2020年10月20日火曜日

アキュラホーム  西口彩乃『木のストロー』発行


間伐材を使った木のストローを作りたい-住宅会社に勤める広報社員の一途な想いからスタートした企画が、周囲の反対や度重なる失敗にもかかわらず多くの人の助けと著者自身の決してあきらめないという粘り強さで製品化を実現するまでを描いた実話。著者は住宅会社で営業職を経て本社広報に配属。日々の広報活動の中である環境ジャーナリストから「木のストロー」を作れないか、という相談を受けたことをきっかけに前人未到の挑戦を始めることになる。間伐材の有効利用の一環として「木のストロー」を作れば森林管理と廃プラ問題の一助になるのではないか、という壮大な夢に向けて苦難の日々。住宅会社で何故「木のストロー」を作る必要があるのかといった社内の反発、試作品を作るまでの失敗等々、組織に所属するいち社員がさまざまな波浪に翻弄されながらも、決して夢を諦めない強い想いで不可能を可能にした姿は読者に多くの勇気を与えてくれる。


「木のストロー」
著:アキュラホーム
  西口彩乃
定価:1400円+税
発行日:2020年10月30日
発行:扶桑社

木のストロー - アキュラホーム

2020年10月19日月曜日

織田建築設計室「妙蓮寺の住宅」内覧会

 神奈川県横浜市港北区に織田建築設計室設計の「妙蓮寺の住宅」が竣工した。今回は10月3日にあった内覧会に参加。


開発中の分譲地の一画に建つ戸建て住宅の計画。
画一的な分譲住宅がそれぞれの敷地いっぱいに建ち並ぶことが想定されるため、注文住宅ならではの周囲との差別化と、建て込んだ環境下でいかに心地よく日常を過ごせる空間を作れるかということが設計に求められた。

2階居間からテラス越しに外の景色を望む

周囲が建て込んでいる立地ということ、南側を道路に接道しているという条件から、日当たりがよいからといって南側に安易に大きな開口部を開けることは得策ではないと考え、外部との間にテラスを介し、そこに大きく開口部を設けられるプランを考えた。

食堂から居間を見る
右手に畳張りの客間。梯子を上るとロフトがある

2階は居間食堂を中心として仕切りのほとんどない空間であるため、空間を覆う大屋根は屋根なりの勾配天井とし、余剰空間としての小屋裏は居間の吹き抜けと程よい距離間でつながりを持たせた書斎的な場所として活用することで、空間の広がりを縦方向にも感じられるような構成とした。

木の香りに包まれたロフトは書斎を想定している

ロフトから居間を見下ろす

迫力ある勾配天井の梁
米松の構造材をあらわしとし、断熱材充鎮の後にシナベニヤを貼った天井仕上げとしている

客間から食堂・居間を見る
右手開口は階段とつながり、その先はテラスを介して外の景色が望める

客間梯子側から見返す
収納の下には地窓がある

客間から台所を見る
キッチンユニットにはGRAFTEKT(グラフテクト)を採用
左手にはトイレがある

トイレ
左手の建具で客間を仕切れる

台所奥には食品庫がある
食品庫内の壁には北欧デザインの輸入壁紙が貼られている。手前の食堂の照明器具は真鍮製のソケットに裸電球を取り付けたシンプルなもの

回り階段を見下ろす

階段吹き抜けを見上げる。アールの壁が柔らかい印象をつくる


1階玄関ホール
背後には大容量のシューズインクローゼットがある

玄関から見て右手に各個室が並ぶ
手前から主寝室、子供室、納戸、子供室

開放的な2階とは対照的に1階には実用的な個室をできるだけ無駄のないように配置しているが、各室をつなげる玄関ホールに少しゆとりを持たせることで窮屈に感じることのないようプラン上の工夫をしている。

主寝室

振り返ると一面紺色の壁がある

実用的な部屋が並ぶ1階の各個室には暗い印象をやわらげるようにビビッドな色の壁面を一面ずつ配置している。

子供室1

子供室2

納戸

洗面室
洗面ボウルはカウンターと一体成形された人工大理石で、継ぎ目のないミニマムなデザインが特徴

浴室

玄関扉が特徴的。米杉の羽目板を表面に貼ったオーダーの扉を採用

居間とフラットにつながるテラスは周囲の視線を感じることなく、南西側に向かってなだらかに下る地形による開けた景色を望むことができ、建て込んだ住宅地の一画であることを忘れさせてくれるような場所になった。


所在地:神奈川県横浜市
主要用途:専用住宅
意匠設計:織田建築設計室 織田遼平
施工:渡邊技建株式会社 小櫃光晴
構造設計:中村哲建築設計事務所 中村哲平
構造:木造
規模:地上2階+ロフト
敷地面積:104.31㎡
建築面積:51.32㎡
延床面積:113.82㎡

2020年10月9日金曜日

日建設計/大松敦取締役が新社長に

株式会社日建設計は9日、大松敦取締役常務執行役員が社長に昇格する人事を発表した。亀井忠夫代表取締役社長は代表取締役会長に就任する。就任予定日は2021年1月1日。

大松 敦(おおまつあつし) 
一級建築士、JIA登録建築家

生年月日
1960年 5月 17日 東京都出身 

略歴 
1983年 東京大学 工学部建築学科 卒業 
1983年 株式会社日建設計 入社 
1986年 東京スタジオプロジェクト企画室 
1998年 企画開発室長 
2003年 プロジェクトマネジメント室長 
2011年 執行役員プロジェクト開発部門代表 
2012年–2019年 株式会社日建設計総合研究所 取締役 
2014年– 日建設計(上海)諮詢有限公司 董事 
2014年– 日建設計(大連)都市設計諮詢有限公司 董事 
2015年 常務執行役員プロジェクト開発部門統括 
2015年– Buchan 取締役 
2016年 取締役常務執行役員プロジェクト開発部門統括 
2019年 取締役常務執行役員 都市部門統括 
2019年– 日建設計(成都)都市設計諮詢有限公司 董事長 
現在に至る 

主な経歴 
2004年–2018年 東京ミッドタウン日比谷 
2004年–2012年 大手町連鎖型再開発(一次/二次) 
2003年–2020年 渋谷駅周辺再開発プロジェクト 
2002年–2013年 東京駅八重洲口開発(グラントウキョウ) 
1998年–2007年 東京ミッドタウン六本木 
1990年–2007年 汐留地区再開発計画 
1990年–2008年 さいたま新都心開発


2020年10月5日月曜日

伊藤憲吾 氏 設計の「姫島の家」と「光と風の宿」が2020年度グッドデザイン賞を受賞

KENCHIKU内のコンテンツ<KENCHIKUさん>にも作品を発表している大分の建築家 伊藤憲吾 氏(伊藤憲吾建築設計事務所)の「姫島の家」「光と風の宿」の2作品が、公益財団法人日本デザイン振興会が運営する2020年度グッドデザイン賞に選定された。


受賞作品である「姫島の家」は、離島の伝統的な住居形態に対して、現代の設計者がどう応えるべきかを示してくれるプロジェクトである。条件が許せば、伝統をトレースすることも選択肢の一つだったのだろうが、ここでの取り組みは、制限を吟味し現代的に組み上げることへのチャレンジである。塩害への備えや材料の調達、職人の手配など、一つひとつの大事なものごとを積み重ねることが、伝統をアップグレードすることにつながっていくのではないか。」と評価された。 受賞作品の詳細はこちら
姫島の家

また、老人ホームである「光と風の宿」は、「社会の高齢化が進み、また多様な人たちがともに暮らすことが当たり前になってきている現代において、かつてはいわゆる「施設」であった老人ホームは、新しい「住まい」の一つになって然るべきである。この計画は、そうした時代の流れを体現している最も良い事例だろう。「施設」らしさは微塵も感じらず、一人一人が誇りを持って生きられるような質の高い空間と快適な環境がそこにはある。穏やかな外観も、地域にうまく溶け込んでいて素晴らしい。」と評価された。※受賞作品の詳細はこちら
光の風の家 (写真:YASHIRO PHOTO OFFICE)



●伊藤憲吾 氏の受賞コメント

姫島の家は離島の人口減少から始まる未来に向き合い、光と風の宿は高齢社会の住まいについて取り組みました。社会的な問題に向き合い、それを建築として構築できたことが評価されたのだと思っています。日々建築活動に取り組んでくる中で大変嬉しい評価となりました。これからもソーシャルグッドな建築を目指して建築活動をしていきます。

伊藤憲吾建築設計事務所
KENCHIKUさん

2020年10月2日金曜日

ゼネコン・設計事務所とプレカット工場をつなぐ  大規模木造マッチングプラットフォーム事業開始

㈱木構造デザインでは、大規模な木造建築を計画するゼネコン・設計者と、木造の構造部材を加工・生産するプレカット工場をつなぐ日本初の大規模木造マッチングプラットフォーム事業を開始した。

設計者はネットワークを利用することにより、これまでプレカット工場に個別に問い合わせなければ確認をすることのできなかった、加工に対応できるサイズやディティール、CLTや大断面集成材などの材料の種別を、適切に判断することができる。
大規模な建築の木造化率が上がらない要因とされる木造の構造設計者の不足や、設計から施工にいたるまでのノウハウの不足などの各種課題を解決し、構造設計から構造部材の加工・生産までワンストップでサービス提供することで、大規模建築の木造化を促進し、急成長する市場の活性化をはかる。

プレカット工場ネットワークは、初年度30社、3年後に全国100社(各都道府県1~3社を目途)のネットワークを構築をすすめていく。2020年10月1日現在の入会プレカット工場は、ティンバラム㈱・ハイビック㈱・㈱ランバーテック・㈱タツミ  ・セブン工業㈱ ・㈱岡本銘木店・院庄林業㈱・銘建工業㈱ ・㈱ワイテック・ランバー宮崎協同組合の10工場(順不同)

大規模木造建築の建設現場




株式会社木構造デザインは、SE構法を軸として木造の構造計算とその供給を牽引してきたエヌ・シー・エヌ㈱と、プレカットCADのシェア60%で生産の効率化を担うネットイーグル㈱の2社により2020年2月に設立された合弁会社。非住宅木造建築を専門とした構造設計事務所で、構造設計に加え、プレカットCADデータの作成、プレカット工場へのデータ提供をワンストップで担う。


株式会社 木構造デザイン




2020年10月1日木曜日

2020年度グッドデザイン・ベスト100発表

公益財団法人日本デザイン振興会は2020年度グッドデザイン賞受賞結果を発表した。

「交感」をテーマに4,769件の審査対象から1,395件の「グッドデザイン賞」受賞が決定した。また「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」は19件の受賞があった。

特に優れ、これからのデザインのモデルと位置づけられる「グッドデザイン・ベスト100」の中から特別賞・大賞が発表・選出される。

ベスト100には「京都市美術館(京都市京セラ美術館)」「延岡駅周辺整備プロジェクト」等が選出されている。

10月8日にグッドデザイン・ベスト100プレゼンテーション審査が行われ、10月30日に特別賞・大賞が発表・選出される。

10月8日グッドデザイン・ベスト100プレゼンテーション及び10月30日特別賞・大賞選出会は特設公式ウェブサイトよりライブ配信される。

『GRAPHISOFT Archicad 24』10/5国内リリース

BIMソフトウェアソリューションを提供するグラフィソフトジャパン株式会社は、Archicad 23の次期バージョンとして、『Arhicad 24』を10/5(月)に販売開始することを発表した。
同時にコーポレートブランディングが一新される。ミッションステートメントは「Empowering Teams to Create Great Architecture」とし、WEBサイトのリニューアル・製品名表記の変更・コーポレートロゴおよび各種製品ロゴの変更がされる。

▼変更されるロゴ(一部)
『Archicad 24』では、「モデル比較機能」によってデザイン案の比較が可能になり、新しく追加されたオブジェクトライブラリおよび日本仕様のコンテンツにより、建築デザインワークフローが一層強化される。加えて、新しく搭載されたノードベースのビジュアルスクリプティングツールである「PARAM-O」および「Python パレット」により、これまでは開発者の知識を必要としたカスタマイズが、一般ユーザーにもできるようになる。
さらには、『Archicad 24』を使った意匠・構造・設備の統合デザインを実現できる。設計の初期段階から各分野の担当者が同じBIM モデルを活用することで、より優れた設計をし、整合性と効率を向上できる。また、BIMcloud は、これまでのArchicad ユーザー間のチームワークサーバーから、OPEN BIM のデータハブへと進化します。ファイル形式とソフトウェアに制限されることなく、社内・社外を含めた最適なチームを構成して、プロジェクトを進めることが可能となる。
▼モデル比較機能
▼インテリアライブラリ
Pythonパレット
PARAM-O
統合デザイン
『Archicad 24』のリリースに加え、主に中小の設計事務所・アトリエ事務所等をターゲットとした『Archicad 24 Solo』、OPEN BIM のデータハブへと進化した『BIMcloud 2020.3』も同時リリース。これまでオプションソフトウェアとしてご提供していた『MEP Modeler』の全機能が『Archicad 24』に統合されるため、『MEP Modeler』の提供は終了する。iOS 版『BIMx』は、2020年7月8日のArchicad 24 インターナショナル版のリリースと同時にアップデートされ、単体でのアプリとしての有償版『BIMx PRO』の提供は終了し、アプリ内課金によるサブスクリプションでPRO 機能を利用できるようになった。