今年2/1にオープンした「豊洲 千客万来」の完成見学セミナーが一般社団法人日本木造耐火建築協会主催で開催された。
「豊洲 千客万来」は、豊洲市場に隣接する複合施設で、豊洲ならではのグルメを楽しめる食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」と、箱根・湯河原から毎日運搬される温泉を楽しめる温浴棟「東京豊洲 万葉倶楽部」からなる。江戸の風情ある街並みを再現した食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」には、多摩産材を活用した最先端の木造耐火技術が採用されており、今回のセミナーでは、動画視聴と食楽棟内での設計担当者よる案内で、施設概要と木造耐火技術について説明を聞くことができた。
食楽棟は、日本最大規模の木造耐火商業施設(地下1階~地上3階)で、1階が鉄骨造、2~3階が木造の立面混構造で設計されている。木造設計と材料供給でシェルターが協業。2~3階の木造部の柱と梁には“東京の木 多摩産材”を活用した木質耐火部材「COOL WOOD(1時間耐火仕様)」 を採用。施設全体の木材使用量は1,085㎥で、そのうち102.20㎥は多摩産材(杉)を利用している。
「COOL WOOD」の柱と梁は、三層構造(荷重支持部:木材、燃え止まり層:石膏ボード、表面材:木材)で、木の質感を活かした建物に仕上がるのが特徴。1・2・3時間耐火の国土交通大臣認定を取得しており、木材の選択肢も多く、製材・集成材・LVL・CLTなどで対応可能。
屋根は外周部の屋根を二重垂木とし、一層目の垂木で屋根の耐火性能を確保。下地をガルバリウム鋼板とすることで30分耐火構造としている。耐火建築物でありながら軒下の垂木を現すことを可能とした。
【施設概要】
施主:万葉倶楽部
設計:万葉倶楽部 一級建築士事務所、五洋建設 本社一級建築士事務所、シェルター建築設計事務所
施工:食楽棟 石井工務店、温浴棟 五洋建設
用途:ホテル・物販・飲食・集会場 他
面積:食楽棟 約14,700㎡、温浴棟 約19,100㎡
階数:食楽棟 地下1階 地上3階、温浴棟 地下1階 地上9階
構造:食楽棟 鉄骨造+木造、温浴棟 鉄骨造
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