とおい山は、群馬県北軽井沢に一棟貸し型宿泊施設「私のhutte(ヒュッテ)」を開業すると発表した。開業日は2026年6月26日で、6月16日より公式ウェブサイトの公開とともにAirbnbで宿泊予約を受け付けている。浅間山麓の自然に囲まれた立地にあり、アートと建築、風景を横断的に体験する滞在空間として位置づけられる。
開発の背景には、代表の遠山正道氏が北軽井沢での滞在を重ねる中で得た体験がある。谷川俊太郎の旧居であり、篠原一男が設計した住宅に関わったことを契機に、建築と時間、そして人の営みが織りなす濃密な関係性に触れたことが、本計画の出発点となった。孤独や不便さをも含めた環境そのものの価値が、結果として人を引き寄せる場へと転化していく過程は、個人的な滞在空間が他者へと開かれていく動きと重なり、「私のhutte」という施設の構想にも色濃く反映されている。一つの滞在施設でありながら、そこでの過ごし方や時間の質までを内包した建築的な物語が通底しているとみられる。
同施設は、約10人のアーティストによる作品とともに過ごすことを前提に構想された。作品は独立した展示として並べられるのではなく、生活の場に溶け込むように配置され、朝夕の光や季節の移ろいとともに印象を変えていく。鑑賞という行為を特別なものとして切り離すのではなく、コーヒーを淹れる、本を読む、囲炉裏を囲むといった日常の延長において、自然と作品が同時に立ち現れる関係がつくられている。滞在者に提供されるのは、特定のアクティビティではなく、風景を眺める時間そのものといえる。
建物は1960年代に建てられた小屋を改装したもので、約1300平方メートルの敷地の中に佇む。計画において特徴的なのは、北側に広がる林の景観に価値を見出した点にある。一般的に住宅設計では採光の観点から南向きが重視されるが、本施設ではあえて北側の風景を主役とし、浴室やサウナなどの空間から木立を望む構成とした。室内の光を抑えることで、窓外の景色や光の揺らぎがより際立ち、建築と自然との関係が繊細に浮かび上がる。こうした空間体験は、縁側から庭を眺める日本的な静けさにも通じ、内外の境界を曖昧にする設計として整理されている。
さらに、深く伸びた軒の下には囲炉裏やデッキ、サウナ後の休憩スペースなどが配され、屋内と屋外のあいだに複数の居場所が連続する構成をとる。場を点在させることで、過ごし方に応じた距離感や時間の流れを選び取れるようにし、建築そのものを固定的な用途から解放する意図がうかがえる。
インテリアは、時代や地域を限定しないイメージの重なりによって構成されている。ブルーグリーンの壁面は「日常から離れてたどり着く場所」を想起させる色として採用され、木製ボートの船室を思わせるディテールと組み合わせることで、異なる記憶の断片が溶け合う空間を生み出した。家具と空間、アート作品は互いに影響し合う関係にあり、例えば一脚のソファの造形を起点に新たな家具を設計するなど、部分ではなく全体としての統一感が意識されている。また、出窓を設けることで風景に身体を預けるような滞在を可能とし、時間の過ごし方そのものに余白を持たせている。
施設は3室で構成され、定員は7人、駐車場は3台分を備える。館内面積は1階約57平方メートル、2階約42平方メートルとなる。
施設名:私のhutte(わたしのヒュッテ)
・所在地:群馬県吾妻郡長野原町大字北軽井沢2032番地1512
・開業日:2026年6月26日
・予約開始日:2026年6月16日
・総客室:3室
・定員:7名
・館内面積:1階 57.71平方メートル 2階 42.23平方メートル
・駐車場:3台(無料)
・公式WEBサイト:https://my-hutte.com
・公式Instagram:https://www.instagram.com/my_hutte_kitakaru/
私のhutte
https://my-hutte.com
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