2026年10月1日木曜日

【建築資料研究社】 卒業設計日本一決定戦の全記録を一冊に収録「せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦 OFFICIAL BOOK」発売

建築資料研究社/日建学院は、全国の書店およびオンライン書店で『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦 OFFICIAL BOOK』を9月15日に発売した。建築を学ぶ学生による国内最大級の卒業設計展「せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦」の公式記録集で、予選から公開審査によるファイナルまでの全審査過程を収録した一冊となっている。

同書はA4変型判160ページで、編者は仙台建築都市学生会議とせんだいメディアテーク。定価は2420円。全国から集まった449作品を掲載するほか、受賞作品を含むファイナリスト10作品の内容や審査経過を詳しく紹介している。また、予選を通過した上位100作品「100選」については個別講評を収録し、さらに「100選」選出審査において当落線上にあった20作品についても、審査員によるコメントを掲載するなど、学生建築の現在地と審査の視点を立体的に読み取れる構成とした。

本書の大きな特徴は、最終結果だけではなく、全国から集まった卒業設計作品がどのような評価を受け、日本一へと絞り込まれていったのかという過程を詳細に記録している点にある。作品集としての役割に加え、建築教育や設計思考の記録資料としての性格も併せ持ち、学生や教育関係者、実務者にとって参考となる内容を収めた。

『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK』P.8-9:「日本一」受賞作品『 重なりの輪郭 』 鈴木 達也(千葉大学)より 撮影:伊藤 トオル  

『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK』P.52-53:セミファイナル審査  撮影:伊藤 トオル

『せんだいデザインリーグ2026 卒業設計日本一決定戦OFFICIAL BOOK』P.104-105:100選作品  撮影:越後谷 出

2026年大会で「日本一」に選ばれたのは、建築設計における根拠や意味のあり方を問い直した作品『重なりの輪郭』(鈴木達也氏・千葉大学)だった。衛星画像上でメガソーラーを湖と誤認した体験を出発点とし、湖とメガソーラーという異なる世界を重ね合わせながら、住居と変電所という異なる用途の建築を構想したもので、単一の意味に回収されない複数の解釈を生み出す建築表現が評価された。場所や用途といった既存のコンテクストに依拠することなく形態そのものを提示した点に加え、「不条理で矛盾に満ちた現代社会において、建築は何を語り得るのか」という問いに真摯に向き合う姿勢が高く評価され、最高賞の受賞につながったという。

大会の審査は、建築家の内藤廣氏を審査員長とし、伊藤博之氏、保坂健二朗氏、森田祥子氏、市川紘司氏が担当した。公式記録集には受賞作品や100選作品の図版のほか、セミファイナルや公開審査の様子も収録されており、会場で交わされた議論や評価の背景を追体験できる内容となっている。

せんだいデザインリーグは、学生による卒業設計を対象とした日本最大規模のコンペティションとして知られ、多様な発想や社会課題に向き合う提案を発信する場として定着している。今回刊行された公式記録集は、その全容を一冊に集約したアーカイブとして位置付けられ、次世代の建築人材が取り組む設計思想や表現の潮流を伝える資料としても注目を集めそうだ。





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