平成30(2018)年は、明治元 (1868) 年から数えて150年、そして国立近現代建築資料館開館5周年と、それぞれにひとつの節目を迎える年。その記念展として「明治期における官立高等教育施設の群像」が開催される運びとなった。
本展では、明治期の日本における、いわゆる「旧制」の、大学とそれ以外の専門学校や高等学校などの高等教育施設のそれぞれの誕生と、競い補完し合うダイナミックな相互の関係を、日本中から集めた図面や古写真などの建築資料を用いて、視覚的に、分かりやすく紹介。
監修した川向正人氏 (当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授) |
実行委員会委員長 池上重康氏(北海道大学助教) |
展示室に向かってまず最初に展示される 東京第一大学区開成学校開業式之図(複製) |
展示は大きく5つのテーマからなる。
1.専門学校と大学の誕生
明治維新後の「大学校」構想にもとづく本校、東校、南校、後続の開成学校、医学校、工部大学校、法学校、駒場農学校、札幌農学校などの初期の大学校、および旧制の東京大学を絵図、図面、模型、写真により紹介。
明治19(1886)年「中学校令」により大学・専門学校進学者のための予備教育課程として誕生した高等中学校と、その後身の旧制高等学校を紹介。
東京の第一高等学校、仙台の第二高等学校、京都の第三高等学校、金沢の第四高等学校、熊本の第五高等学校を中心に、迫力ある図面、模型、建築部材を展示。
明治19年の「帝国大学令」の後に整備された東京帝国大学、京都帝国大学、東北帝国大学農科大学(のちに北海道帝国大学)、東北帝国大学理科大学、九州帝国大学工科大学の大判の図面を展示。
4.高等専門学校
高等工業学校、高等商業学校、高等農林学校、高等師範学校、美術学校など全国に設立された個性豊かな高等専門学校を取り上げる。
高等専門学校の中でも異彩を放つのが神宮皇學館。
展示される巻物の全体をデータベース上で確認できる。
全体 |
ここまでアップにもできる |
中2階では明治期日本の建築教育を、工部大学校、東京高等工業学校、京都高等工芸学校にて、実際に使われた教材や学生の作品を通して紹介。
詳しくはこちら。
0 件のコメント:
コメントを投稿