2013年10月28日月曜日

TOTOギャラリー・間「犬のための建築」展

乃木坂にあるTOTOギャラリー・間にて「犬のための建築」展が10/25から開催中。
「犬のための建築」は、デザイナー原研哉氏のディレクションのもと、犬の尺度で建築を捉えなおすことで新たな建築の可能性を模索するプロジェクトで、2012年11月に公式サイト(ARCHITECTURE FOR DOGS)がオープンし、世界をリードする建築家・デザイナー13組がデザインした「犬のための建築」が、フリーダウンロードできる設計図と共に公開された。
その後、展覧会がマイアミとロサンゼルスの2か所で巡回開催、そして今回ギャラリー・間にて開催されることになった。 前日に開催されたプレスカンファレンスでは、参加のデザイナー・建築家も集まり、作品についてコメントした。
(参加作家:アトリエ・ワン、伊東豊雄、MVRDV、隈研吾、コンスタンチン・グルチッチ、妹島和世
、トラフ建築設計事務所、内藤廣、坂茂、藤本壮介、ライザー+ウメモト、原デザイン研究所、原研哉

3F会場と中庭では、「犬のための建築」13作品が展示。それぞれの建築家・デザイナーに具体的な犬種を原研哉氏がそれぞれ指定(伊東豊雄氏は愛犬、内藤廣氏は以前飼っていた犬種を希望し提案)をし制作を行った。
 
作品の一部を紹介。
藤本壮介×ボストンテリア「NO DOG,NO LIFE!」
今年の夏、手掛けたサーペンタイン・ギャラリーのパビリオンを思わせるような藤本氏の建築は、犬にとっては建築だが、人にとっては家具のような使い方ができるもの。パビリオンは、この犬のため建築から発想が膨らんだという。
 
作品の近くには、あわせて発行した本もあり、本の中でも実際に犬に使用されている写真や作品についての説明、図面などが収録されている。
トラフ建築設計事務所×ジャックラッセルテリア 「WAN MOCK(ワン・モック)」
クライアントである犬のことを知ろうと、ほぼ日刊イトイ新聞にて糸井氏の愛犬ジャックラッセルテリア の行動を熟読したというトラフの二人。飼い主の衣服の上を居場所とする犬の特性を生かし、だれでも簡単に作れる枠組みに衣服をまとったもの。製品化もしていて、会期中はギャラリー・間の下のブックギャラリーにて購入も可能。
中庭にはアトリエ・ワン×ダックスフンド(下写真左)、隈研吾×パグ(下写真右)の作品。
アトリエ・ワンの作品は、脚が短く銅が長いダックスフンドは階段が昇るのが負担になり、椎間板ヘルニアになりやすいとのことから、スロープ状のものをつくった。スロープに沿って、人間が腰をかけるのにもちょうど良いサイズになっている。(また、犬の“わんわん”が事務所名にも入っているアトリエ・ワン(Atelier Bow-Wow)だが、原氏はそれを知らずこの話のお願いをしたという。なのでギャグで頼んだわけではないのですとプレスカンファレンスでは話をしていた。)
他にも、体から熱を逃がすためにアルミ材を用いた内藤氏の作品や、老いていく愛犬(モモちゃん)を運ぶゆりかごのようなものを作った伊東氏などそれぞれの個性があふれている。
4Fでは、原研哉氏の「D-TUNNEL」を、10数種の形態バリエーションにデザイン展開した、実寸大もしくは縮尺模型を展示。こちらは東京展のために制作したもので初公開。
「D-TUNNEL」は人間と犬のスケールを調整する装置として提案されたもので、レザーチェアと組み合わせたものや人間とテーブルを挟んで人間と向かい合える犬椅子型などが展示されている。
会場の奥の方には建築を使いこなす犬の動画が見れたり、来場者が設計案を投稿できる「犬のための建築」の用紙があり、投稿したラフ設計図は公式サイトにアップロードされる。良い建築については商品化に発展する場合も。
展覧会は12/21(土)まで。会場のペット同伴は不可なのでご注意を。
関連のシンポジウムは11/2に開催。要申込制で受付は締め切っている。
また会場にて随時、原研哉氏によるギャラリートークとサイン会も開催。こちらは申込不要。日程・詳細はギャラリー・間サイトに記載されている。

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