2021年4月19日月曜日

2021年日本建築学会賞(作品)受賞作品発表

一般社団法人日本建築学会より、2021年日本建築学会賞(作品)が発表された。
日本建築学会賞(作品)は、近年中、国内に竣工した建築作品であって、芸術・技術の発展に寄与する優れた作品を表彰するもので、本年は、審査対象51作品のうち8作品の現地審査を経て、下記の作品が2021年日本建築学会賞(作品)として選出された。

●島キッチン
安部 良(安部良アトリエ一級建築士事務所代表)

●上勝ゼロ・ウェイストセンター
中村拓志(中村拓志&NAP建築設計事務所)
山田憲明(山田憲明構造設計事務所代表取締役)

●京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)
西澤徹夫(西澤徹夫建築事務所)
青木 淳(AS代表取締役)


 
                                          (撮影:堀田貞雄)
島キッチン
安部 良(安部良アトリエ一級建築士事務所代表)
本作品は、持続的なメンテナンスをはじめ、キッチンや屋内席のある主屋部分の改修を繰り返す過程で、作品は建築家や芸術祭から地域住民へと主体者意識が移行し、より長期的に安全性が確保されたコミュニティ活動の場として、地域の「建築」へと至った。建築家が地域社会に果たせる役割を考える上で可能性を広げる大変示唆に富む作品であり、現代において持続可能な社会の実現に建築作品がいかに貢献していくことができるのかという問いに対して、一つの明快な答えを示している点が高く評価された。



                                     (撮影:藤井浩司(TOREAL))
上勝ゼロ・ウェイストセンター
中村拓志(中村拓志&NAP建築設計事務所)
山田憲明(山田憲明構造設計事務所代表取締役)
本作品は、小さな町の大きな理念という見えないものに形を与え、迫力を以て来訪者に「わかり易く」伝えると  いうミッションに対し、設計・建設行為は、域外から物を持ち込まない、廃材を出さない、地域資源を活用する、という観点で徹底的に検証され、自らのゼロ・ウェイストを突き詰めて発信することで、建築としての使命を全うさせており、設計者の挑戦と調和には時代を画する稀有なものがあるとして、選出された。



                                          (撮影:阿野太一)
京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)
西澤徹夫(西澤徹夫建築事務所)
青木 淳(AS代表取締役)
ロンドン、ニューヨーク、パリなどの都市では、古さの上に新しいものを幾重にも重ねていく所作で、時代時代の物語を様々に読み取ることのできる、フロー型にはないストック型都市の奥深い魅力を作ってきた。本作はこのような意味で国内の先駆的な作品といえる。公共施設デザインの都市に対するあり様として、美術館の体験にとどまらず、非常に巧みで優れた都市体験に拡張して見せ、見慣れた古い建物の地下に斬新なエレベーションが立ち現れるこの姿は、歴史的建物が並ぶこの都市が実は、我々の目に触れない地下部分で最先端に更新されているのかもしれないと想像させる衝撃力も持っていて、私たちの都市観にまで作用する類稀な力作であるとして、選出された。



詳細はこちら
(一社)日本建築学会 
https://www.aij.or.jp/2021/2021prize.html



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