2026年8月17日月曜日

【京都建築センター】 国内初の建築ツーリズム拠点を、安藤忠雄氏設計「TIME'S」に開設

「建築を楽しむための拠点」が、京都のまちなかに誕生する。合同会社まいまいは、建築ツアーを軸に展示、ライブラリー、ショップ機能を備えた「京都建築センター」を開設し、8月5日からツアー受付や店舗営業を開始、9月2日に全館グランドオープンする。拠点となるのは、建築家・安藤忠雄氏が1984年に手がけた複合施設「TIME'S」。建築そのものを起点に都市の魅力を体験する新たな文化拠点として注目を集めそうだ。
△安藤忠雄氏が設計した複合施設「TIME'S」外観

△「京都建築センター」内観イメージ

建築を目的に都市を訪れる「アーキテクチャルツーリズム」は欧米を中心に定着している。シカゴやコペンハーゲン、アムステルダムなどでは、建築センターが市民や観光客を街へ送り出すハブとして機能し、展示やライブラリー、ガイドツアーを通じて建築文化を社会に開いてきた。一方、日本には優れた歴史建築や現代建築が数多く存在するにもかかわらず、それらを総合的に体験し学ぶための拠点はほとんど存在してこなかった。

京都建築センターは、そうした空白を埋める試みとして開設され、世界遺産の社寺建築から近代建築、現代建築までが共存する京都を舞台に、専門ガイドによる建築ツアーや企画展示、ライブラリー、さらには建築文化を日常へ持ち帰るためのショップ機能を展開する。
単に建築を「見る」のではなく、その背景にある都市の歴史や文化、人々の営みを読み解く場を目指すという。

建築家や設計者の視点で見ると、特に興味深いのは立地そのものだ。センターが入居するTIME'Sは、打放しコンクリートと自然環境を融合させた安藤建築の初期代表作の一つとして知られる。高瀬川に面して計画された建物は、都市の中にありながら水辺や光、風との関係を巧みに取り込み、人と自然の距離感を問いかけ続けてきた。この建築自体が一つの展示物であり、訪問者はセンターへ足を運ぶ過程で、すでに建築体験の中に身を置くことになる。
施設内には「まちと建築を楽しむ建築家の本棚」をコンセプトとしたライブラリーも設けられる。約20組の建築家らが選書した蔵書を通じて、専門書だけでは見えてこない建築家の思考や都市へのまなざしに触れられる構成となる予定だ。

運営を担うのは、「まいまい京都」をはじめ年間2000本を超えるまち歩き企画を実施してきた合同会社まいまい近年は京都モダン建築祭、神戸建築祭、東京建築祭の立ち上げや運営にも携わり、建築をきっかけに都市の魅力を発見する文化を育んできた。さらに、日本で初めて「建築センター」を掲げた「けんちくセンターCoAK」を立ち上げた川勝真一氏も参画。空間設計は2025年大阪・関西万博の休憩所4を手掛けたMIDW architectsstudio archeが担当する。




京都建築センター
https://archicenter.jp/



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