建築家・安藤忠雄氏が建築し、熊本県(知事:蒲島郁夫)に寄贈した「こども本の森 熊本」が2024年4月8日(月)に開館する。施設の名誉館長には同県出身の俳優・宮崎美子氏が就任する。
「こども本の森」は、活字離れが進む子どもたちに、本の楽しさ、豊かさを知ってもらおうと始まったプロジェクトで、全国に3カ所あり、熊本県は4カ所目、九州エリア初の設置となる。
「こども本の森 熊本」 について
■所在地:熊本県熊本市中央区出水2丁目5-1(熊本県立図書館横)
■開館時間:午前9時30分~午後5時 / 入館無料
■休館日:毎週火曜日、毎月最終金曜日、特別整理期間、年末年始
■特徴:熊本県の魅力である豊かな自然に囲まれた場所に位置し、熊本県産木材の格子天井で包まれた施設内には、子どもたちが本と向き合うためのさまざまな居場所が用意されている。バルコニーから隣接する旧砂取細川庭園(水前寺江津湖公園内)へは、本を持ち出して読むことができる。同館のPRのため、しおりやトートバッグなど各種オリジナルグッズを、館内および東京の銀座くまもと館で販売。(銀座くまもと館では5月31日までの期間限定販売)
■入館方法:時間帯ごとの完全入れ替え制、定員50名(事前予約枠30名・予約なし枠20名)
※ 館内の混雑を緩和し、子どもたちが本と向き合える環境を確保するため、完全入れ替え制を導入。入館や事前予約方法についてはHPを確認。
■HP: https://kodomohonnomori.kumamoto.jp/
関係者からのメッセージ
◆建築家・安藤忠雄氏
「こども本の森」は、活字離れが進む子どもたちに、本の楽しさ、豊かさを知ってもらおうと始まったプロジェクトです。コンセプトは官民一体で取り組む、今を生きる大人から未来を担う子どもたちへの贈り物です。
建物を計画する上でいつも大切に考えているのは、子どもたちが「自由」を感じられる場所に、という点です。どんな本を選んでも、どこで読んでもいい。外に持って出ても構わない。「敷地全体が閲覧室」のイメージです。管理の問題など考えると難しい所もありますが、その点、熊本は、県立図書館との一体的な運営が可能な立地で、かつ隣には美しい自然公園が広がるという好条件。とても理想的な形で「自由」を表現することが出来ました。「熊本から世界へと羽ばたく子どもを育てたい。」プロジェクトに関わったすべての人が、この想いを共有していたからこそ、実現したのだと思っています。
人間は、刺激的な出会いを求めて旅に出ますが、ページをめくるほどに新しい世界が広がる、本もまた心の旅です。そこで得る感動は、常識にとらわれることなく、自分の頭で考え行動できるというような、「生きていく力」の肥やしとなるものです。施設を訪れた子どもたち一人一人に、人生を豊かにする大切な一冊との出会いが訪れることを期待しています。
こども本の森 熊本 名誉館長 宮崎美子氏
人生は一度きりですが、私は女優というお仕事をとおして様々な役を演じ、いろいろな人生を疑似体験してきました。でも、本はもっと自由だと思います。衣装やセット、時間や空間の制限もなく、魔法の世界にも、宇宙にだって、どこへでも行けてしまうのです。本の中に広がる自由な世界はとても素敵で、本の中から現実の世界に戻って来ても、心が元気になります。本の効用って凄いなあと思うんです。
「こども本の森」には、安藤さんの、子どもたちに対するあふれる思いがたくさん込められています。今、私は、県外に住んでいますが、いつも故郷熊本を想っています。ですから、この大切な「こども本の森 熊本」の名誉館長を任せていただくことを、とても嬉しく思っています。
感受性豊かな子どもたちが、本の森の中で、本を手にした時の重さ、紙のにおいや手触り、開いた時のワクワク感を体全体で感じてほしいなと思っています。本を読んで、空想したり、夢見たり、友達と出会ったり、そして、「新しい世界が始まるんだな」という感動を子どもたちが体験する場に、「こども本の森」がなってくれればいいなと思います。
故郷の子どもたちが、ここから、元気に羽ばたいていくお手伝いができたらいいなと思っています。
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