乃木坂にあるTOTOギャラリー・間にて7/19より「クリスチャン・ケレツ展 The Rule of the Game」が開催中(~9/28まで)。
スイスの現代建築家であるクリスチャン・ケレツ氏、日本初の個展。代表作品として、「フォースター通りのアパートメント(2003)」「壁一枚の家(2007)」「ロイチェンバッハの学校(2009)」などがあげられるが、今回の展覧会では近年取り組んだ5つの設計競技案のみをコンセプト模型と図面、CG画像や映像などで紹介したシンプルな展示構成。
単に美的感覚で生み出されたものではなく、諸々の条件を起点に空間や構造についての検討を繰り返すことによって結びついたデザイン過程の一部を見てほしいとのこと。
3F展示会場
近年取り組んだ3つの設計競技案の展示。
「ホルシム研究開発センター(2008)」
グリット上のスチールの中に数本の円柱を入れたスタディ模型。
円柱を用いて、光の通り道の検証をしたもの。
上の写真の模型を元にスラブの随所に円形の開口をつくり、下の階まで光が落ちている。
「ワルシャワ近代美術館(2006-2012)」
模型、映像のほか、実際のコンペでポーランド政府に提出したビジュアル資料の一部もあり、自由に見ることができる。
他3Fには14階建のオフィスビル「スイス・リー・ネクスト(2008)」の展示がある。
4F展示会場
2つの進行中のプロジェクトの展示。
写真手前は「パライゾポリスの公営住宅(2009–2014)」
「鄭州の高層ビル 第1・2案(2011/2012–2013)」
外部空間に張り巡らされた無数のテンションワイヤーはテントのような考え方でスラブにかかる荷重を配慮した上でこのようなデザインとなった。
展覧会初日は津田ホールにて関連の講演会も行われ、展示会場に展示されている作品の他、実作についての説明もあった。
また今まで手掛けた18作品を掲載した日本初となる作品集「クリスチャン・ケレツ 不確かな必然性(仮)」の発売も決定しており、本のデザインはケレツ氏がおこなった。発売は8月中を予定している。
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