淡路島の土から生まれた新たな家具ブランドが始動する。近畿壁材工業が運営する「土のミュージアムSHIDO」は、淡路島の土を用いた家具ブランド「TSUCHI(ツチ)」を立ち上げるとともに、その初の発表の場となる展覧会「LAND/TRACE ― 大地のプロダクト展 ―」を2026年7月4日から開催する。
TSUCHIは、淡路島の土や地層、風土の中に刻まれた時間の痕跡を、家具や照明、生活道具として現代の空間へと移し替えることを目指すブランドだ。土を単なる素材として扱うのではなく、その土地の成り立ちや風景、人々の営みの記憶を内包した存在として捉え直し、暮らしの中で触れられるかたちへと再構成する。
本展では、スツールやローテーブル、ベンチ、照明、お香立てなどを展示する。いずれも土が本来持つ粒子感や凹凸、不均質な質感を生かしたデザインが特徴で、光の当たり方によって変化する陰影や素材の揺らぎが、そのままプロダクトの表情として表れている。均質さや効率性が求められる現代の空間に対し、自然素材ならではの静けさや奥行きを持ち込もうとする試みといえそうだ。
ブランド誕生の背景には、土のミュージアムSHIDOがこれまで続けてきた活動がある。同施設は、土や左官文化、アートを通して新たな豊かさを社会へ発信する拠点として運営されており、TSUCHIはその理念を建築空間から家具やプロダクトの領域へと広げる取り組みとして生まれた。土の深層に眠る時間や風景、そこに残された手の痕跡を読み取りながら、日々の暮らしの中で自然と向き合うきっかけを形にしていく。
素材として淡路島の土を用いることにも意味がある。淡路島は日本神話において国生みの最初の島とされる土地として知られるが、TSUCHIはそうした物語性を前面に押し出すのではなく、大地そのものに向き合うための起点として捉えている。土や石、地層、ひび割れ、風雨が刻んだ痕跡は、自然の造形であると同時に、その土地が積み重ねてきた時間の記録でもある。ブランドは、そうした土地固有の質感や記憶を読み取りながら、現代の住空間に調和するプロダクトとして立ち上げることを目指している。
展覧会名の「LAND/TRACE」には、大地とその痕跡という意味が込められた。展示されるプロダクトは、機能やデザインだけを語るものではなく、土地と時間の積層を可視化する存在でもある。建材として親しまれてきた土が、家具や照明としてどのような表情を見せるのか。展覧会は、素材の可能性を探る場であると同時に、私たちの暮らしと大地との距離をあらためて見つめ直す機会にもなりそうだ。
LAND/TRACE - 大地のプロダクト展 -
会期:2026年7月4日(土)- 8月16日(日)
時間:平日 13:00 - 17:00 / 土日祝 10:00 - 18:00
休館:火・水 ※予約の場合開館
会場:土のミュージアムSHIDO
住所:〒656-1521 兵庫県淡路市多賀2150
入場:500円 ※予約優先制
Instagram:https://www.instagram.com/tsuchi.japan/
お問い合わせ:info@tsuchi-japan.com
TSUCHI





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