2019年9月19日木曜日

「第31回高松宮殿下記念世界文化賞」受賞者発表

世界の優れた芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞(公益財団法人 日本美術協会主催)の第31回受賞者が発表され、建築部門では、米ニューヨークを拠点に活動する、トッド・ウィリアムズ氏とビリー・ツィン氏(Tod Williams Billie Tsien Architects)の建築家夫妻が受賞をした。
トッド・ウィリアムズ & ビリー・ツィン 
Tod Williams & Billie Tsien

両氏は、1977年から協働、1986年にパートナーとなり、研究所や博物館、学校など営利目的ではない建物の設計を多く手掛ける。建築物の価値や利用方法を重視しながら、素材や構造を緻密に分析。環境に溶け込み、“手造り感”のあるデザインは穏やかで温かみのある空間を創り出す。米カリフォルニアの『神経科学研究所』(1995)で注目され、香港やインドなど国内外で多数のプロジェクトを成功させた。代表作の米フィラデルフィアの『バーンズ財団美術館』(2012)は自然を取り入れたデザインで、旧館の邸宅美術館の荘厳な雰囲気をに再現。オバマ前大統領とミシェル夫人により、米シカゴの『オバマ大統領センター』(2022年完成予定)の設計者に選ばれ、話題となっている。
 『バーンズ財団美術館』2012年
The Barnes Foundation, 2012 

 『バーンズ財団美術館』の展示室
Gallery of The Barnes Foundation

『アジアソサエティ香港センター 』2012年
Asia Society Hong Kong Center, 2012
Courtesy of TWBTA
© Michael Moran

『オバマ大統領センター』予想図  2022年完成予定
 Architectural rendering of The Obama Presidential Center  
 (Scheduled for completion in 2022)
Courtesy of TWBTA, The Obama Foundation

他、各部門の受賞者は下記の通り。
第31回 高松宮殿下記念世界文化賞 受賞者
■ 絵画部門    ウィリアム・ケントリッジ (南アフリカ)
■ 彫刻部門    モナ・ハトゥム (イギリス)
■ 建築部門    トッド・ウィリアムズ & ビリー・ツィン (アメリカ)
■ 音楽部門    アンネ=ゾフィー・ムター (ドイツ)
■ 演劇・映像部門 坂東 玉三郎 (日本)
第23回 若手芸術家奨励制度 対象団体
■ デモス(フィルハーモニー・ド・パリ)= フランス

授賞式典は、日本美術協会総裁の常陸宮殿下、同妃殿下ご臨席のもと、10月16日(水)に東京・元赤坂の明治記念館で行われ、5部門の受賞者には、それぞれ顕彰メダルと感謝状、賞金1500万円が贈られる。若手芸術家奨励制度の対象団体には、9月17日(火)、パリでの発表記者会見の席上、奨励金500万円が贈られた。

10月17日(木)には、トッド・ウィリアムズ&ビリー・ツィンの受賞者記念建築講演会が鹿島KIビルにて行われる。詳細はHPにて。

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