2019年10月22日火曜日

第31回 高松宮殿下記念世界文化賞         受賞者合同記者会見・個別懇談会開催


記者会見の様子
世界の優れた芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞(公益財団法人 日本美術協会主催)の第31回受賞者と同賞国際顧問による合同記者会見が15日、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京にて行われた。

建築部門で受賞したアメリカのトッド・ウィリアムズ&ビリー・ツィン両氏も来日し、トッド氏は「世界文化賞は"橋"。世界と日本という島国だけではなく、人をつなぐ。どうして自分が選ばれたのか、その意味を考えていた。また、31年の歴史に加えていただきありがたい。この賞に恥じないよりよい建築をつくりたい」、ツィン氏は「今世界は非常に怒りや分断が高まっている。日本が平和を啓蒙するべきという認識も高まっている。芸術は共通の場であり、人と人をつなぐもの。受賞に感謝したい」と喜びの言葉を述べた。

また、今回台風19号の影響により彫刻部門受賞者 モナ・ハトゥム氏の来日日程が変更となり、合同記者会見および受賞者個別記者懇談会には出席が叶わなかった。
記念撮影
後列右から建築部門受賞者
トッド・ウイリアムズ氏&ビリー・ツィン氏
個別懇談会での様子

その後のトッド・ウィリアムズ氏&ビリー・ツィン両氏
の個別懇談会では、ビリー氏は「これまで仕事上のパートナーとしての複数名受賞者はいたが、結婚しているパートナーとしては初。結婚しているパートナーでは、どちらかが受賞について祝福をすることは多々あるが、同等の立場でお互いに喜びを分かち合うことができた」と自身の立場と受賞の喜びについてなどの話をした。


また、トッド氏は「お互いが違うのでそれぞれの立場から物事をみる。クリエイティブな仕事とは、対立があり解決策をつくることで、生活・人生のようなもの」と自身の仕事感について語った。

記者からの「オバマ大統領センター、クライアントをどう捉えているか」に対しての質問には、トッド氏は「オバマ氏はアフリカ系アメリカ人として、初の大統領。非常に倫理的で一人ひとりの声が聞こえるように、という想いがあった。タワーは希望とコミュニティを具象化したもの。」と述べ、ビリー氏は「オバマ前大統領は若い人を教育することに熱心。私たちの作品は、クライアントとの関係から生まれる。パークからキャンパス、大統領からタワーの着想が生まれた。一人ひとりのストーリーが大事」と述べた。
また両氏は「ただの箱にはしたくない。建物と建物の間の活動も大事。誰にとっても居場所があるものにしたい」と語った。

最後に両氏の関係性について、トッド氏は3D、ビリー氏は2D。違う視点で各々考えているが、同じ価値観を共有していると話をした。地上では違う木だが、地下では根が絡み合っていると例えた。

16日には授賞式典が、17日には鹿島KIビルにて記念講演会を開催される。
他、各部門の受賞者は下記の通り。
第31回 高松宮殿下記念世界文化賞 受賞者〈敬称略〉
■ 絵画部門    ウィリアム・ケントリッジ (南アフリカ)
■ 彫刻部門    モナ・ハトゥム (イギリス)
■ 建築部門    トッド・ウィリアムズ&ビリー・ツィン (アメリカ)
■ 音楽部門    アンネ=ゾフィー・ムター(ドイツ)
■ 演劇・映像部門 坂東 玉三郎(日本)
第23回 「若手芸術家奨励制度」 対象団体
■ デモス(フィルハーモニー・ド・パリ) (フランス)
高松宮殿下記念世界文化賞 

0 件のコメント: