全国の大学院生による修士設計・修士論文の成果を集めた『トウキョウ建築コレクション2026 Official Book』が刊行された。建築資料研究社が発行した同書は、国内最大級の学生建築イベント「トウキョウ建築コレクション2026」の公式記録集で、第20回大会の内容をまとめたもの。全国修士設計展、全国修士論文展のファイナリスト作品をはじめ、公開審査や討論、企画展の内容までを収録し、建築教育の最前線で生まれた思考や提案を一冊に凝縮している。
トウキョウ建築コレクションは、建築系大学院生の修士研究・修士設計を社会に開く場として2007年から続く取り組みで、多くの若手建築家や研究者がここから羽ばたいてきた。実務に携わる建築家にとっては次世代の問題意識を知る場であり、学生にとっては全国の同世代がどのようなテーマに挑んでいるのかを知ることができる貴重なプラットフォームとなっている。本書は単なる展覧会図録ではなく、日本の建築教育の現在地を俯瞰できるアーカイブとしての意味合いも持つ。
第20回大会は「継往開来」をテーマに開催された。全国修士設計展では岸和郎氏を審査員長として神谷修平氏、小室舞氏、保坂猛氏、名和研二氏が審査を担当し、全国修士論文展では小野田泰明氏をはじめとする研究者・実務者が選考にあたった。本書にはファイナリスト作品に加え、公開審査で交わされた議論や講評も収録されており、作品だけでは見えてこない建築的思考のプロセスを追うことができる。
『トウキョウ建築コレクション2026 Official Book』論文展:P.198-199
『トウキョウ建築コレクション2026 Official Book』論文展:P.190-191
さらに今回は20回目の開催を記念し、大会の歩みを振り返るアーカイブ企画も掲載された。渋谷区立猿楽小学校とのワークショップ「手のひらの代官山」や、栗生はるか氏と鍵野壮宏氏による対談なども収録され、建築を社会や教育との関係から捉える視点も盛り込まれている。344ページにおよぶ記録集は、次代の建築を担う若い知性と、この20年間の建築教育の軌跡を伝える一冊として注目を集めそうだ。
建築資料研究社




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