2012年1月9日月曜日

山本理顕 YーGSA教授退官記念+帰心の会公開シンポジウム「建築をつくることは未来をつくることである」

建築家山本理顕氏の Y-GSA教授退官記念シンポジウムが開催された。

当初、退官記念シンポジウムは3月18日に予定されていたが、3月11日の東日本大震災の影響により延期となっていた。
退官記念シンポジウムは山本氏も一員として活動する帰心の会との公開シンポジウムとなった。

シンポジウムは第一部「建築の地域性」、第二部「社会システムと住宅」に分けられ、第1部には伊東豊雄氏、妹島和世氏、司会・小嶋一浩氏、第2部には内藤廣氏、隈研吾氏、司会・北山恒氏にて行われた。
第一部「建築の地域性」では山本氏はY-GSAでの四年間を振り返り、「課題で色々作るが虚しい。学生の考える公共施設が画一的(ギャラリー、図書館)で公共建築は自治体の作るものと学生が考えている。図書館が地域社会で誰に役立っているか、誰が作るのか考えさせるが虚しい。公共建築は使う主体と作る主体が違う。建築家はどちらを向いて設計すべきか考えなくてはいけない。」と述べた。
第二部「社会システムと住宅」では、隈氏は「持ち家制度、私有というフィクションがリーマン・ショックと311で破綻したと感じた。持ち家は社会の変化についていけない。これからは私有に頼らない共同体やシェアハウス等が主流になるのではないか?」と述べた。山本氏は「311で今までインフラを徹底的に整備して国が作ってきたものが否定された。私有制度の崩壊が始まった事に建築家がどこまで気づいているのか?」と述べた。

第一部、第二部共に東日本大震災での東北復興について触れられ、伊東氏は「住民と話をしていると、自治体の人も加わって話が進む。復興計画に沿った形で三者が一体となって、新たなものが作れる。」と述べた。

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