▲エントランスの正面にズラリと並ぶVISION GLASS
これら約6000個のグラスはすべてNP(NO PROBLEM)品だ
「NO PROBLEMプロジェクト」は、製造過程で必ず生まれてしまうB品と呼ばれる製品を「NO PROBLEM(問題なし!)」として受け入れることを通して、今の日本におけるデザインと生活の風通しをよくしようとするプロジェクト。
▲実際に見比べてみても、中にはA品と見分けがつかないものも
▲サイズも豊富なので、様々な使い方を楽しむことができる
インドでは普通に販売され使われているのに、日本ではより厳しい検品基準を設けているため、B品とされてしまう。つまり展示されているグラスは、インドの検品基準(価値観)と日本のそれとの狭間で行き場を失ったグラスであり、その量は価値観の違いの大きさを示唆しているともいえる。こうした課題を解消すべく、VISION GLASS JPでは、2015年からNP品を通常商品と同価格での販売を開始。その商品がなぜNP品となったのか、その理由・経緯を知り、納得した上で定価で購入するという行為が、日用品の適正な品質について考えるきっかけになってほしいとの願いが込められている。
さらに本展では、VISION GLASSをはじめ、プロダクトデザイナーや映像クリエーター、エディターらが参加するプロジェクトチームが、工場製の量産品から職人の手作り品におよぶさまざまな日用品について、それらの作り手・メーカー・卸・小売りといった立場の異なる企業や個人を1年あまりをかけ訪ね行なった、検品に関するリサーチの展示も。
さらに本展では、VISION GLASSをはじめ、プロダクトデザイナーや映像クリエーター、エディターらが参加するプロジェクトチームが、工場製の量産品から職人の手作り品におよぶさまざまな日用品について、それらの作り手・メーカー・卸・小売りといった立場の異なる企業や個人を1年あまりをかけ訪ね行なった、検品に関するリサーチの展示も。
▲リサーチには国内外の13社が協力(出展は10社)
機能以外の理由により、いわゆる「訳あり商品」とされ、規格外となった商品を「B品」ととらえリサーチを行なってみると、なかにはB品という概念が成立しない商品もあり、さまざまな価値基準があることがわかったという。
▲こちらは一見完成度が高いが、職人のこだわりによってB品とされた製品
▲こちらは打って変わって、かつてのB品をA品として売る試み
▲こちらでは通常はB品として外してしまう節、色ムラ、虫穴などの表情を
自然素材由来の魅力として再認識し、販売する試みを展示
自然素材由来の魅力として再認識し、販売する試みを展示
▲MARUNI60の「キノママ」というシリーズ
白太(しらた)という色ムラが見られる
▲こちらはA品として販売されているもの
▲こちらはどうしても発生してしまう色のムラを活かして着色したA品
▲これらは限りなくA品に近いB品
皮の特性上、致し方ない部分が多いそう
皮の特性上、致し方ない部分が多いそう
▲ネパール製のバケツはよく見てみると
社名のロゴの凹凸が左は凸、右は凹
それでもどちらもA品として販売されている
▲こちらは千葉の郷土玩具
手仕事ならではの表情や色味の違いを楽しむA品だ
手仕事ならではの表情や色味の違いを楽しむA品だ
なお、これらのNP品の一部はKITTE丸の内(JPタワー)にオープンしたグッドデザイン賞の公式ショップ&ギャラリー「GOOD DESIGN STORE by NOHARA」にて購入することができる。展示を見てじっくり考えた後に、買う行為を通して、日頃の自らの価値観を意識する場にもなりそうだ。
なお、7月1日(土)、7月14日(金)にはトークイベントも開催予定。(要予約。詳しくはコチラへ)
さまざまな日用品の良品・不良品とその背景を知ることで、暮らしのなかに寛容さを取り
入れ、日本の今の生活を見直すヒントを、ともに考える展覧会だ。
■NO PROBLEM展
場 所:GOOD DESIGN Marunouchi
東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F
会 期:6月20日~7月17日
営業時間:11:00~20:00
主 催:NO PROBLEMプロジェクトチーム
協 力:公益財団法人日本デザイン振興会
https://www.g-mark.org/gdm/index.html
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