TOTO株式会社が運営するTOTOギャラリー・間(東京都港区)にて、吉村靖孝展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」が2025年1月16日(木)~3月23日(日)の会期で開催中。吉村靖孝氏は建築活動の初期の頃より、建築が人びとのふるまいなどの自発的な動きと、社会制度や状況など多様な社会的条件との架け橋になれるよう、両者のさまざまな関係構築を試みてきた建築家。今回の展覧会では、7人の漫画家とのコラボレーションにより、建築家の作家性を問う試みを行う。
▲1/15に行われたプレスカンファレンスにて
展示の説明をする吉村氏
作家の自己表現の場で展覧会で、あえて作家性を消してみることにしたという今回の展示。模型でも図面でもなく「漫画」というメディアを利用して、吉村氏が設計した7つのプロジェクトをとりあげ、7人の漫画家(コルシカ、川勝徳重、德永 葵、三池画丈、宇曽川正和、メグマイルランド、座二郎)に依頼してそれぞれ建築から発想される世界が漫画で描かれた。
展覧会の準備期間中、吉村氏が脳出血になり、闘病することになったこともこの展示案が後押しされた。また早稲田大学・吉村研究室の学生も協力の上、今回の開催に至った。
3Fには7つの漫画作品、また漫画の世界を体験できるような展示。壁面には建築史と漫画史をまとめた年表も。漫画家の座二郎氏は吉村氏の大学の後輩であり、建築家でもある。
3Fの中庭にはスケールフィギュアといわれるものを展示。
4Fは、3Fの展示と同じプランで建築模型が展示。また建築図面、技術史と建築史の連関をまとめた年表、半動産建築年表も。
関連イベントとして、2/8にゲストを交えたギャラリートーク「二次元ケンチク、三次元ケンチク、四次元ケンチク」、2/21に吉村靖孝講演会「『建築家の不在』とは何か?」を開催。ギャラリートークは申込不要。講演会は公式サイトからの事前申込制。そのほか、ギャラリーツアーも申込不要で会期中随時開催。
また今回の展覧会にあわせて、作品集『MANGARCHITECTURE(マンガアーキテクチャ)建築家の不在』も発刊。吉村靖孝氏の建築7作品を題材に、7人の漫画家が描き下ろした漫画短編を収録。舞台となる建築作品紹介、漫画建築史年表なども充実。建築家の想像を軽々と超えていく、創意を尽くされ描かれた漫画が魅力的な新しい形の一冊。
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