アーキテクト・スタジオ・ジャパンの東証マザーズ上場記念「CASABELLA創刊85周年シンポジウム 我々はどこに向かっていくのか -若き建築家へのメッセージ-」がイタリア文化会館・東京 アニェッリホールにて開催された。(1月31日)
先ず、伊東豊雄氏とCASABELLA編集長フランチェスコ・ダルコ氏の講演が行われた。伊東氏は-建築の力 3つの現場からのレポート-をテーマに、気仙沼(k-port)、みんなの森・岐阜メディアコスモス、台中市オペラハウスのプロジェクトを紹介し、異なる3プロジェクトに共通する建築思想方法は「失われたのは身体への響きだ」と述べ、身体に訴えてくるというのをどうゆう形で求めるのかという事が建築の可能性だと述べた。
講演後、岸和郎氏と塚本由晴氏を交え、シンポジウムが行われた。
伊東氏は「みんなの家をやっていて、公共の建築では出来ないことが出来ていると感じた。公共の自治体の様な相手がみんなの家にはいない。相手がいないことがどれだけ楽しいことかを感じた。自治体を相手にしたとき何が出来るか?出来る事は限定される。美しい建築なら出来る。いま建築家がやっていることは美しい建築を作るだけ。これを突き抜けて何が出来るか、そこが今、建築家に問われている事」と述べた。
ダルコ氏は桂離宮を見たブルーノ・タウトを例に、「私たちが建築を見る時、目が観測し、記憶し、思考する。桂離宮は目と思考が一緒になる。目が考えてしまう。何かを見て考えるきっかけになるのが素晴らしい建築ではないか。時代は関係ない」と述べ、伊東氏のみんなの家を、緊急のニーズにこたえるための建築に価値があると考え、建築にとって重要な要素と述べた。
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