2025年9月30日火曜日

【アクチュアル】 建築業界向けAIツール「ArchiX」、製品版が正式リリース

アクチュアル株式会社は、建築業界に特化したAIツール「ArchiX(アーキエックス)」の製品版を2025年9月2日にリリースした。スケッチからのパース生成、パースからの動画化、音声議事録作成、業界特化型AIチャットなど、4つの機能をひとつのアカウントで利用可能なオールインワンプラットフォームとなっている。

ArchiXは、建築業界における初期提案のスピードと品質を劇的に向上させることを目的として開発された。従来、初回商談から提案までに2〜4週間を要していたプロセスを、最短1日で完了させることが可能となる。これにより、他社への流出リスクを抑え、成約率の向上が期待されている。
ArchiXの最大の特徴は、誰でも短時間かつ低コストで高品質な提案資料を作成できる点にある。外注で1枚あたり1〜3万円かかっていたパース制作が、ArchiXでは約30円で実現可能。営業担当者がラフスケッチから直接パースや動画を生成できるため、社内の提案力が底上げされる。


4つの主要機能
スケッチからパース生成
手書きスケッチや線画、写真から高精度なパース画像を即座に生成。完成後のイメージを施主に直感的に伝えることで、打ち合わせの説得力を高める。
パースから動画生成
静止画では伝えきれない空間の広がりや雰囲気を、短尺映像として自動生成。SNSやプレゼン資料での活用も可能。
AI音声文字起こし・議事録作成
打ち合わせ内容を自動で文字起こしし、建築用語を含めた要点整理を実施。認識のズレを防ぎ、議事録の共有が円滑になる。
アーキチャット
建築業界に特化した質問テンプレートを備えたAIチャット機能。提案書作成や契約書の要点整理、施工工程のまとめなど、業務の効率化を支援する。


アクチュアル株式会社
ArchiX

2025年9月29日月曜日

【マルニ木工】maruni × DE-SIGN INC.、無垢材のオフィステーブル「Peblo」を発表

株式会社マルニ木工は、経営戦略からワークプレイスをデザインする株式会社ディー・サインと協業し、無垢材の温もりと機能美を兼ね備えた新しい会議用テーブル「Peblo」を発表した。

オフィス空間において、会議用テーブルには機能性と美しさの両立が求められる。大切な打ち合わせの場には、落ち着きや温かみとともに、適度な緊張感や整った配線環境などの機能面での配慮が不可欠だが、「Peblo」は、これまで数多くのプロフェッショナルなワークプレイスを手がけてきたディー・サインのノウハウと、マルニ木工が得意とする彫刻のような木工加工技術を融合させて生まれた、これまでにない快適性と造形美を兼ね備えたミーティングテーブルとなった。

PRODUCTS
ミーティングテーブル180: ¥759,000/W1,800×D1,100×H720 mm
ミーティングテーブル240:¥1,007,600/W2,400×D1,100×H720 mm
ミーティングテーブル320¥1,563,100/W3,200×D1,100×H720 mm
※納期:約8週間
天板:ムク仕上げ、突板仕上げ
樹種:レッドオーク材、ウォルナット材



マルニ木工
ディー・サイン

2025年9月26日金曜日

【CACL】LIXIL・永山祐子建築設計と能登の伝統的風景を未来へと継承する共同プロジェクト始動

株式会社CACL、株式会社LIXIL、有限会社永山祐子建築設計の3社は2025年9月1日、令和6年能登半島地震で倒壊した家屋の黒瓦を建材としてアップサイクルする共同プロジェクトの発表会を開催した。

プロジェクト概要
このプロジェクトは、能登半島地震で全壊・半壊した家屋の黒瓦を廃棄せず、「創造的復興」のシンボルと見なし、建材へとアップサイクルすることで、能登の想いや記憶を未来へとつなぐ包括的な取り組み。

現在、能登半島地震で被害を受けた家屋は公費解体(※)により解体され、瓦は全国の処分場で廃棄されている。そこで、瓦に着目し石川県内の関係者をコーディネートするCACL、資源の循環利用を促進する建材技術を持つLIXIL、そして企画発案からデザイン、建築への使われ方までを監修する永山祐子建築設計の3社が、それぞれの強みを活かし、公費解体された家屋の黒瓦を新たな建材としてアップサイクルするための体制を確立した。
(※)公費解体:令和6年能登半島地震で半壊以上の被害を受けた家屋(住家、空き家、納屋など)について、所有者の申請に基づき、市が所有者に代わって解体・撤去を行う制度。
プロジェクト発表会

珠洲市役所での発表会には、泉谷満寿裕・珠洲市長、奥山純一・CACL代表取締役、永山祐子・永山祐子建築設計代表、羽賀豊・LIXIL常務役員が登壇した。
左から、羽賀豊・株式会社LIXIL 常務役員 デザイン&ブランド ジャパン部門 リーダー、永山祐子・有限会社永山祐子建築設計代表、泉谷満寿裕・石川県珠洲市長、奥山純一・株式会社CACL 代表取締役

奥山純一 氏(CACL代表取締役)
プロジェクトが生まれた背景にある想いを説明。陶磁器片に新たな価値を見出す活動と、復興支援で出会った黒瓦の破片について、「割れた断面から見えるオレンジ色と表面の黒色の対比が美しい」と感じたと語った。被災した住民から「解体されるとその記憶さえ思い出せなくなる」という話を聞き、黒瓦のアップサイクルを考えた。

泉谷 満寿裕 氏(珠洲市長)
珠洲市の現状について解説。約5600世帯のうち約7割が被害を受け、約半数が公費解体されることになったと述べた。「珠洲市における黒瓦は、誇りであり宝。廃業が続き、黒瓦を作れる会社がなくなってしまった今、この共同プロジェクトが展開され、生かされることは本当にありがたい。生まれ変わって残ることに大変意義があり、ここからプロジェクトが大きく広がることを願う。」

羽賀  豊 氏(LIXIL常務役員)は、自社の資源循環技術の実例を紹介した。「リサイクルは、廃棄されるものをアップサイクルするという流れも重要だが、今回は現地の思いも含めて、地域に根差した黒瓦がもう一度価値を生むことに可能性を感じる」と述べた。LIXILの意匠材「textone」の技術を用いた今回のマテリアル開発経緯や、素材のオレンジ色を活かした風合い、瓦片の大きさへのこだわりなど、技術的な特徴にも言及した。

永山  祐子 氏(永山祐子建築設計代表)
リユースを前提とした過去のプロジェクト事例を紹介し、ベネチアで奥山氏と出会ったことや、陶磁器片を建材に活かすアイデアを提案したことを振り返った。建築ならではの特徴として「建材を大量に使用できる価値があり、そこから雇用や技術、デザインという発展性も生まれる」と説明。「現在、大規模商業施設での使用を検討しているが、決して独り占めするのではなく、さらにたくさんの方々を巻き込みながら、もっと面白いことが広がっていくことを願う。」



〇株式会社CACL
 https://cacl.jp/
〇株式会社LIXIL
〇永山祐子建築設計

2025年9月25日木曜日

【NOT A HOTEL 】DESIGN COMPETITION 2026 開催決定、審査員にビャルケ・インゲルス、藤本壮介、片山正通

NOT A HOTEL株式会社は、40歳未満の建築家・クリエイターを対象としたデザインコンペティション「NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2026」の開催を発表した。最優秀賞に選ばれた作品には賞金1,000万円が贈呈されるほか、設計料が別途支払われ、NOT A HOTELとして実現・販売される。

審査員には、世界的建築家のビャルケ・インゲルス氏、藤本壮介氏、そしてインテリアデザイナーの片山正通氏が就任。書類審査と公開プレゼンテーションを経て、最優秀賞が決定する。また、今年から新たに「学生賞(U-25)」を新設し、次世代クリエイターの挑戦を支援する。コンペティションの舞台は、世界自然遺産である屋久島。樹齢数千年の屋久杉や苔むした岩々など、太古の自然が織りなす幻想的なロケーションに、「自宅/別荘 兼 ホテル」として使用可能な建築のアイデアが募集される。
審査委員(左から順に)Bjarke Ingels氏・藤本 壮介 氏・片山 正通 氏

コンペティション詳細
NOT A HOTEL DESIGN COMPETITIONは、U-40の建築家やクリエイターに創作の機会を提供し、多様な視点から新たな建築を実現することを目的としている。昨年開催された「2024」には、23カ国から620作品もの応募が寄せられ、国際的な注目を集めた。最優秀賞作品「NATURE WITHIN」は現在、販売に向けて進行中だ。
今回新設された学生賞は、実現・販売に縛られない“自由な賞”として、建築やデザインを志す若手への挑戦の場を提供する。学生による作品が最優秀賞に選ばれた場合、実現・販売に向けプロジェクトが推進される。
コンペティションの応募は、9月22日から特設サイトにて受け付けが開始された。
▲NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2026の舞台となる敷地


●DESIGN COMPETITION 2026 概要
対象: 2025年4月1日時点で40歳未満の建築家・クリエイター
国籍・資格・所属: 不問
賞金:最優秀賞(1作品):1,000万円(別途設計料)
優秀賞(4作品):50万円
佳作(5作品):15万円
学生賞(1作品):100万円(2025年4月1日時点で25歳未満)
※ 最優秀賞作品はNOT A HOTELとして実現・販売

●スケジュール
エントリー・作品提出締切: 2026年1月11日
1次審査結果発表: 2026年2月中旬
2次審査会(公開審査会): 2026年3月28日

●オンライン説明会開催
「NOT A HOTEL DESIGN COMPETITION 2026」のオンライン説明会が、2025年10月1日19時より開催される。参加希望者は公式サイトの申し込みフォームから登録できる。




NOT A HOTEL


2025年9月24日水曜日

【トーヨーキッチンスタイル】新デザインを発表  マットメタリックの進化形「S チタニウム2」

トーヨーキッチンスタイルは、主力製品であるシステムキッチン「BAY(ベイ)」および「BAY CUBE(ベイキューブ)」シリーズに新デザイン「S チタニウム2」を追加したことを発表した。

「S チタニウム2」は、従来の人気デザイン「S チタニウム」をベースに、より豊かな表情と質感を追求したリニューアルモデル。マットメタリックの落ち着いた質感に加え、特殊な樹脂含浸素材「HPL(ハイプレッシャーラミネート)」を採用することで、耐久性と美しさを両立させている。

HPLによる立体的なテクスチャーは、光の当たり方によって繊細な陰影を生み出し、時間帯や照明環境に応じてキッチンの表情が変化する。日中はシルバーの輝きが空間に明るさをもたらし、夜間には深みのある落ち着いた印象へと変化。キッチンが時間とともに異なる顔を見せることで、日常に新たな発見と感動を提供する。

▲マットメタリック「S チタニウム2」

スタンダードモデル「BAY」は、独自技術「3Dシンク」や「エアフロー」構造を搭載し、機能性とデザイン性を兼ね備えたキッチンシリーズ。
さらに、キューブ型のコンパクトキッチン「BAY CUBE」は、現代の多様化するライフスタイルに対応し、スマートな暮らしを提案するモデルとして展開されている。
▲BAY
▲BAY CUBE


BAY|トーヨーキッチンスタイル 
BAY CUBE|トーヨーキッチンスタイル 

トーヨーキッチンスタイル

2025年9月22日月曜日

【 KANADEMONO】法人向け新サービス「SITURAEMON(シツラエモン)」を発表

ルームクリップ株式会社 KANADEMONOカンパニーは、設計施工会社および卸業者向けの新サービス「SITURAEMON(シツラエモン)」を開始した。
SITURAEMONは、家具調達のプロセスをDX化することで、従来数ヶ月を要していた業務を効率化する新たなプラットフォーム。在庫確認、見積書発行、発注までをWEB上で完結でき、最短5営業日での出荷を可能にする。これにより、施工現場におけるスピードと柔軟性が大幅に向上する。

同社が展開する「KANADEMONO」は、個人向けのパーソナライズ家具ブランドとして成長してきたが、今回の新サービスでは、設計施工現場向けに特化したテーブル、什器、パーツを数千点規模で取り揃えている。

〇サービスの主な特長
7,000通り以上の組み合わせから選べる造作家具
「天板 × 金物」のモジュール構成により、テーブルやシェルフなど多彩な家具を製作可能。1cm単位でのサイズオーダーにも対応し、空間や用途に応じた最適なデザインを提供する。
幅広い素材展開
杉やウォルナットなどの無垢材、独自開発の突板に加え、メラミン素材もラインナップ。アイカ工業の高圧メラミンやリノリウム(全24色)、高機能素材FENIXなど、内装との色味調整が可能な素材を短納期で提供する。
最短5営業日でのスピード出荷
一般的な造作家具の納期が2〜4ヶ月であるのに対し、SITURAEMONでは発注から最短5日で出荷可能。急ぎの案件にも対応できる。
現場にもたらす5つの変化
<家具図面作成の簡略化>
モジュール選択のみでオーダー可能。仕上げ材の変更や配線孔オプションにも柔軟に対応し、OEMによる完全オーダーメイドも可能。
<短納期による業務効率化>
WEB上で完結する発注プロセスにより、急ぎの案件にも迅速に対応。
<高品質・低コストの両立>
スマートオーダーにより、品質を維持しつつコスト負担を軽減。
<部材単位での販売>
天板のみ、脚のみの購入も可能で、既存什器との組み合わせも自由。
<提案力の向上>
多様な素材と組み合わせにより、顧客ニーズに応じた柔軟な提案が可能。チェアや照明など空間づくりに必要なアイテムも充実している。
<利用方法>
販売パートナー登録後、WEB上で簡単に利用可能。登録は1〜2営業日で完了し、スマートフォンからでも手続きが可能。


今後の展望
SITURAEMONは、設計施工現場における「時間・コスト・提案力」の課題解決を目指し、造作家具に加えて什器やインテリアのラインナップを順次拡充予定。効率化と柔軟なデザイン提案の両立により、プロジェクト成功を支援する。


SITURAEMON公式ページ
https://situraemon.com/

ルームクリップ株式会社 KANADEMONOカンパニー
https://bydesign.co.jp/



2025年9月19日金曜日

【NOT A HOTEL】フランス建築界の巨匠ジャン・ヌーヴェル「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」プロジェクト始動

世界遺産の島・屋久島に、フランス建築界の巨匠ジャン・ヌーヴェル率いるAteliers Jean Nouvelが手がける新たな建築プロジェクト「NOT A HOTEL YAKUSHIMA」が誕生することが決定した。発表したのは、東京都渋谷区に本社を構えるNOT A HOTEL株式会社で、販売開始は2026年夏を予定している。

ジャン・ヌーヴェルは「光の魔術師」とも称される建築家であり、今回のプロジェクトでは、人工物と自然、物理的なものと精神的なもの、そして現実と夢との境界を溶かす詩的な空間を創出する。岩とガラスで構成された建築は、大地から隆起するように姿を現し、雨の影や水の響きを映し出す。屋久島の豊かな自然と調和し、幻想的なひとときを紡ぐ空間となる。

ヌーヴェルはこのプロジェクトについて、「最も洗練されたものは自然の中にある」と語る。風景や小径、起伏、そしてふと現れる眺め。それ以外は何もない。一本の木、ひとひらの草の葉、ひとつの石と恋に落ちるような体験を提供することが目的だという。石や庭、むき出しの大地の中にこそ、この島を体験する理想的な方法があるとし、自然、場所、芸術作品、雨、水の音が融合する空間を目指す。
※掲載しているCGパースは全て完成予想図で、上記仕様は変更になる場合がある

設計コンセプト(ジャン・ヌーヴェル)
(C)Albert_Watson_JN portrait

最も洗練されたものは、自然の中にある。風景や小径、起伏、そしてふと現れる眺め。それ以外は、何もない。
このプロジェクトは、単に住まう場所をつくることではない。一本の木、ひとひらの草の葉、ひとつの石と恋に落ちることなのだ。
まるで現代美術の収集家のように、石や庭、むき出しの大地の中にこそ、この島を体験する理想的な方法を見出すことができる。

それは自然であり、場所であり、芸術作品であり、雨であり、水の音だ。
その根底にあるのは石。時間や雨風によって形作られ、歳月の記憶をまとう永遠の存在。
その周囲には岩や石壁が、まるで昔からここに存在していたかのように配置される。
この島はまるで宝物のような場所だ。
現れては消え、すべてが変化しうる場所でありながら、それでも常に、静かに想いに耽る喜びを与えてくれる。
ここでは時間は不変で、静謐は絶対的、瞑想的でなければならない。
ガラスのように最もシンプルな素材が選ばれるのは、雨への感覚を研ぎ澄ますため。
水の透明性や、その向こうに広がる空を映し出し、そこから湧き上がる根源的で自然な感情を呼び起こすためだ。