岐阜県多治見市に本社を置く株式会社トークリビングは、京都を拠点に世界的に活躍する建築家・高松伸とのコラボレーションによる器「洛(らく)」を2025年10月1日(水)に発売した。鋭くも詩的な造形思想を器というスケールに託し、京都の美意識を表現した本シリーズは、「舞」「雅」の2シリーズ、計5アイテムで構成される。
かつてアリストテレスは、この世には我々が知覚し得るところの「地」「水」「火」「風」の四元素が存在するものの、それら以外に我々の感覚ではとらえることが不可能な第五の元素が存在し、それが世界に遍く満ちることによって世界を世界たらしめていると確信した。そして彼はそれを「エーテル」と命名した。
少なくとも応仁の乱以降このみやこで家系を紡がなければ決して「京都人」とは認めていただけないものの、それでもこの地に住んで50年以上。ということで多少の物言いを大目に見ていただくならば、京都には確実にかの「エーテル」が存在し、他でもないそれが京都を京都たらしめていると断言できる。それを「雅」とか「艶」とか「華」とは決して呼ばないでおこう。ともあれ「洛」は、その京都の第五元素に「器」を通じて触れなんとする私なりの作法である。
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