2018年10月29日月曜日

「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research」展内覧会

TOTOギャラリー・間にて2018年10月18日(木)から開催中の建築家・田根 剛氏(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)の個展「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research」展内覧会へ。


人間・時間・空間それぞれの間合いという、日本特有の概念を表象する「間」の一字を名称とした「TOTOギャラリー・間(ま)」は、社会貢献活動の一環としてTOTOが運営する、建築とデザインの専門ギャラリー。

1985(昭和60)年10月の開設以来、国内外の建築家やデザイナーの個展にこだわり続け、今回、フランスを拠点に世界各地でプロジェクトを進め、現在幅広い注目を集める気鋭の建築家・田根剛氏の個展「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research」を開催。

内覧会当日は田根剛氏から10分間の挨拶及び趣旨説明が行われた後、実際に展示を見て回る30分間の会場ツアーが行われた。


本展示は、東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリー・間の同時期に連携して開催。「Archaeology of the Future――未来の記憶」を共通のテーマにしながら、田根氏の密度の高いこれまでの活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を、ふたつの会場で紹介している。

TOTOギャラリー・間においては「Search & Research」にもとづき、建築における思考と考察のプロセスが展開され、田根氏のすべてのプロジェクトで実践されている「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の方法論を展観。

「Search & Research」とは、「先の見えない未来を模索しながら思考するということと、研究や調査といった地道に事実を捉えながら可能性を探すという文字は似ていても意味が違うふたつの言葉を使って僕らなりに何か見せられないか」という思いのもと掲げられたテーマである。

壁には展示される建築やその思考に関連する写真・スケッチ
新宿と六本木という立地、展示空間の面積、入場料、行われるアクティビティなどの差からふたつの会場を用いた同時開催する展示空間を構成した。
限られた作品数の中で展示のバランスを考え、一方だけ観ていただいても完結させられるよう苦労したとのこと。

3階展示は中庭まで続く
今回の展示物をフランスから運ぶために作られた輸送箱も展示されることになった
一部展示されなかったものが収まったまま
4階は靴を脱いで鑑賞する映像作品が12分流れる
「人々にとって時代が変わる瞬間を、建築をもって作ることが出来たと実感した」という「未来を作る」というテーマを意識するきっかけになったエストニア国立博物館を筆頭に、最新作である住宅作品Todoroki House in Valley、新国立競技場案 古墳スタジアムなど21作品がスタディ模型や関連する書籍、写真とともに混然一体となって展示される。


また、TOTO出版から田根氏初の著書として『田根 剛 アーキオロジーからアーキテクチャーへ』が発行される。

TOTOギャラリー・間「田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research」は12月23日(日・祝)まで。
東京オペラシティアートギャラリー田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Digging&Building」は12月24日(月・祝)まで。

本展示の詳細はこちら

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