2025年10月21日火曜日

【NUNO】展覧会「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り」展示空間のためのオリジナルテキスタイルを制作

 テキスタイルスタジオNUNO(株式会社 布、代表:須藤玲子)が、パナソニック汐留美術館で開催中の展覧会「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り」に向けて、展示空間のためのオリジナルテキスタイルを制作した。展覧会は2025年12月17日(水)まで開催されている。
展示空間には、NUNOが制作した《Wiener Werkstatte ロゴ柄》などのテキスタイルが展示台や壁面に使用され、作品の背景として空間全体を支えている。これらのテキスタイルは、ウィーン・スタイルに対する独自の解釈に基づき、6種類のジャカード織で構成されている。
展覧会の展示空間にオリジナルテキスタイルを導入するという発案は、ゲストキュレーターである新見隆(武蔵野美術大学教授)によって提案されたもの。ウィーンの生活文化における二つの時代、ビーダーマイヤー期と世紀末期を取り上げる本展では、伝統と革新の実践が重要なテーマとなっている。NUNOのテキスタイルは、日本における同様の精神を象徴するものとして採用された。

須藤玲子は、NUNOのメンバーとともに、ウィーン・スタイルを再解釈した6種のジャカード織テキスタイルを開発。ウィーン工房のロゴを連続模様に展開した《Wiener Werkstatte ロゴ柄》、コロマン・モーザーの椅子から着想を得た《アームチェア》《格子》、チャールズ・レニー・マッキントッシュの家具やファブリックにインスピレーションを受けた《マッキントッシュ》などが含まれている。これらのデザインは、ウィーン世紀末の幾何学的造形を基盤としている。
テキスタイルの制作にあたっては、作品保護の観点からコットンや麻などのセルロース素材を使用。展示空間に適した配色への調整も行われ、細心の注意が払われた。製織は埼玉県飯能市の専門工場・マルナカが担当し、全長250メートルに及ぶテキスタイルが完成した。
《Wiener Werkstatte ロゴ柄》は象徴的な存在として、トートバッグ、プレイスマット、コースター、シルクスカーフなどの限定グッズに展開。これらは展覧会会場およびNUNO店舗で販売されている。NUNOは今回の展覧会を契機に、これらのテキスタイルを新たなコレクションとして位置づけ、インテリアやファッションへの展開も予定している。

展覧会では、19世紀前半のビーダーマイヤー期と世紀転換期のウィーン生活文化を紹介。銀器、陶磁器、ガラス、ジュエリー、ドレス、家具など約270点の作品が展示されている。両時代に共通する美意識として、実用性と快適さ、誠実で節度ある装飾、自然への眼差し、詩的な遊び心が挙げられる。これらの要素を空間構成と相互比較によって体感できる構成となっている。

【展覧会概要】
会場:パナソニック汐留美術館
(東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック汐留ビル4階)
会期:2025年10月4日(土)~12月17日(水)
※土・日・祝は日時指定予約制(平日は予約不要)
※会期中に一部展示替えあり
(前期:10月4日~11月11日、後期:11月13日~12月17日)
休館日:水曜日(12月17日は開館)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※11月7日、12月5日、12日、13日は夜間開館
(20:00まで、入館は19:30まで)
入館料:一般1,500円




NUNO

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