2025年4月15日火曜日

今野広大再生建築設計「タウンヴィラ摂津」再生建築内覧会

新宿区荒木町にて、今野広大再生建築設計が手掛けた「タウンヴィラ摂津」再生建築の内覧会が行われた。
今野広大再生建築設計は、アップサイクリングにより、税制度上価値がないとみなされた建物や老朽化が深刻な建物を再生することで、既存ストックの活用を促進し、まちの活性化に貢献する設計事務所。代表の今野氏は“リファイニング建築〈再生建築〉”の提唱者・青木茂氏の青木茂建築工房経験を重ね、2022年に独立。このプロジェクトは老朽化した築52年の既存建物に耐震補強を施し、避難や防火区画等の現行法の遡及対応を行なうなど約3年かけて計画を進め、完成に至った。
入居者が住みながらの工事で補強位置に多くの制限があったため、複数の補強工事(不要な既存RC躯体の解体による軽量化、既存R壁の増打ち補強、新設RC袖壁補強、鉄骨柱補強)を採用。新築と同等の構造耐震指標Is値0.6以上を確保した。
▲既存R壁の増打ち補強。外観に表出させ改修の象徴性を持たせた。
▲鉄骨柱補強
▲不要な既存RC躯体の解体による軽量化
(既存建物では1Fテナントに直接アクセスできる階段があった)

改修後の建物に愛着を持ってもらう取り組みとして、工事で排出された既存外壁タイルを粉砕・粉末化し、塗装材に混ぜ込み、施主・施工者・設計者の3者による塗装ワークショップを実施。ソフト面による建物の長寿命化を図った。
塗装ワークショップで塗られた壁面と天井
また新宿区初となる建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく認定の手続きを行ない、既存不適格事項(構造耐力、高度地区、2以上の直通階段)を維持しながら増築の確認申請を行い、再度検査済証を取得。このような専門家だからこそできる特殊な手続きも行われた。

所在地   :東京都新宿区荒木町20
用途    :共同住宅・店舗→共同住宅・事務所
建設年   :昭和48年(築52年)
階数    :地上7階 地下1階 塔屋2階
構造    :SRC造一部RC造
敷地面積  :326.37㎡
延床面積  :1284.57㎡→1334.55㎡
建築面積  :186.51㎡
意匠設計  :(株)今野広大再生建築設計
構造設計  :(株)DN-Archi
施工     :分離発注

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