本展では、京都工芸繊維大学の建築学生が取り組んだ設計課題の成果を「造形遺産001-025」「造形遺産026-035」「造形遺産036-043」「造形遺産044-053」に引き続き、「造形遺産054-067」として紹介する。
日本にはさまざまな理由で未完成となり、そのままの姿で時代から置き去りにされた道路やダム、高架橋、トンネル、擁壁、土手、掘削跡などが数多く存在している。
これらの対象を「造形遺産」と呼び、その未来として完成でも取り壊しでもない第3の可能性を考えた。
<造形遺産No.54 旧九条山浄水場> 長坂研究室
既存敷地模型 |
増改築を重ねながら京都の水事情を支えた通称「めがね池」。今も九条山の中腹からひっそりと市内を見下ろす。昨年疎水の通線事業が始まりふもとのポンプ室周辺のみの再開発事業が決定した。そこを入り口とし、続く山全体を美術館として蘇らせることで、文化地域岡崎の一角に新たなランドマークを創出する。
<造形遺産No.55 武智丸> 角田研究室
戦中の鋼材不足により開発されたコンクリート船が現在では防波堤となっているが、釣り客のごみが散乱することから立ち入り禁止となっている。船体内部に防水処理を施すことで浴場として利用し、これまで海の中へと沈んでいた空間を湯の溜まる空間へと転換する。
<造形遺産No.56 豊洲貯木場跡> 木下研究室
木材の流通の変化によって使われなくなった豊洲運河に位置する水中貯木場を、水上キャンプ場に転用する。丸太で埋め尽くされた当時の風景を、水流によって関係が変化するテントサイトによって蘇らせ、開発が進む東京臨海部に新たな風景を作る。
上記3作品以外の12作品のプレゼンボード 機能は個人住宅から宿泊施設、合葬墓までさまざま |
建築設計やランドスケープデザインのスキルを生かし、当初の目的に囚われずに造形遺産を有効活用するアイデアを提案する本展は10月20日(日)まで。来場無料。
詳細はこちら。
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