チームラボは、インド・ムンバイのニタ・ムケシュ・アンバニ文化センター(NMACC)で7月3日に開幕したグループ展「Second Nature」に参加し、展示作品を公開した。会期は2027年1月10日まで。同展は、文化センター内のアートハウス全4フロアを舞台に、人間、テクノロジー、自然の関係性をテーマとして開催されるもので、ランダム・インターナショナル、A.A.ムラカミ、サイモン・ヘイデンス、エス・デヴリンら国際的なアーティストとともに作品を展開する。
展覧会を企画したリライアンス・グループ取締役のイーシャ・アンバニ氏は、テクノロジーや自然、人間の創造性が相互に影響し合う時代の到来を背景に、好奇心や感情、思索を喚起する体験を目指したとしている。人工知能や高度なデジタル技術が社会に浸透するなか、アートを通じて未来との対話を促す場として位置付ける。
チームラボは、「生と死」「他者との関係性」「自然との共生」をテーマにした3作品を出展する。なかでも大型インスタレーション《Nirvana: Fleeting Flowers, Radiance Within》は、江戸時代の絵師・伊藤若冲による《鳥獣花木図屏風》や《樹花鳥獣図屏風》を着想源とした作品。若冲が用いた「升目画」の表現構造を現代的に再解釈し、花々によって描かれた世界を四方の壁面いっぱいに展開する。鑑賞者は絵画を外側から眺めるのではなく、その内部へ入り込み、身体を通して作品世界を体験する構成となっている。
作品内で咲く花々は、生まれ、成長し、やがて散っていく。鑑賞者が花に触れると花は散り、その部分の世界も変化する。さらに、自分だけでなく他者の行為によっても作品空間は絶えず変容するため、目の前に現れる風景は常に更新され続ける。光の反射によって生まれる煌めきも作品を特徴づける要素で、鑑賞者の動きに応じて光が揺らぎ、絵画空間と実空間が連続するような体験を生み出す。
《呼応する小宇宙-固形化された光》は、チームラボが長年展開してきた「呼応する群体彫刻」シリーズの一作。空間に配置された卵形の彫刻「Ovoid」は、人に押されると光を強く放ちながら自ら立ち上がり、同時に音色を響かせる。その反応は周囲の彫刻へと伝播し、空間全体へ連鎖する。ここでは鑑賞者だけでなく、周囲の環境や他作品との関係性も作品を構成する要素となっており、個々の彫刻は独立した存在でありながら一つの生態系のようにつながり合う。
もう一つの出展作《花と人、コントロールできないけれども共に生きる》は、人間と自然の共生をテーマとした代表作の一つだ。花々は絶えず生まれ、咲き、散りながら空間を移ろい、人々が立ち止まれば周囲に花が咲き広がり、触れたり歩き回ったりすれば花は散っていく。作品はあらかじめ収録された映像ではなく、人々の行動を受けながらリアルタイムで生成され続けるため、同じ情景が再び現れることはない。
チームラボは本作について、自然を完全に制御するのではなく、そのルールに寄り添いながら共に生きる人間の営みを探る試みと位置付けている。他者の存在は作品鑑賞を妨げるものではなく、新たな変化をもたらす存在として組み込まれ、鑑賞者同士の関係性も作品の一部となる。
会場となるニタ・ムケシュ・アンバニ文化センターは、2023年に開館したインド有数の複合芸術施設で、舞台芸術や視覚芸術、伝統工芸など幅広い文化発信を担っている。今回の「Second Nature」は、テクノロジーとアートの最前線で活動する国際的なアーティストが集う大型企画展として開催されており、チームラボは3作品を通じて、人間、自然、他者の関係が絶えず影響を与え合う新たな鑑賞体験を提示している。
チームラボ



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