2026年5月20日水曜日

【ジンズ】ヘザウィック・スタジオと協業したアイウエアコレクションを発売

ジンズは、英国を拠点とするデザイン集団ヘザウィック・スタジオと協業したアイウエアコレクション「JINS × Heatherwick Studio」を5月14日に発売した。一部の直営店舗とオンラインショップで取り扱う。建築や都市開発分野で知られる同スタジオにとって、アイウエアコレクションの展開は初めてとなる。

今回の企画は、これまでジンズが進めてきた外部クリエーターとの協業プロジェクトの一環で、従来の眼鏡に対する発想を広げる狙いがある。ヘザウィック・スタジオはロンドンと上海に拠点を構え、都市空間や建築、プロダクトなど幅広い領域で活動するデザインチームで、ニューヨークの公共施設「リトル・アイランド」や東京・麻布台ヒルズなどの開発に関わるなど、国際的に評価を高めてきた。
大規模建築からプロダクトへと領域を横断する試みとして、今回のアイウエア開発に取り組んだ格好だ。新製品では、「Liquid(液体)」というコンセプトを軸に据え、水の流れや波紋といった有機的な動きを造形に取り込んだ。従来の眼鏡に見られる直線的で左右対称のフォルムから意図的に逸脱し、左右非対称のデザインを採用している点が特徴となる。流動する一瞬を切り取ったような曲線構成により、顔周りに柔らかな印象をもたらす一方で、装着時の安定性やフィット感といった機能面にも配慮した設計とした。
素材には、表情の奥行きを引き出す樹脂フレームと、軽量で強度に優れるチタンフレームを使用し、それぞれ異なる質感を持たせた。ラインアップは全4型12種で、樹脂フレームが2型8種、チタンフレームが2型4種。色は自然界に存在する液体から着想を得た6色で展開する。価格は樹脂フレームが1万3000円、チタンフレームが3万円で、標準クリアレンズを含む。ジンズはこれまでも国内外のデザイナーや建築家と協業し、機能性とデザイン性を両立した商品開発を進めてきた。眼鏡を視力矯正器具としてだけでなく、ファッションや自己表現の一部として再定義する取り組みを続けており、今回のコレクションもその延長線上に位置づけられる。
特に建築家との協業では、空間設計の思想や造形感覚を小型プロダクトに落とし込む点が特徴となる。背景には、アイウエア市場における差別化の必要性がある。機能面での成熟が進む中、デザインやブランド価値による選択の重要性が高まっているほか、消費者の嗜好の多様化も顕著になっている。独創的な造形やコンセプトを打ち出すことで新たな需要を喚起し、市場の拡張につなげる狙いがあるとみられる。
ヘザウィック・スタジオは1994年にトーマス・ヘザウィック氏が設立し、現在は250人以上が在籍する。建築やインフラからプロダクトに至るまで幅広い分野で活動し、世界各地で約30件のプロジェクトが進行中とされる。従来は大規模案件が中心だったが、今回のような日常的に身に着けるプロダクトへの展開は、デザインの適用領域を拡張する試みともいえる。
巨大構造物を手がける設計思想と、生活に密着したアイウエアというスケールの異なる領域が交差することで、従来の眼鏡には見られなかった造形表現が生まれている。ジンズにとってはブランド価値の強化につながる一方、ヘザウィック・スタジオにとってもデザインの新たな可能性を探る機会となる。両者の協業は、成熟市場における付加価値創出の一つの方向性を示すものといえそうだ。






JINS










0 件のコメント: