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2026年8月3日月曜日

【国際文化会館】「近現代住宅建築の文化的活用・発信事業」共催団体に選定 _伊東豊雄「花小金井の家」を運営

公益財団法人国際文化会館は、東京都と東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京が実施する「近現代住宅建築の文化的活用・発信事業」の共催団体に選定された。文化的価値の高い住宅建築を公開や展示を通じて広く発信し、その保存と継承につなげる取り組みで、国際文化会館は建築家・伊東豊雄氏の初期代表作として知られる「花小金井の家」の運営を担う。

花小金井の家は東京都小平市に位置し、1983年に竣工した住宅作品。伊東氏が住宅建築のあり方を模索していた時期を代表する一作で、自然光を巧みに取り込む開放的な空間構成と、都市住宅に新たな可能性を提示した建築思想を今に伝えている。現在では現存する伊東氏の初期住宅作品としても貴重な存在とされ、近年は保存や活用のあり方に関心が集まっていた。
今回の事業では、建物公開のほか、特別対談会や展示などを予定しており、単なる見学機会の提供にとどまらず、建築が持つ歴史的・文化的価値を多面的に紹介していく考えだ。住宅建築は公共建築に比べて保存や継承の仕組みが整いにくく、所有者の世代交代や再開発などによって失われるケースも少なくない。そのため、公開や活用を通じて建築文化としての価値を社会と共有しながら保存につなげる取り組みは、近年ますます重要性を増している。

東京都とアーツカウンシル東京による同事業は、都内に点在する近現代の住宅建築を文化資産として捉え直し、その魅力を発信することで保存機運の醸成を図るもの。国際文化会館はその趣旨に賛同し、アートやデザイン、建築分野での活動強化を進める中で参画することになった。プログラムの詳細や実施時期については、今後、国際文化会館およびアーツカウンシル東京のウェブサイトで順次発表される予定。

1952年に設立された国際文化会館は、日本と世界の相互理解を促進する民間の国際交流機関として活動してきた。近年は国際関係や政策研究に加え、アートやデザインを重要な活動領域として位置付けており、今回の取り組みもその一環となる。伊東豊雄建築の原点の一つを広く公開することで、日本の近現代住宅建築の価値を再発見する機会となりそうだ。




国際文化会館
https://ihj.global/

2026年4月16日木曜日

【日本建築学会】2026年日本建築学会賞(業績)ならびに(業績・復旧復興特別賞) を発表

 一般社団法人日本建築学会は、2026年日本建築学会賞(業績)ならびに(業績・復旧復興特別賞)として4つの業績を表彰する事を発表した。
日本建築学会賞(業績)は、日本建築学会賞論文・作品・技術部門以外の、近年中に完成した業績であって、学術・技術・芸術などの進歩に寄与する優れた業績に対して与えられる賞。
今回、日本建築学会賞(業績・復旧復興特別賞) を授賞した「復興ディレクター制と「かまいし未来のまち事業」による釜石市の復興: 長期的・複合的視野に基づく計画実装 」は、2025年から2年かけて審査が行われ、2度にわたる現地審査を含む詳細な検討と評価・審査の末、大規模な災害からの復旧復興への貢献度を総合的に審査し、全委員一致で授賞候補業績とすることになった。

2026年日本建築学会賞(業績)
インスタントハウスを通じた国内外の住環境向上への先駆的貢献 
北川 啓介(名古屋工業大学教授) 
北川 珠美(名古屋工業大学研究員) 

次世代へ文化財を健康的に継承するための土浦亀城邸の復原・移築手法: 
ポーラ青山ビルディングとのサステナブルな共生関係の構築 
株式会社ピーオーリアルエステート
安田 幸一(㈲安田アトリエ主宰/ 東京科学大学名誉教授) 
山﨑 鯛介(東京科学大学博物館教授) 
長沼  徹(東京科学大学助教) 
加藤 雅久(居住技術研究所主宰) 

『東南アジア近現代建築総覧』の 編纂活動(2015-2024) 
村松 伸(東京大学名誉教授) 
Johannes Widodo(シンガポール国立大学教授) 
山名 善之(東京理科大学教授) 
林 憲吾(東京大学生産技術研究所准教授) 

2026年日本建築学会賞(業績・復旧復興特別賞)
 
復興ディレクター制と「かまいし未来のまち事業」による釜石市の復興:
長期的・複合的視野に基づく計画実装 
釜石市
伊東 豊雄(㈱伊東豊雄建築設計事務所代表取締役) 
小野田 泰明(東北大学教授) 
遠藤  新(工学院大学教授) 
長濵 伸貴(神戸芸術工科大学教授) 
アーキエイド
株式会社建設技術研究所
佃  悠(横浜国立大学准教授) 
Photo by Yoshiyasu Saijo / Grafica Inc.




一般社団法人日本建築学会

2026年4月1日水曜日

【リベラルアーツ協会】伊東豊雄氏監修、子ども建築模型展をミラノ・サローネ2026で開催

一般社団法人DESIGN ASSOCIATION リベラルアーツ協会は、世界最大級のデザインイベント「ミラノ・サローネ(Salone del Mobile.Milano)」の会期中に、建築家・伊東豊雄氏の総合監修による「国際子ども建築模型展—One Earth こころの家」を開催すると発表した。
本展は、日本、イタリア、ポルトガル、フィンランド、スウェーデンの5カ国から、約100人の子どもたちが参加し、「こころの家」をテーマに制作した建築模型を展示する国際的な教育・文化プロジェクト。展示空間では各国の児童作品が連結され、象徴的なランドスケープ「PEACE ISLAND(平和の島)」を形成するというもの。

プロジェクトの原点は、伊東氏が2011年に東京・恵比寿で始めた「伊東豊雄 子ども建築塾」にある。DESIGN ASSOCIATIONはその理念を受け継ぎ、これまで弘前、愛媛、札幌、東京・青山などでワークショップを開催。今回の「One Earth - こころの家」は、その活動を国際的に拡張した位置づけとなる。
日本では2月21日から23日にかけて、東京大学本郷キャンパスでワークショップを実施。全国から公募で選ばれた小学5・6年生20人が参加し、千葉学・東京大学教授らの指導のもと模型制作に取り組んだ。最終日には参加児童が伊東氏に直接プレゼンテーションを行った。

子どもたちは各国の大学生(ティーチングアシスタント)とペアを組み、建築家や教授陣の指導を受けて作品を制作。参加大学は、東京大学(日本)、Politecnico di Milano(イタリア)、ESAD Arte & Design(ポルトガル)、Umeå School of Architecture(スウェーデン)、Aalto University(フィンランド)の5校。

参加建築家
会場では、子どもたちの集合作品「PEACE ISLAND」を囲むかたちで、6組の建築家による同テーマの模型も展示される。参加は、伊東豊雄、妹島和世、千葉学、藤本壮介、クラインダイサムアーキテクツ、大西麻貴+百田有希(o+h)。

開催概要
名称:国際子ども建築模型展
テーマ:One Earth - こころの家
会期:2026年4月21日(火)~26日(日)
会場:Superstudio(Via Tortona, 27, 20144 Milano MI, Italy)
参加国:日本、イタリア、ポルトガル、フィンランド、スウェーデン
展示:子ども建築模型 約100作品
総合監修:伊東豊雄
企画・会場構成:川崎健二(クリエイティブディレクター)
主催:一般社団法人DESIGN ASSOCIATION リベラルアーツ協会
後援:外務省
協賛・寄付:エイブル&パートナーズ、佐藤茂、JT、TDW、ローソン、ベネッセコーポレーション、アジア経営研究機構、大林組、鹿島建設、清水建設、竹中工務店、森浩生、川崎健二



一般社団法人DESIGN ASSOCIATION リベラルアーツ協会

2025年7月30日水曜日

【HOME-FOR-ALL】「能登のみんなの家」第一号が能登半島の最奥地、狼煙町に竣工

2025年7月、能登における「みんなの家」の第一号として「狼煙のみんなの家」が竣工し、オープニングイベントが開催された。
持続可能な地域づくりに取組む「NPO法人奥能登日置らい」が事業主となり、クライン ダイサム アーキテクツが設計を担当し、多くの企業の支援のもと、地域の文化や未来をみんなで感じ、考えていくことができる新しい建築が誕生した。今後は地域の人々が集う食堂やイベント、伝統行事の会場として活用されることで町の垣根を超えた交流や復興の拠点となることを目指す。

※「能登みんなの家」
令和6年能登半島地震を受け、NPO法人HOME-FOR-ALL(代表:伊東豊雄)は奥能登地域で調査を行い、珠洲市、輪島市、能登町で計6棟の「みんなの家」を企画している。


「狼煙のみんなの家」
敷地:石川県珠洲市狼煙町テ13-1(「道の駅 狼煙」の隣地)
構造:木造平屋建て
延床面積:119.25平方メートル

「狼煙のみんなの家」の特徴
・能登らしさの継承(黒瓦の再利用、下見板張り、能登提灯)
・みんなが集まる集会所(食堂と居酒屋のできる厨房、キッズスペース)
・防災拠点(太陽光発電、浄水機、防災用具の保管)

〈クレジット・協賛リスト〉
企画:HOME-FOR-ALL
事業主体:奥能登日置らい
資金助成:日本財団
設計:クライン ダイサム アーキテクツ
施工:家元
協賛:石川県里山振興室、石川樹脂工業、インターオフィス、オカムラ、カリモク家具、川島織物セルコン、協和道路、グリーンコープ共同体、子ども未来支援財団、大光電機
協力:亀井提燈、瓦バンク、センコーグループホールディングス、NTTドコモビジネス、
堀瓦工業、モノクローム、良品計画、VAN (ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク)
写真:松田咲香(一部をのぞく)
 


特定非営利活動法人HOME-FOR-ALL

2025年4月16日水曜日

【公益財団法人 日本財団】 能登の地域交流拠点「みんなの憩いの場」建設へ

日本財団は、令和6年能登半島地震および奥能登豪雨で甚大な被害を受けた石川県で、発災直後の物資の輸送や家屋・道路の応急復旧、NPO団体への助成などで総額約25億円の支援を実施してきた。このたび中長期の復興支援の一環として、奥能登地域を中心に住民の交流を一層促進するため「みんなの憩いの場」整備計画を策定し、食堂や温浴施設、コワーキングスペース等整備、能登半島地震被災地全9カ所の建設・運営に対する助成を決定した。2025年7月以降、順次各施設の運営が開始される予定。

今回の「みんなの憩いの場」設計には石川県にゆかりのある建築家や、伊東豊雄氏が主宰する建築プロジェクト「HOME FOR ALL」等が参画しており、地域に根差した居場所づくりを進めるとともに、石川県の関係人口の創出にも寄与していく。

「憩いの場」整備計画概要(予定)

狼煙町みんなの家(仮称)

場所:石川県珠洲市狼煙町テ13-1 構造:木造平家建

敷地面積:535平方メートル  延床面積:100平方メートル

施設概要:交流スペース、食堂・厨房

運営:(特非)奥能登日置らい

設計:クライン・ダイサム

事業内容:イベント・ワークショップの開催、子ども向け遊学イベント、地域伝統の継承等

運営開始予定時期:2025年7月


中田文化額装店(仮称)

場所:石川県珠洲市飯田町14-13 構造:木造2階建

敷地面積:248.52平方メートル  延床面積:215平方メートル

施設概要:交流スペース、食堂・厨房等

運営:(特非)ガクソー 設計:パーシモンヒルズ・アーキテクツ

事業内容:子ども向け学習支援やプログラミングや芸術教室等の実施、高校や企業と連携したワークショップ、カフェ運営等

運営開始予定時期:2025年12月

 

コミュニティBASEうるしはら(仮称)

場所:石川県輪島市23部1番地57 構造:木造2階建(改修)

敷地面積:245.02平方メートル  延床面積:149.90平方メートル

施設概要:交流スペース、キッチン

運営:(一社)ごちゃらあと 設計:山本周建築設計事務所

事業内容:ヨバレ(食事会)や各種体験教室など交流企画の実施と発信、訪問診療および看護と一体的な個別訪問活動の実施

運営開始予定時期:2025年12月

 

宇出津コミュニティセンター(仮称)

場所:石川県鳳珠郡能登町字宇出津タ45-1 構造:木造2階建

敷地面積:937平方メートル  延床面積:737平方メートル (助成対象分496平方メートル )

施設概要:交流スペース、食堂・厨房、温浴施設等

運営:(社福)佛子園 設計:Kyma

事業内容:障害者雇用事業、仮設住宅在住被災者の移動支援等 

運営開始予定時期:2026年1月

 

多世代交流センターamiza(アミザー)

場所:石川県鳳珠郡穴水町字大町ほ17-1 構造:鉄骨造

敷地面積:3,669平方メートル  延床面積:902平方メートル (助成対象分512平方メートル )

施設概要:交流スペース、食堂・厨房、温浴施設等

運営:(社福)牧羊福祉会 設計:山岸建築設計事務所

事業内容:健康体操等各種教室、地域交流イベント、福祉法人作成物即売会等の実施等

運営開始予定時期::2025年12月

 

鵜川みんなの番屋(仮称)

場所:石川県県鳳珠郡能登町鵜川19-94 構造:木造2階建

敷地面積:357平方メートル  延床面積:190平方メートル

施設概要:交流スペース、食堂・厨房、災害備蓄倉庫等

運営:(一社)能登を紡ぐ

設計:工藤浩平建築設計事務所

事業内容:子どもの居場所づくり、仮設住宅への傾聴訪問活動、祭事実施拠点、食文化継承イベント等

運営開始予定時期:2026年2月

 

町野コミュニティセンター(仮称)

場所:石川県輪島市町野町東大野出村109(町野町野球場)

構造:木造2階建

敷地面積:991平方メートル  延床面積:592平方メートル (助成対象分380平方メートル )

施設概要:交流スペース、ウェルネス、食堂・厨房、温浴施設等

運営:(社福)佛子園 設計:Kyma

事業内容:高齢者向けデイサービス、仮設住宅在住被災者の移動支援等


鉢ヶ崎みんなの憩いの場(仮称)

場所:石川県県珠洲市蛸島町鉢ヶ崎36− 3 構造:木造1階建

敷地面積:972.92平方メートル  延床面積:188.79平方メートル (+半屋外166.66平方メートル )

施設概要:多目的交流スペース、食堂・厨房、コワーキングスペース、半屋外等

運営:(一社)みんなの馬 設計:EIKA studio

事業内容:交流イベントの開催、住民参加型おばんざいの実施、防災ワークショップの実施等

運営開始予定時期:2025年12月


ソ・ト・ウ・ラみんなの家(仮称)

場所:石川県珠洲市大谷町1-78-3 構造:木造1階建

敷地面積:1,002平方メートル  延床面積:195平方メートル (+半屋外165平方メートル )

施設概要:交流スペース、食堂・厨房・商店、コワーキングスペース等

運営:(特非)外浦の未来をつくる会

設計:近藤哲雄建築設計事務所

事業内容:子どもの居場所作り、被災地ツアーの実施、地域ブランドの確立、地域の商品開発等

運営開始予定時期:2025年10月


※掲載写真提供:日本財団