2026年7月22日水曜日

共愛学園前橋国際大学4、5、6号館 合同内覧会 【SALHAUS、CAt、乾久美子建築設計事務所】

▲共愛学園前橋国際大学6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」

SALHAUSが設計された共愛学園前橋国際大学6号館が竣工を迎えられた。共愛学園前橋国際大学は2010年の4号館設計プロポーザル以降、大学の教育ヴィジョンと共に、キャンパスのマスタープランを醸成していくなかで、5号館・6号館とキャンパスの整備を行ってきた。

今回は、大学のご厚意により、乾久美子建築設計事務所による4号館「KYOAI COMMONS」、CAtによる5号館「KYOAI GLOCAL GATEWAY」、SALHAUSによる6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」を合わせた【3棟合同内覧会】が開催された。


見学会の開催に先立ち、大森昭生学長から大学のご紹介、各棟の設計者によるコンセプトや竣工までのプロセスなど説明が行われた。

大森学長は「校舎をつくるにあたって、大学のあるべき姿を学生や教職員と共に議論してきた。設計する際もビジョンを共有することで、本学の教育を象徴するような施設になった」と述べた。

▲大学の紹介をする大森昭生学長


▲4号館について説明する乾久美子氏

▲5号館について説明する赤松佳珠子氏

▲6号館について説明する日野雅司氏

共愛学園前橋国際大学6号館

KYOAI CO-INNOVATION HUB 設計:SALHAUS

▲6号館全景 北西より見る

6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」は情報系の学部「デジタル共創学部」の新設に伴う新校舎である。情報技術と地域社会とのかかわりを研究する領域であり、グループ活動などのアクティブラーニングを促す空間や、キッチンスタジオ、ホールなどの諸室が設置され、それらをまとめるように2層吹き抜けの「コラボレーションプラザ」という広場のような空間が考えられた。

▲2階から「コラボレーションプラザ」を見る

施設の中央に設けられた「コラボレーションプラザ」は階高が高く、見通しの良い明るい場所であり、周囲から気軽にアクセスすることが出来る。のこぎり屋根のハイサイドライトから自然光が取り込まれ、木の格子梁に反射した拡散光が室内に入り込むことで明るい環境が生み出されている。

▲2階から「コラボレーションプラザ」を見る

個別学習に使えるカウンターや棚が通路を縁取ることで、各エリアは緩やかにゾーニングされる。動線上に学習スペースやグループワークのための場所が設けられ、学生がお互いの活動を感じながら学習することが出来る。写真
奥の階段は湾曲することで、大きな入口を通った人の流れをスムーズに2階へと導く。

▲木の格子梁およびハイサイドライトの見上げ

上部の19m×19mの屋根は、木と鉄骨梁で架け渡される。木の格子梁は、スギ製材を9段積み重ねた2mほどの木梁ユニットを風車状に組み合わせ、ダブルグリットの格子梁が構成される。格子梁内のテンションロッドを鉄骨梁、木材を変型留めとして読むことで、準耐火建築物を実現している。

▲1階 Co-Reserch labを見る

▲1階 レクチャーなどに利用できる段床のベンチ

▲1階 レクチャールーム 

▲2階 吹き抜けを囲うように設けられた自習スペース

▲2階 吹き抜けに張り出したプロジェクトルーム

共愛学園前橋国際大学4号館

KYOAI COMMONS 設計:乾久美子建築設計事務所

▲キャンパスプラザから見た北側外観

4号館「KYOAI COMMONS」はラウンジやカフェを中心とした学生が集う場所、メディアセンターや教室を中心とした学びの場という2つのプログラムを内包する建築である。プロポーザルの要項にあった、場所の「重ね使い」をキーワードに、短冊状の各棟と、トップライトによる明るい廊下が交互に並ぶことで全体が計画されている。

▲1階 ICエリアからラウンジを見る

各スペースは鉄筋コンクリート壁と鉄板壁の異なる厚さの壁柱(構造壁)で区切られる。廊下を挟んで向かい合う場所は最低限の間仕切りによって空間がゆるやかに繋がり、部屋同士が関係しあうように設計されている。

▲カフェを見る。天井の高さは6.1m

各廊下の天井にはすべてトップライトが設けられ、廊下を介して各棟に光が取り込まれる。
トップライトを支えるフラットバーも棟同氏を構造的に繋ぐ梁となっている。

並ぶ吹き抜け部分と2階建ての棟はブリッジで繋がる。

壁柱の配置や吹き抜けによる空間の抜けによって、向こう側が見えたり見えなかったするような心地よい「見え隠れ」のある空間を作り出し、新しい学びの場所を実現している。

▲2階廊下から食堂をみる


▲1階グループワークエリアから食堂を見る

▲2階教室 廊下からの採光によって明るい空間となっている

共愛学園前橋国際大学5号館

KYOAI GLOCAL GATEWAY 設計:赤松佳珠子+大村真也/CAt

▲南西側外観 フレキシブルラーニングエリア(FLA)を見通す

5号館「KYOAI GLOCAL GATEWAY」は4号館(KYOAI COMMONS)の竣工後、「学習の場」「集い・交流の場」「事務機能」を一体化した新たな施設として設計された。キャンパスとの関係から、施設の四隅をそれぞれ特徴付け、各エリアを「フレキシブルラーニングエリア」(以下、FLA)と名付けられた廊下空間が繋ぐことで建物が構成されている。


▲南西側 キャンパスゲート側の吹き抜け空間

キャンパスの入り口となる南西側のキャンパスゲートには天井高約8mの吹き抜け空間が設けられ、全面開放可能な折戸によって通りと繋がる。デッキやベンチによって学生や地域の方が気軽に訪れられる場所となっている。


▲事務スペースに設けられたフレキシブルワーキングエリア

南東側の事務スペースには職員の交流を生むことを狙いとした、フレキシブルワーキングエリアが設けられる。2層吹き抜けの空間であり、外部に設えられたグリーンテラスと一体的に利用可能な、開放的な場所となっている。

▲2階FLAが各所室を繋げる

2階には学生が集まるプロジェクトルームや職員の諸室が設けられ、FLAがそれらを繋げる。外周やハイサイドライトからの光が、天井ルーバーによって室内に引き込まれることで、各諸室まで光が届く。FLA沿いには机や棚などのインテリアが配置されることで、諸室からのアクティビティが表出する。

▲KYOAIコミュニティホール 

▲それぞれのエリアにはミドルスケールの什器が並ぶ


見学した各棟ともに共通して、学びの共有空間(ラーニング・コモンズ)を積極的に空間に用いることで、「アクティブラーニング」や「GLOCAL」といった大学の教育ビジョンを明快に反映した施設となっていた。また、キャンパスの全体計画を意識した設計を行うことで施設以外の様々な場所の使われ方も同時にデザインされていることが印象的であった。


■共愛学園前橋国際大学
〒379-2192 群馬県前橋市小屋原町1154-4
Google map URL
TEL.027-266-7575
FAX.027-266-7576

■共愛学園前橋国際大学6号館「KYOAI CO-INNOVATION HUB」
設計:SALHAUS
構造:佐藤淳構造設計事務所
設備:設備計画
サイン:氏デザイン
施工:塚本建設

■共愛学園前橋国際大学5号館「KYOAI GLOCAL GATEWAY」
設計:CAt
構造:小西泰孝建築構造設計
設備:設備計画
サイン:TAKIYAMA
施工:塚本建設

■共愛学園前橋国際大学4号館「KYOAI COMMONS」
設計:乾久美子建築設計事務所
構造:佐藤淳構造設計事務所
設備:環境エンジニアリング
サイン:list
施工:鹿島・小林特定共同企業体

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