において豊かなマチエールを表現する素材だとして、本カタログのコンセプトは、「CO-CREATION(共創)」と、決定された。

本カタログへ掲載される商品数は、42シリーズの新商品を含む、373シリーズ(約5,000アイテム)で、デザインアワード(施工事例フォトコンテスト)の優秀作品や海外施工事例など、多くの最新実例とともに紹介されている。

CO-CREATION 共創するアート / 感性のマチエール
発行:2025年4月1日 
掲載商品:373シリーズ(約5,000アイテム)
総ページ数:980ページ 
サイズ:A4



名古屋モザイク工業株式会社

2025年4月17日木曜日

【millegraph】『ダイアローグ 〈危機〉の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄』を発行

millegraph(株式会社ミルグラフ)はCCA(カナダ建築センター)と共同で
「ダイアローグ (危機)の時代の長谷川逸子原広司伊東豊雄」を発行した。

世界有数の建築ミュージアムとして知られるCCAによるプロジェクト「Meanwhile in Japan」が行われたのが、2019年。英語の3冊の原書が発行されたのが、2021年・2022年・2023年。そして2025年、オリジナルの日本語版として帰還した。
原書から貴重なアーカイブ資料を大幅に増補し、対話者による論考を加え、判型も大きくして函に収められている。現在へとつながる1970年代以降の建築の実践、問題群について、今ここに、新たなリアリティをもって読まれることが期待される。


(〇〇より抜粋)
社会の危機に対して、建築に何が可能か。
日本を代表する3人の建築家に対し、今日の若手建築家・研究者らが1970年代から90年代の建築的革新について問う。それは「ポストモダニズム」の再考でもある。

長谷川逸子は多様な他者との対話や協働を経て公共建築「藤沢市湘南台文化センター」をつくり上げ、原広司は世界の集落調査から普遍性を見出し、「梅田スカイビル」「京都駅ビル」で壮大な構想を実現させ、伊東豊雄は「中野本町の家」から「シルバーハット」の間に、消費社会へと接続可能な建築デザインを探究した……。

世界の現代建築をリードする先駆者たちは、それぞれの〈危機〉にもがくなかで糸口を見出していく。建築アーカイブ資料の調査と多面的なダイアローグによって歴史を読み直し、現在への学びを引き出す試みをドキュメントした。
カナダ建築センター(CCA)によるプロジェクト「Meanwhile in Japan」のオリジナル言語版。millegraphとCCAの共同発行。

書籍名:『ダイアローグ 〈危機〉の時代の長谷川逸子原広司伊東豊雄』
 著者:長谷川逸子 原広司 伊東豊雄 門脇耕三 若林幹夫 
    市川紘司 連勇太朗 
    ジョヴァンナ・ボラージ アルベール・フェレ 太田佳代子
 判型:A5判・326ページ 3冊セット・函入り
 定価:3,500円+税 ISBN 978-4-910032-12-2
予約(amazon)http://amzn.to/43H6snd



millegraph(株式会社ミルグラフ)


鳥取県立美術館(設計:槇総合計画事務所)が3月30日に開館し、開館記念展を開催中

槇総合計画が設計した鳥取県立美術館が、2025年3月30日(日)に開館した。鳥取県立美術館は、県内企業を含む10社で構成する鳥取県立美術館パートナーズ株式会社(特別目的会社:SPC)が鳥取県と一体となって、設計・建設・運営・維持管理を行なう。

また、開館記念展「アート・オブ・ザ・リアル 時代を超える美術-若冲からウォーホル、リヒターへ-」も同時に開幕し、開館初日は無料エリアも含め約3,500人が来場した。




◇鳥取県立美術館
[開館時間]9:00 ~ 17:00 夜間開館日は21:00まで
[ 休 館 日]月曜日、年末年始(12月29日~翌年1月3日)ほか
 ※月曜日が祝日の場合は翌平日を休館日とします。
 ※休館日は変更となる場合があります。
[住所]〒682-0816鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12
[電話]0858-24-5442
[FAX]0858-24-1441

◇ART OF THE REALアート・オブ・ザ・リアル時代を超える美術
-若冲からウォーホル、リヒターへ-
会  期:2025/3/30(日)~6/15(日)※展示替え有り
休  館 日:月曜日(3月31日、4月28日、5月5日は開館)
主  催:アート・オブ・ザ・リアル展実行委員会
特別協力:東京国立近代美術館


 

鳥取県立美術館

2025年4月16日水曜日

【公益財団法人 日本財団】 能登の地域交流拠点「みんなの憩いの場」建設へ

日本財団は、令和6年能登半島地震および奥能登豪雨で甚大な被害を受けた石川県で、発災直後の物資の輸送や家屋・道路の応急復旧、NPO団体への助成などで総額約25億円の支援を実施してきた。このたび中長期の復興支援の一環として、奥能登地域を中心に住民の交流を一層促進するため「みんなの憩いの場」整備計画を策定し、食堂や温浴施設、コワーキングスペース等整備、能登半島地震被災地全9カ所の建設・運営に対する助成を決定した。2025年7月以降、順次各施設の運営が開始される予定。

今回の「みんなの憩いの場」設計には石川県にゆかりのある建築家や、伊東豊雄氏が主宰する建築プロジェクト「HOME FOR ALL」等が参画しており、地域に根差した居場所づくりを進めるとともに、石川県の関係人口の創出にも寄与していく。

「憩いの場」整備計画概要(予定)

狼煙町みんなの家(仮称)

場所:石川県珠洲市狼煙町テ13-1 構造:木造平家建

敷地面積:535平方メートル  延床面積:100平方メートル

施設概要:交流スペース、食堂・厨房

運営:(特非)奥能登日置らい

設計:クライン・ダイサム

事業内容:イベント・ワークショップの開催、子ども向け遊学イベント、地域伝統の継承等

運営開始予定時期:2025年7月


中田文化額装店(仮称)

場所:石川県珠洲市飯田町14-13 構造:木造2階建

敷地面積:248.52平方メートル  延床面積:215平方メートル

施設概要:交流スペース、食堂・厨房等

運営:(特非)ガクソー 設計:パーシモンヒルズ・アーキテクツ

事業内容:子ども向け学習支援やプログラミングや芸術教室等の実施、高校や企業と連携したワークショップ、カフェ運営等

運営開始予定時期:2025年12月

 

コミュニティBASEうるしはら(仮称)

場所:石川県輪島市23部1番地57 構造:木造2階建(改修)

敷地面積:245.02平方メートル  延床面積:149.90平方メートル

施設概要:交流スペース、キッチン

運営:(一社)ごちゃらあと 設計:山本周建築設計事務所

事業内容:ヨバレ(食事会)や各種体験教室など交流企画の実施と発信、訪問診療および看護と一体的な個別訪問活動の実施

運営開始予定時期:2025年12月

 

宇出津コミュニティセンター(仮称)

場所:石川県鳳珠郡能登町字宇出津タ45-1 構造:木造2階建

敷地面積:937平方メートル  延床面積:737平方メートル (助成対象分496平方メートル )

施設概要:交流スペース、食堂・厨房、温浴施設等

運営:(社福)佛子園 設計:Kyma

事業内容:障害者雇用事業、仮設住宅在住被災者の移動支援等 

運営開始予定時期:2026年1月

 

多世代交流センターamiza(アミザー)

場所:石川県鳳珠郡穴水町字大町ほ17-1 構造:鉄骨造

敷地面積:3,669平方メートル  延床面積:902平方メートル (助成対象分512平方メートル )

施設概要:交流スペース、食堂・厨房、温浴施設等

運営:(社福)牧羊福祉会 設計:山岸建築設計事務所

事業内容:健康体操等各種教室、地域交流イベント、福祉法人作成物即売会等の実施等

運営開始予定時期::2025年12月

 

鵜川みんなの番屋(仮称)

場所:石川県県鳳珠郡能登町鵜川19-94 構造:木造2階建

敷地面積:357平方メートル  延床面積:190平方メートル

施設概要:交流スペース、食堂・厨房、災害備蓄倉庫等

運営:(一社)能登を紡ぐ

設計:工藤浩平建築設計事務所

事業内容:子どもの居場所づくり、仮設住宅への傾聴訪問活動、祭事実施拠点、食文化継承イベント等

運営開始予定時期:2026年2月

 

町野コミュニティセンター(仮称)

場所:石川県輪島市町野町東大野出村109(町野町野球場)

構造:木造2階建

敷地面積:991平方メートル  延床面積:592平方メートル (助成対象分380平方メートル )

施設概要:交流スペース、ウェルネス、食堂・厨房、温浴施設等

運営:(社福)佛子園 設計:Kyma

事業内容:高齢者向けデイサービス、仮設住宅在住被災者の移動支援等


鉢ヶ崎みんなの憩いの場(仮称)

場所:石川県県珠洲市蛸島町鉢ヶ崎36− 3 構造:木造1階建

敷地面積:972.92平方メートル  延床面積:188.79平方メートル (+半屋外166.66平方メートル )

施設概要:多目的交流スペース、食堂・厨房、コワーキングスペース、半屋外等

運営:(一社)みんなの馬 設計:EIKA studio

事業内容:交流イベントの開催、住民参加型おばんざいの実施、防災ワークショップの実施等

運営開始予定時期:2025年12月


ソ・ト・ウ・ラみんなの家(仮称)

場所:石川県珠洲市大谷町1-78-3 構造:木造1階建

敷地面積:1,002平方メートル  延床面積:195平方メートル (+半屋外165平方メートル )

施設概要:交流スペース、食堂・厨房・商店、コワーキングスペース等

運営:(特非)外浦の未来をつくる会

設計:近藤哲雄建築設計事務所

事業内容:子どもの居場所作り、被災地ツアーの実施、地域ブランドの確立、地域の商品開発等

運営開始予定時期:2025年10月


※掲載写真提供:日本財団