木造建築プラットフォーム事業を展開する株式会社エヌ・シー・エヌ(NCN)は、株式会社SANUが兵庫県淡路市で開業した「SANU 2nd Home 淡路島 1st」において、木造建築に関する各種ソリューションを提供した。国内最大級のシェア別荘サービスおよび会員制セカンドホームサービスを展開するSANUにとって、関西エリアで本格展開する初の拠点となる施設で、NCNは構造設計から施工支援までを一体的に担い、事業立ち上げをサポートした。
「SANU 2nd Home 淡路島 1st」外観
同施設で採用された建築モデル「RAY」は、Blue Bottle CoffeeやKarimoku Commons Tokyoなどの設計で知られる建築家・芦沢啓治氏とSANUが共同で開発した連棟型建築で、木の温もりを生かしながら、時間とともに移ろう自然光を空間体験の核に据えている。瀬戸内海を望む立地を生かした設計が特徴で、朝夕の光の変化が室内に豊かな表情を生み出し、建築とインテリアを一体的にデザインすることで洗練された滞在空間を実現した。
NCNはプロジェクトの初期段階から構造パートナーとして参画し、独自の「SE構法」を採用。構造計算や省エネルギー計算、プレカット材の供給に加え、大規模木造建築ネットワークを活用した施工支援を提供した。システム化された構造設計と確認申請対応を一括して行うことで、SANUが実績の少ない関西エリアで直面する設計負荷や施工会社との調整業務を軽減し、工期短縮による早期開業と事業収益性の向上につなげたという。
2階プライベートサウナのついた半露天風呂から瀬戸内海を望む
建設地は海を見下ろす東向きの高台に位置し、眺望と構造性能の両立が求められた。SE構法では特殊な金物によって柱と梁を強固に接合することで、高い耐震性と耐風性能を確保しながら、壁量に依存しない開放的な空間構成を実現。室内からは水平線や朝日を望むことができ、沿岸部特有の強風環境にも対応している。
また、「RAY」は全室にプライベートサウナと半露天風呂を備えており、複雑な荷重条件への対応が必要だった。NCNは独自開発の立体構造シミュレーションを用いて高度な構造計算を実施し、連棟建築特有の荷重バランスや水回り設備を含む建物全体の安全性を検証。自然光を生かした建築デザインを維持しながら、科学的根拠に基づく構造性能を確保したとしている。
「SE構法」の構造パース
さらに、今回のプロジェクトでSE構法による構造システムを最適化したことで、今後のSANUの多拠点展開においても構造図面や設計データの転用が可能となり、設計期間の短縮やコスト削減が期待される。NCNは、木造建築における設計・施工プロセスの効率化を通じて、早期開業と持続的な収益性向上を支援していく考えで、今回の取り組みはデザイン性と事業性を両立した木造建築プロジェクトの一例として注目されそうだ。



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