乃木坂にあるTOTOギャラリー・間にて「乾久美子+東京藝術大学 乾久美子研究室 展―小さな風景からの学び」が4/18から開催中。建築家・乾久美子氏と乾氏が教鞭を執る東京藝術大学・乾研究室の学生によって行われた、都市のリサーチ研究成果を紹介する展覧会。乾氏のギャラ間での単独の展示会は初めてだが、昨年の「ここに、建築は、可能か 第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」でもメンバーの一人として展示をしている。
展示会場3F
プレス向けの説明会では乾氏自ら「地味!」「スペクタルじゃない!」とスライドを使っての説明もあったのだが、会場には模型やスケッチがひとつもなく壁面に風景写真がびっしりと貼られている展示の内容になっている。これらの写真は、乾氏のほか、研究室の学生や乾久美子建築設計事務所の所員が1年間かけて撮影をしてきた気になる風景で写真総数は18117枚、それらをグループ分けをし展覧会では2282枚を176ユニット22グループに分類をし展示をしている。
たとえば、一番最初のグループ<a-並び方>では1~10のユニットがあり、
a-1―糸乱れぬ並び
a-2―取り囲む
a-3―コピー&ペースト
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といった具合に、親しみやすいユニット名をつけられ分類がしている。
リサーチのきっかけは、近年公共空間のプロジェクトに関わり多くの人の集まる場所のあり方を探る中で、人が自然に引きつけられる場所のもつ魅力への関心が高まったこと。膨大な写真、あてのない分類作業で途中険悪な雰囲気になった時期もあったようだが、最後は何故か「いいよね」という意見が一致するようになってきたという。そうした中で導き出されたキーワードが「サービス」。展示されている写真からは、自然からのサービス・人為的なサービス・偶然のサービス・ユーモアのあるサービスなど様々な種のサービスが読み取れる。
中庭
中庭では何枚かを組み合わせ楕円になっている木板に、写真の撮り方・分類方法などの説明が書かれているのだが、、
上からみると中庭の石を“取り囲んでいる”(=“a-2―取り囲む”を再現)
ほかにも“d-31―親子”などユニットの中のいくつかを会場内でも再現しているので、会場内の「小さな風景」探してみる楽しみ方もある。
展示会場4F
3F同様に写真が展示されているが、4Fの展示最後のグループ<v-日常>に進むにつれ、より何気ないほっとする写真になっているので是非最後までじっくり展示を見てほしいとのこと。
展覧会に合わせて発行している関連の書籍では分析の詳細も記載されていて、展覧会とあわせてみることでより理解が深まる。
今回の展覧会は中間報告で、実際にどのように活用していくかはまだ明確にはなっていないようだが、今週の木曜日に開催される関連の講演会では今後の活用方法についての話なども少し
聞けるとのこと。聴講申込はすでに終了をしているが、USTREAMにても配信を予定。展覧会は6/21までの開催。
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