2024年9月9日月曜日

TOTOギャラリー・間、大西麻貴+百田有希 / o+h展「生きた全体――A Living Whole」

TOTO株式会社が運営するTOTOギャラリー・間(東京都港区)にて、大西麻貴+百田有希 / o+hの展覧会「生きた全体――A Living Whole」が2024年9月4日(水)~11月24日(日)の会期で開催中。
大西麻貴+百田有希 / o+hは、公共建築から住宅、福祉施設まで幅広く手がけ、日本建築学会賞(2023年)やヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館キュレーション(2023年)など、常に注目を集め続ける若手建築家。大西氏は同ギャラリーで2006年に開催された「卒業設計日本一展 2006」に出展者でもある。それ以降いくつかの共同展示にも参加し、今回の個展に至っている。
ー展覧会資料よりー
建築をつくることは、物語を紡ぐことと似ています。この展覧会では、展示自体をひとつの旅路としてつくりました。
さまざまな土地の人々や風景に触れることから、建築というひとつの物語が生まれてくるように、ギャラリーに点在する模型や言葉との出会いを旅するように楽しんでいただきたいです。
▲内覧会での大西氏(左)と百田氏(右)

タイトルにした「生きた全体――A Living Whole」は、これまで両氏がテーマとしてきた「愛される建築を目指して」から一歩踏み込んだ展示会にしたいということでつけられた。T.S.エリオット著、矢本貞幹訳の『文芸批評論』(岩波書店,1938)のテキストから抜き出されたもの。
o+hの作品や人の営みが織りなす「生きた全体」がどう建築の風景として立ち上がってくるのか、模型や言葉、インスタレーション等で紹介する。

3Fは〈コンセプトの庭〉とし、複数のプロジェクトで大事にしている4つのコンセプトを展示什器で島のようにまとめ表現。壁には、o+hがこれまでプロジェクトを通して出会った出来事や記憶を重ね合わせた壁画が描かれている。模型はまた屋外(中庭)に向かうにつれ、より具体的な模型表現になっていき、中庭には実寸大の〈木漏れ日の小屋〉も作られた。
4Fは3Fの明るい展示空間とはがらりと変わり、布地で仕切られた洞窟のようなすこし薄暗い空間。中心部の〈o+hの頭の中〉とつけられたスペースでは、のぞき込むようにしてスタディ模型の数々が見れる。また〈マテリアルライブラリー〉〈o+hの小部屋〉などが道なりに連続するように展示されている。
関連イベントとして、大西麻貴+百田有希 / o+h講演会「生きた全体――A Living Whole」を2024年9月27日(金)に開催。公式サイトからの事前申込制。
今回の展覧会にあわせて、作品集 大西麻貴+百田有希 / o+h 建築作品集『愛される建築を目指して』も発刊。デビュー作「二重螺旋の家」、日本建築学会賞(作品)受賞作「シェルターインクルーシブプレイス コパル」、最新作「さくらんぼ畑のオフィス」含む15作品を、写真や図面、解説文とで紹介。大西氏、百田氏それぞれの巻頭論文と、伊東豊雄氏、西沢立衛氏の寄稿文を収録。愛される建築とは何かを問い続ける、思想と作品をまとめた1冊。


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