2022年7月27日水曜日

amanaTIGP にて 個展 安藤忠雄「時をつなぐ建築」開催中

六本木駅から徒歩 10 分ほどの AXISビル の 2 階にある amanaTIGP安藤忠雄「時をつなぐ建築」が開催されている。安藤忠雄氏にとって、本展は amanaTIGP での初めての個展となる。 


会場内には本展に合わせて発表される安藤忠雄シリーズ第七弾のポートフォリオ集『ANDO BOX VII』より写真作品 4 点、模型作品 2 点に加え、安藤直筆のオリジナルドローイング、 2019 年に発表された自身のポートフォリオ集『ANDO BOX VI』より写真作品 15 点の計 22 点 が展示されている。 




会場に入り、受付を通ると『ANDO BOX VII』の作品が最初に展示されている。 『ANDO BOX VII』では、2つの歴史的建造物の再生プロジェクトに焦点を当てていて、これらの建築物はともに公的機関から現代美術館へとその機能を引き継いだ。安藤にとって歴史の刻まれた建物の再生は、長いキャリアの中で挑戦的に取り組み続けているテーマだ。安藤は再生において、新旧の融和を目標にしてはいない。それぞれの空間の独立性を認め、安藤が新旧の仲介者となることで対話を促し、再生へ繋いでいく。 


『ANDO BOX VI』の作品 15 点は安藤が活動の過程で追い求めてきた「建築の光」を、自身で撮影した作品だ。安藤は、表層の装飾的な要素に頼らない、裸体の空間を試みるようなコンクリート打放しの造形にあらゆる角度から光が差し込んでいる建築を特徴としている。自らの足で世界を渡り歩き様々な建築を目の当たりに経験を積み、今でも忘れ難い建築として言及する「ロンシャン礼拝堂」のような、静かで柔らか、それでいて人々の心の中に永遠に生き続けるほどの強烈な美しさを持つ光を追い求めている。


以下、プレスリリースに記載している安藤のメッセージ

文化とは、その場所に息づく共同体の歴史、「都市の記憶」の堆積の上に育まれるものだ。その意味で古い建物に手を加え再生するリノベーションは、単なる建物の再利用というのではない、極めて本質的な建築創造の手段だといえよう。そこで目指すべき地点として、私が心に描くのは、表層的な「更新」でも「付け足し」でもない、新旧がそれぞれに自立した存在として対峙し、対話する関係性の構築である。その一つの答えとして、私は、旧いものを徹底して旧いままに残した上で、その内側に新たな空間を挿入する、新旧の入れ子構造を試みる。「建築の中の建築」となるべき「新」の空間は、それを取り巻く「旧」の圧倒的存在感に対峙するに足る「強さ」を持たねばならないだろう。その「強さ」を、私は、プラトン立体のごとく原初の幾何学が持つ純粋性に期待する。激しい新旧のコントラストは、当然のごとくぶつかり合い、場に不和を生じる。だが心配はいらない。悠久の時を生きる自然の光が、その葛藤を生命の手で包み込み、「対話」へと昇華してくれる。そうして過去から現代、未来へ――時間がつながっていく。 


2022 年安藤忠雄「時をつなぐ建築」 安藤忠雄「時をつなぐ建築」

会期:2022 年 7 月 9 日(土)~2022 年 8 月 13 日(土) 
開館時間:12:00~18:00 休館日:日曜・月曜・祝日
会場: AXIS ビル 2 階 amanaTIGP
   六本木駅(3 番出口)より徒歩 8 分 (都営大江戸線)(東京メトロ日比谷線) 
   六本木一丁目駅(2 番出口)より徒歩 8 分 (東京メトロ南北線) 
   麻布十番駅(7 番出口)より徒歩 8 分 (都営大江戸線)
入場料:無料

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